ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

『グレート・ギャツビー』新人公演感想②

 昨日実施された素晴らしき新人公演の余韻がまだ冷めやらないのですが、キャスト別感想の続きを記していきたいです。



・トム・ブキャナン役の七城 雅さん(105期)

 若さあふれるトムでしたね! 歌もダンスも軽々とこなせる七城さんは前回の新公で大蛇丸を演じたこともあり、どことなく下級生時代の過去の暁さんを見守る気持ちになりました。

 最初こそ緊張を感じさせましたが、「アメリカの貴族」をばっちり歌いこなしていて、(ん〜スキルが高い)と感心いたしました。

 スカニュ内にて、「濃厚キスシーンが初めてで」と慌てていた七城さん。持っている能力がとても高いので、これから男役として垢抜け、余裕のあるお芝居が出来るようになっていくのかなと思うと、将来がとても楽しみです。

 


・ニック・キャラウェイ役の瑠皇 りあさん(103期)

 セリフも出番もたくさんのニックですが、聞き取りやすく、間の取り方もよく、しっかりとお芝居を回していました。登場するたびに(……かわいい……)の感情になったことはここだけの秘密です。

 瑠皇さんのニックは風間さんのニックよりも分かりやすく「善人」でした。反社の人間たちどころか、金持ちの考えていることにすらついていけない、かなり一般の人間寄りで、「表情で引く演技」などがとても上手いと思いました。

 出番の多いニックをしっかり演じきった瑠皇さん、歌もお上手なので、次あたり新人公演主演がゲット出来るのではないかと、とても楽しみです。




ジョージ・ウィルソン役の真弘 蓮さん(104期)

 うだつの上がらないガソリンスタンドの亭主が上手い……。毎公演、演技上手な人の役が回ってくる真弘さん、やっぱり当たり前のように上手すぎて、安心感が半端なかったです。

 特にギャツビーと最後対峙するシーンが素晴らしくて、だからこそ、神の目ソングをド迫力で歌い上げてほしかったのですが、このナンバーがカットされていてショックでした……。だけれど、それでも伝わる芝居の上手さが凄かったので、次は歌唱シーンのある新人公演の役が回ってきて欲しいなと思いました。




・ヘンリー・C・ギャッツ/運転手役の柊木 絢斗さん(102期)

 本当に、新人公演学年だとは思えない上手さです。専科さんの、それも英真さんの大事な役を、これだけしっかり演じられる。

 セリフの言い方ひとつひとつ、求めているタイミングで求めている声量で求めている声色で発してくださるので、新人公演の舞台がとても引き締まり、素晴らしい役割をしてくださるなあと感動いたしました。




・ジョーダン・ベイカー役の蘭世 惠翔さん(102期)

 美貌が際立つ蘭世さんですが、美しいだけじゃなくてお芝居がかなりちゃんと上手くて最高です。ジョーダンという大人の女性だからこそ、地声の低さを活かしていて、とても格好かったです。
 背伸びしている感じもない余裕たっぷりの演技で、地に足ついたジョーダンをこれでもかとしっかり見せつけられ、とっても魅力的なジョーダンでした。ニックとのデュエット聴きたかった……!



・マートル・ウィルソン役の白河 りりさん(103期)

 当たり前のことなんですけど、まず歌が上手すぎますよね。タルに乗ってせり上がってきて、そこから歌唱シーンが続くのですが、本当に上手い……と惚れ惚れしました。

 語りかけるように台詞のように歌を披露できるのは歌ウマさんの特権だと思うのですが、ワクワクするほど上手かったです。本役で妹のキャサリンを演じているのですが、その違いがはっきり分かって、だけどマートルらしいトムへのガッツ感も滲み出ていて、(本当に良い娘役さんだ……)と、しみじみ思わせてくださいました。



・マイヤー・ウルフシェイム役の大楠 てらさん(102期)

 スカニュ内にて、輝月さんをリスペクトするからこそ役作りにとても葛藤されているお話をされていた大楠さんですが、堂々と殻を破る演技をされていて、「お〜! いいじゃないですか!」と、前のめりになりました。
 長身を活かした身体の使い方で、ウルフシェイムという男をより一層、大きく見せていて、楽しいおじさん感もあって、とても良かったです。



・ラウル役の天つ風 朱李さん(107期)
 
 月組生になってここまでしっかりと歌声を披露するのは初なのですが、とても堂々とされていました。「男たちの見る夢」での歌声が特に好きでした。その際のダンスも、線が細くてスーツがビシッと決まっていて、腕や足の角度がとにかく格好良くて視線を奪われました。
 タンゴのシーンのナンバーは、一緒に歌った静音さんに引っ張ってもらっている感じがしたのですが、これからこの歌声がぐんぐん上達するのかと思うと、とても楽しみだなと感じました。


 

・エディ・ニコルソン役の涼宮 蘭奈さん(106期)ジュディ・フェイ役の花妃 舞音さん(106期)

 大劇場でのかわいいカップルは、新人公演verでもとてもかわいいカップルでした。出番がガッツリカットされていて、一瞬登場するのみだったのですが、どちらも「かわいい!」ですし、少ない台詞でも「上手い!」と拍手したくなりました。短い出番でもばっちり記憶に残るかわいい2人でした。



・少年時代のギャツビー役の和真 あさ乃さん(106期)

 可愛い顔、はっきりとした声色、これからが楽しみな和真さんなのですが、短い出番をしっかりモノにしていて、夢いっぱいのギャツビー少年がとっても素敵でした。もう、目がきらっきらしていて、とても眩しかったです。



・タンゴの歌手役の静音 ほたるさん(105期)

 とっても美人さんで、大人っぽい娘役さんなのですが、コーラスをよく担当する歌ウマさんです。なので今回、天つ風さんとデュエットがあり、ガッツリ歌声が聴けてとても嬉しかったです。美しい歌声でぐいぐいリードされていて、とっても素敵で、これからも歌声をいっぱい聴きたいと感じました。



・エリザベス・フェイ役のまのあ 澪さん(103期)

 デイジーの母親役で、本役は白雪さちかさんなのですが、まのあさん、こんなにお芝居が上手なのだ……と、新発見できた気分でした。ダンスのイメージが強かったのですが、大人の女性をこんなに上手く演じられるのだ、と。引き締まるような声がとても良かったです。



・アンソニー・フェイ役の一輝 翔琉さん(107期)

 デイジーの父親役で、本役は春海ゆうさんなのですが、一輝さん、研2なのにお髭がとても似合っていて、スマートなパパで格好良かったです。どこにいても目を惹く華やかさを持たれていて、ちょい役でもついつい目を惹かれました。
 今回は目立つ役どころではなかったのですが、一輝さんの華やかさに月組の芝居力が身につけば怖いもの無しだと思うので、これから先の舞台姿がとても楽しみです。




 厳選してしまったのですが、ここに記せなかった月組生たちも本当に全員素敵でした。書ききれなかったのですが、美海そらさんの可愛らしさには終始メロメロでした。
 ただ、今回の新人公演、一本モノを短くまとめるとは言え、(そこを削るのか……)と思う演出箇所も多かったように思います。

 とくに、新聞記者ミッチェル役の彩路 ゆりかさん(本役佳城 葵さん)のシーンが悉くカットされていて、彩路さんが芝居上手だからこそ、とっても勿体ないの気持ちになりました。



 ですが、「カットされているシーンも全部観たい」と思わせてくださる、本当に素晴らしい新人公演で、円盤発売して欲しい……と願ってしまうほどには、月組生ひとりひとりに対する満足感でいっぱいでした。


 月組が大好きだ〜〜〜と改めて思わせてくださる、素敵な新人公演を本当にありがとうございました。どうかこのまま、本公演も無事に完走出来ますことを心の底より願っています。



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