ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組『今夜、ロマンス劇場で』感想②


 ロマ劇のナウオンメンバーへの感想(もっといっぱい書きたかった)がざっくり終わったところで、ナウオンメンバー以外についてをどのような順番で話していけばいいのか迷ってしまう。だって、月組生が出ていたら、そこは全部見どころなのだ。どうしたらいいのか分からない。分からないまま、書き進めてしまう。よって、場面などが前後するお見苦しい感想だがどうか許してほしい。



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 最初は健司が入院している病院のシーンなのだが、後ろを通り過ぎる患者や付添人がめちゃくちゃ月組の芝居をしている。そっちも見たいと思っている間に物語は容赦なく進んでいくし、さっこちゃん(退団されるので是非注目してほしい)じゅりちゃんりりちゃんの現代パートは全員活舌が良いので導入にぴったりである。


 さて、その後、男役と娘役がパートナー同士で踊りだす舞踏会が始まる。どのカップルも見どころがあるからもうここは好みだ。配信と円盤には誰が映りこむだろうか。(尚、円盤の発売日はまだ未定)

 ここは下級生も結構入っている場面なのだが、蘭尚樹くんと結愛かれんちゃんの超絶技巧カップルの優雅な競技ダンスっぷりには視線をぐいぐい奪われる。動きが軽やかで品があるだけでなく、表情も素晴らしい。みんな素敵なのは前提として、特に目を奪われる上級生カップルなのだ。(上級生というのはカップルメンバーの中では、という意)
 しかしこの場面、舞踏会の男たち(れおくんあおいくんしゅりんぷくん等下級生を発見できるチャンス)のバックステップも見逃してはならないし、強気月組娘役たちの仕草も一々かっこいいので追いかけたい。真ん中を見つつ、それらを全て把握するのは至難の業だが、細かいところまでとにかく全部全員最高なのである。

 ディアナ様の左右にほたるちゃんといちごちゃんがいる。いちごちゃんはセブンカラーズやパレードのエトで確認しやすいとして、だったらここは下手側にいるほたるちゃんのお顔に注目してほしい。なんて綺麗だろう。研 3とは思えぬお化粧の上手さ。(素顔もとても美人)
 月組生、お化粧上手が多すぎて、メイク本を発売したら大好評を博す大ベストセラーになると思う。



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 京映メンバーではからんちゃんみちるちゃんるねぴ監督助監督セブンカラーズなどなどで大盛り上がりの見どころ満点なのだが、からんちゃんとみちるちゃんの親子は超仲良しで見ていて超癒される。
 ダイナマイト事件で爆発するとき、からん社長がみちる塔子を庇ったりと親子愛に溢れているのである。あと毎回アドリブのやりとりがキュート。嫌味要素ゼロな塔子さんをみちるちゃんが純粋無垢に演じるのですが、みちるちゃんめちゃくちゃ月組に馴染んでいる。最初にがっつりお芝居をするのがお芝居大好きみんなの人気者からんちゃんだったのもすごく良かったんだと親のような気持ちで安堵している。

 そして、俊藤の映画撮影においてスモークを「もっと〜」「もっとだ〜」と煽る狂気さを孕んだヤス監督。
 台詞がそんなに多くないにも関わらず、ヤス監督が口にするひとことひとことが味わい深くクセになる。「いいね〜」なんかもイチオシだ。




 助監督メンバーは皆撮りたいものや得意分野が異なるのだが、その違いが説明されなくても伝わってくる。どういう技術なのかは謎なのだが、ひとりひとりの持ち味が違うことがすぐに感じ取れる月組クオリティ。健司と伸太郎以外のメンバーは、一星くんてらくんるおりあくん真弘くん七城くん和真くんという、「この中にきっと、あなた好みの助監督が必ずいる」というメンバーを揃えてきていることが恐ろしい。逃げ場がない。

 これは後で語るセブンカラーズでも言えることなのだが、助監督メンバーの中に、絶対あなたは推しを見つけられる。
 助監督たちが歌を学年順に歌うので、「今の人は誰だろう!?」と思ったら、学年順に数えてほしい。それがあなたの推しである。

 助監督たち、健司とともに前向きに監督デビューを目指す楽しそうなパワーがあって、見ているだけで活力をもらえる。エナジードリンクより漢方よりもしっかり身体に効く。是非に助監督たちの夢見るパワーを浴びてほしい。

 また、俊藤さんの付き人三人衆、蘭くん彩音くん彩路くんも最高だし、この三人も学年順に声を上げてくれるので安心して推しを見つけてほしい。わたし的には三人目に高めの一癖ある声で「俊藤ぅさんおかえりでぇーす」って叫ぶ彩路くんの声色がツボである。


 さて、さっき教えておいたのだが、セブンカラーズというキュートすぎるアイドルたちの中にも必ずあなたの推しはいる。


 銀橋下手から、 【 ピンク→(いちごちゃん) 橙→(こありちゃん) 黄→(りりちゃん) 緑→(ゆーゆ) 水色→(雪ちゃん) 青→(蘭世ちゃん) 紫→(みかちゃん)】という順番。


 これまた全員超絶かわいいので、スカステニュースでなかなかセブンカラーズの場面が映らないのは遺憾の意である。めちゃくちゃテンション上がるから。後藤さんの場面を「ヘイッ! ヘイッ!」って盛り上げているのとか泣けるくらいかわいい。桃歌雪ちゃんの泣きボクロとかちゃんと把握できるくらいしっかり映して欲しい。あの小悪魔メイクに人類は簡単にハートを打ちぬかれる。自分たちの持ち歌ではなく俊藤さん紹介ソングを健気に歌う彼女たちにもっとスポットライトをお願いします。


 そして最初こそ一緒に「京映〜京映〜」と歌っていたりりちゃんは、悪魔祓いの歌を謎の女としてドスを利かせて歌ってくれるのだ。
 なんて最高の娘役だろう。おはねちゃんの代役をきっちり務め、アイドルから看講師役までやってのけたりりちゃんは頼れる娘役すぎて姐さん役とかしてほしい。おはねちゃんの謎の女は円盤で残るはずなのですが、(円盤の発売日は未定)りりちゃんとおはねちゃんの謎の女の在り方の違いとか超すごいので、どちらも「ほえ〜」ってなる。ヅカオタであそこの場面が嫌いな人はいない。



 俊藤さんのインタビューを受けている場面では、助監督やセブンカラーズを筆頭に、わちゃわちゃデレデレしている京映メンバーたちが毎日違うことをしているので、毎日楽しいし毎日端から端までを確認できないことに悔しくなることで有名な場面。(わたし調べ)新鮮度が凄まじく高いのだ。目があと五つは欲しい。

 個人的に音響のまりやっちょとキャメラマンの甲海くんが視覚的大優勝をしているので、興味を持たれた方はぜひ探して欲しい。音響とカメラマン、ヤスくんが呼んでくれるのできっと分かるはず。




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 警官役でひとり頑張るつばさくんを語らずにいられるだろうか、いや、いられない。もう君はひとりで何でもできるね。怖いものなんて何もないね、と親のような気持ちで頷いてしまう。(つばさくんは『川霧』の菊三も最高だったな……)
 新公主演していなくてもこれだけの目立つ場面が与えられて、それをきちんとものにする月組生フォーエバーラブ。大千秋楽のアドリブも楽しみすぎて今から気絶しそうである。



 アドリブと言えば大蛇丸の従者、雨霧・狭霧コンビが欠かせないわけなのだが、「この同期コンビを見られて嬉しい」という栄光のナンバーワンに選ばれそうなくらいこのふたりのコンビが嬉しい。
 すごいくだらないアドリブも、同期同士だからこそ採用されている感じがとても良い。
 ふたりで楽しんでどんどん小学生みたいなことやっていいよ!ってなる。あのふたりがくだらなければくだらないことをするほど、大蛇丸様の意外な苦労人度合いが垣間見え、みんなが大蛇丸様を好きになる、という不思議な構図が出来上がっているのだ。

 触れたら消えるのに、消えたいんか? ってくらいタンゴで健司に近づいていくのとか、本当に賭け事好きなんだろうなってことの裏付けみたいでめちゃくちゃ良き。ていうかタンゴの歌は天才がつくっている。あそこもヅカオタは皆好き。じゅりぱる大千穐楽のアドリブも楽しむんだぞ……!




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 ばあやとじいやと三獣士の場面ではばあや副組のポップなせりふ回しとじいやぐっさんの絶妙に貧乏くじ引きそうな具合がクセになる。映画の説明ありがとう。とても分かりやすいし、お礼にカビ対策手伝いたい。
 蓮さんうーちゃんみよっしーの三獣士は、ちょっと年老いている狸吉(どこまでも通る声は国宝)・好戦的なのが隠せない虎衛門(背中にまさかの調味料)・喋れないのに一番頭を使っている鳩三郎(くるっくーだけで感情伝わる技術どこで習得したんですか)
 このバランス良すぎて外伝がほしい。ハンサムガイも大蛇丸と愉快な従者もだけれど、『三獣士〜鳩は虎に食べられるのか〜狸吉はいずこ〜』みたいな外伝が欲しすぎて堪らない。細かく役作りしてくれるからこそ全部外伝が欲しい。

 姫様大好き陽気な三獣士、姫様とお別れして寂しいだろうから、最後色がついて姫様と「わぁ〜!」ってなってるの祝福〜。かわいいがあふれすぎて多幸感。

 あと、じいやとばあやと三獣士のところで「美雪殿がやって来ない!」と大蛇丸様が乗り込んで来る場面は、衛兵に澪あゆとくんと一輝翔琉くんが出ています。出演人数が少ない場面なので「かわいい衛兵ふたり誰!?」ってなったときの参考にしてください。ぴょこぴょこ踊るのかわいすぎて「月組の未来たのしいかよ〜」ってなる。




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 シナリオハンティングの場面では夏祭りの屋台が賑わっているのだが、月組生みんなけん玉がみるみる上達していて拍手したくなる。
 スタイル抜群で俊藤さんの横にいることが似合う萩京子様を演じているさち花さんはここでおばあちゃん役として出演しているのだが、孫役をしている美海そらちゃんがすっごいかわいいから見てほしいな。退団するさっこちゃんが甲海くんと風車屋しているところも見てほしいな。でも屋台を楽しむいろんなカップルも見てほしいな。みんな胸キュンデートしてるし、いろんなことしてる。(以下、カップルの組み合わせ)

【 ぎりぎり&はーちゃん(後々せんりちゃん)
  空城くん&清華ちゃん
  一星くん&雪ちゃん
  てらくん&ゆーゆ
  彩路くん蘭世ちゃん
  るおりあくん&まのあちゃん  】

 そして、夏祭りにいたカップルたちはれこうみの周りを優雅に踊るのだが、この中でのわたしのお気に入りはピンク衣装のはーちゃんとぎりぎりのカップルである。将来、小高い丘の白い家に住みそうな雰囲気を醸し出していて、勝手に祝福したくなる。長身素敵大人カップ爆誕。どのカップルも本当に素敵なので全員分のスターアングルをください(尚、繰り返し言うが円盤の発売日は未定)

 この場面は本当に美しくて宝塚ならではなので宝塚〜♪に浸れてずっと観ていられる。終わらないでほしい。この場面一時間流して欲しい。



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 我らが組長は本多さんを演じているのだが、まあどうしていつも味がある。老人役のバリエーションが多すぎて凄いし、細かな仕草で、何かに気づき、何かを悟り、何かに焦っていることが伝わってくる。「芝居の月組の組長」るうさんはいつも、月組のまとめ役として、舞台をまとめあげている。
 今回の哀愁ある役は、るうさんのセリフ回しで、切なさをより一層強くしていた。
 そしてそんな本多さんの相手役である写真の女を東京では結愛かれんちゃんが演じている。健司が美雪に恋をしたように、本多が恋をした女性に違和感ない出で立ち、繊細さ。結愛かれん様の人を魅了する雰囲気は、短い場面でも発光するように発揮されていた。

 この写真の女は、おはねちゃんが休演になって以降、こありちゃんといちごちゃん、そして結愛かれんちゃんが代役を務めてきた。皆それぞれ違った美しさや可愛らしさがあり、たまたま四人とも観れたわたしはそれぞれの良さを体感した。
 恐らく、円盤や千秋楽(スカステで映るよ)も含めて三人分の写真の女が収録されているはずなので、それぞれの良さを改めて実感して欲しい。(そして円盤の発売日を切実に教えて欲しい)





 ざっくりいろんな月組生の感想を述べてきたけれど、全然足りないことに愕然としている。

 そんな中で、これは絶対に言いたいのだが、
 ロマ劇で一番視覚的にひれ伏すのは、健司でも俊藤でも大蛇丸でもなく、回想の場面(健司がナレーションするところ)のSena Ayaoto with glasses。つまり、眼鏡をかけた彩音星凪である。

 これは大変個人的な好みと主観で人選しており、あなたのナンバーワンとは異なることを許して欲しい。ここの彩音くんは黒縁眼鏡だけではなく、裾を肘の方へ捲っていて、わたしの好き要素だけで出来ているのだ。双眼鏡でその姿を確認した時、「それはあんまりに卑怯ではないか……!」と声が出そうになったのを今でもよく覚えている。かっこいい。かっこいい。かっこいい以外の語彙がなくなる。「え、かっこいい……」と、素で声が出そうになるナンバーワン男である。(ちなみに美雪役のゆららちゃんが可愛すぎるのでゆららちゃんのことも見てほしい)



 あと、この演技が外せないってポイントも回想の場面にある。それは、杖をつくようになった健司の幻想を演じるるねぴである。中間管理職清水くんのるねぴも大好きなのだが、年老いてしまった健司を一瞬の佇まいで、動きで、きっちり表現してくる素晴らしさを讃えたい。
 よぼよぼしていて、健司はもう二度と昔と同じような動きは出来ないのだと伝えてくることにより、異質な美雪と普通の人間の違いをさらに際立たせ、泣かせてくる芸当。(れいこさんのナレーションが素晴らしすぎるのは前提として)
 死が近づいていることを知らせるかのように小さく見える背中の丸まり方、思い出しただけで泣けてくる。終盤にかけての切なさを、れいこさんのナレーションとともに盛り上げるるねぴの力はすごいのだ。(そして美雪役のみかちゃんの演技も最高なのでみかちゃんのことも見てほしい)




 いろんな思い出が頭を駆け巡り、いつもなら手に入っている円盤もなく、代役の感想も書きたいとなると、場面も時系列もバラバラになってしまったので、感想なのか配信や円盤用の見どころなのか自分でも分からない。
 しかし、分かったことがひとつある。月組生たちの魅力は何千字という文字数では書ききれない、ということである。
 みんなダイナマイトのように輝いている。ショーも最高だったことはまたいずれ書くからね。


 そして、明日はいよいよ大千穐楽……! いよいよここまできたんだなあ。寂しいけれど、ここまで突っ走ってこれて嬉しい気持ちの方が勝る。本当にめでたい。


 大千穐楽は、さっこちゃんの退団挨拶があるね。
 ありちゃんの組み替えについてれいこさんが想いの丈をお話しできる時間が取れたらいいな。
 ありちゃんはカフェブレで、れいこさんはロングインタビューとグラフでそれぞれ「大好き」の気持ちを表現しているけれど、明日の舞台上でそれを観れるか、れこありのファンとしてちょっとドキドキしちゃうな……。あったらうれしいし、なかったられこありの絆はふたりの秘密なんだな……。(ありちゃんが大劇場公演の舞台に月組生として立つのが最後とかまだ信じられなくて実感がない……ギャツビーにも居てくれ)



 何はともあれ、明日の月組の舞台が無事に幕を開けますように……! そしてこの最高作品の円盤発売日が発表されますように!

 『今夜、ロマンス劇場で』と『FULL SWING!』が最高の結末を迎えますように!!! 祈願!!!





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