ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組次期トップスターに


 いよいよ『ブエノスアイレスの風』千秋楽の日がやって来ました。

  昨日はギャツビー制作発表であんなにはしゃいでいた心がずっしり重たく沈んでいます。(振り幅の負荷で心がやられてしまいそうだよ)


 千秋楽まで完走できることがとてもうれしい反面、千秋楽が来てしまったことがとても寂しいです。(でも無事に千秋楽を迎えたことが本当にうれしいです)



 退団ではないのだからと自分に言い聞かせても、 今日が暁千星さんを月組で観る最後なのだと思うと、 出発前の今から涙がこぼれそうです。


 組替え制度はジェンヌさんをより一層輝かせるものだとは分かっているのですが、 「やっぱりどこにも行かないでくれ……」 の気持ちの大きさに震えています。 こんなにもありちゃんのことが大好きなのに……なにゆえこんなことに、と頭を抱えてしまいます。



 わたしは冗談抜きで、 暁千星さんはいつか「月組のトップスター」になると思っていました。下級生のときから抜擢続きだったことももちろんあるのですが、 ブリドリでのとある場面でより一層、 そう強く思ったのを今でも覚えています。


 それは、 「1789」のフェルゼン役について語るときのことでした。暁さんは当時研4だった自分を振り返りながら、 「周りの人を困らせた」 「とても緊張した」 「DVD を渡されたが自分の出演場面は飛ばした」 という、 実にネガティヴワード連発で、 「今も見れないほどの役」だと語っていました。


 わたしはそれを聞いたとき、 「なんて努力の人なんだろう」 と思いました。


 当時のわたしにとって、 暁さんの売りは、「美しくダイナミックなダンス」 と、 「深い歌声」 でした。 お芝居が苦手でも、 ダンスや歌でこれだけの技術があるんだもんな、と納得さえしていました。

 しかし、 暁さんが、 ダンスや歌だけでなく、 「お芝居にも一生懸命なところ」 「お芝居を頑張りたいところ」 が、 この番組を通してなんだかひしひし伝わってきて、

「この人は将来、芝居の月組のトップスターになる人だ」 と、 強く強く思いました。



 そこから暁さんのお芝居はみるみるうちに成長しました。 周囲の月組生はもちろんのこと、 「組替えしてきた月城さん」や「戻ってきてくれた鳳月さん」 たちの、「違う組からの風」 に影響されるような形だったと思います。


 『桜嵐記』『川霧の橋』そして特に 『今夜、ロマンス劇場で』 の大蛇丸役を、 たくさんの人が絶賛していました。 歌やダンスはもちろんですが、 「お芝居の良さを絶賛」 されているのを見たとき、 聞いたとき、 なんだかとてもうれしくてうれしくて、 「暁さんおめでとう……努力はこんなふうに実ったよ」 と親のような気持ちになりました。 可愛らしかった月組の王子様が、こんなにも格好いい月組の王子様になったのだと、 なんだかとても、本当に嬉しかったです。


 ですが、ムラでロマ劇が上演されている最中、 無情にも暁さんの組替えが発表されました。



 本作で実質、月組三番手各となり、 「次期もしくは次期次期月組トップスター暁千星」 に一歩も二歩も近づいて嬉しくなったときの発表でした。



 人はこんなにも落ち込むのだというくらい落ち込み、 人はこんなにも駄々をこねたくなるのだというくらいひとりで駄々をこね、だけどどうしようもない現実と向き合ってきてはや4カ月。



 ついに今日が来てしまって、 「ああ……来てしまったな」 という目を瞑りたいような心境です。 「いつか」は絶対に来ると、 大人になるにつれ学んできたわけで、 その 「いつか」 は 「今日」 なわけですけれど。


 この先、暁千星さんが「星組のトップスター」になれど、「月組のトップスター」になる可能性は、ほぼほぼないと思います。
 それどころか、月組の舞台で踊り、歌い、芝居をすることは、 今日で最後になるのだろうなと思うと、 やっぱりそれだけでとても寂しいです。星組で活躍する姿を楽しみと言いつつ、今日だけは寂しいを爆発させていいかなと思い、寂しいを連呼しています。本当に寂しいです。


 およそ10年、大好きな組にいた大好きな方と、とうとうお別れをしなくてはいけません。


 退団するわけではなくてもこんなに寂しいので、 退団したときにはどうしよう、とも思うのですが、たくさんのジェンヌさんの組替えや退団を何度も乗り越えてきたので、今回も頑張って乗り越えていこうと思います。


 まずは今日、 暁千星さん最後の月組公演を、悔いなく見守って来たいと思います。



  大きめのタオルを持って、 いざ、『ブエノスアイレスの風』DC公演千秋楽に行って参ります……!



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