本日、月組東京宝塚劇場『グレート・ギャツビー』新人公演の幕が無事に上がり、先ほど終了いたしました。
ライブ配信で拝見させていたのですが、もう、「なんて素晴らしい新人公演なんだ!」と、家の中で叫び出したい気持ちでいっぱいです。
宝塚大劇場では残念ながら中止となってしまい、わたしもチケットが消えてしまって泣きに泣いたのですが、残り1度のチャンスであった今日という日に、無事に上演できたこと、本当に嬉しく思います。
いや〜もうわたしは新人公演大好き人間なので、いつも「最高の新人公演だった〜」になるのですが、今回も、それはそれはもう「最高の新人公演だった……っ!」と、素晴らしさを噛み締めています。
まず、今回は新人公演主演・ヒロインの彩海せらさんときよら羽龍さんについて記させていただきます。
彩海せらさん(102期)は、雪組で1度、新人公演を経験されています。
今回、月組で初めての大劇場作品、そして新人公演主演、しかも長の期というトリプルコンボで「負担が凄そうだけれど大丈夫かなあ」と親のように心配していたのですが、そんな心配を払拭するような素晴らしいギャツビーでした。
月城さんから「あみちゃん色のギャツビーでいい」とアドバイスを受けたことをスカニュ内にてお話しされていましたが、彩海せらさん色のギャツビー、とても素敵でした。
まず、第一声を発した瞬間「この人は芝居が上手い」と分かる声の良さ。間の取り方が上手ければ歌自体が上手くて、なおかつ歌に感情を乗せるのがうますぎて、「なにもかもが上手い……」と脱帽いたしました。
月城さんは「目での芝居」を大切にされるのですが、彩海さんも確実に「目での芝居」をされていて、芝居の吸収力が凄まじいと感じました。目の細かな動きや身体の使い方に男役の魅力が詰まっていて、もう本当に堪らなかったです。
歌や台詞だけで、泥沼で這いつくばったことも滲むように伝わってきて、「新人公演学年でこんなにもギャツビーという難しい役どころを演じきれる男役がいるのだ」と、本当に惚れ惚れしてしまいました。
たくさんのナンバーもありましたが、どれも本当に素晴らしく歌い上げていて、新人公演ということを忘れるほど、本当に素晴らしかったです。
きよら羽龍さん(104期)は、『ピガール狂騒曲』で新人公演初ヒロインを務める予定でしたが、コロナで新人公演自体が中止となり、『桜嵐記』にて、念願の新人公演初ヒロインを経験されました。
そして、今回がピガールを除けば2度目となる新人公演ヒロインだったのですが、「もう本当に素晴らしい娘役さんだなあ」と感激いたしました。
きよらさんの「お芝居の声」の素晴らしさは国宝だと思っているのですが、相変わらずとても綺麗な声でした。
そして、きよらさんの切なさを感じさせる美しい声が、デイジーという女性をより素敵な存在に仕立て上げていて、こちらも本役の海乃さんとはまた違うデイジーとして存在していました。
ただひとつ残念だったのは、きよらさんの「女の子はバカな方がいい」ソングを聴きたかったのに、そのナンバーがカットされていたことです。一本モノを短くまとめているので、カットする部分が必要なのは分かっているのですが、きよらさんにあの歌を歌わせないのはとても勿体無いと感じました。
ですが、彩海さんとのデュエットがどれも素敵で……この二人で絶対にバウホール公演をしてほしいと切望してしまうほどに、ふたりのお芝居や歌声、そしてシルエットの相性の良さを感じました。
今まで、子役などを演じることも多かったきよらさんですが、圧倒的に「ヒロインの声」をされているのに加え、おどろくほどお芝居が上手いので、「きよらさんにしか出来ないデイジー」が出来上がっていたと思います。
幼い役ばかりしてきたとおっしゃられていましたが、しっかり「大人の女性」でしたし、「ギャツビーの好きなデイジー」でしたし、「ヒロイン」だということを感じさせられました。
銀橋芝居にて、自然に目から涙を流されていたのですが、その涙の流し方があまりにも綺麗でした。繊細な台詞回しと安定感が見事で、本当に素晴らしかったです。
他キャストについても、感想を述べたいジェンヌさんがたくさんいるので、別記事で記していきたいと思うのですが、もう皆様本当に凄かったです……。
彩海さんときよらさんを筆頭に、新人公演の域を超えている月組生がたくさんいて、「新人公演ではなく、月組のもう一つの『グレート・ギャツビー』を観た」という感情になりました。
いや〜もう本当、月組すごい……すごかったです。新公用にバッサリいろんなところがカットされていましたが、カットされていないバージョンを観たいと思わせてくださる凄さでした。
月組下級生全員、本当に素晴らしくて、こんなにも熱量のある素敵な新人公演が無事に上演できたこと、本当に泣きそうなくらい嬉しかったです。こんなに上手い!? ってくらい、本当に皆様上手すぎて、「月組生への信頼と好きという気持ちが留まることをしらないな」の感情でいっぱいになりました。
彩海さんが立派な挨拶されているとき、目に涙を浮かべていらっしゃいました。たくさんの月組生の瞳に、涙が浮かんでいました。
公演が中止になり、たくさんの辛いことがあったと思います。ですがそれを感じさせない、真っ直ぐで本当に素敵な舞台でした。
彩海さん、きよらさん、そして月組新人公演メンバーの皆様、月組のことがますます大好きになる素晴らしい舞台を、本当にありがとうございました。もう、本当に「凄い……っ!」と、大感動いたしました。
新人公演という山場を超えたギャツビーも、あとおよそ2週間の公演期間です。彩海さんがおっしゃった通り、まだまだ不安な状況下ではありますが、このまま本公演も無事に完走出来ますことを、心の底より願っています。
月組新人公演メンバーの皆様、素敵な舞台を本当にありがとうございました!