ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組『応天の門』に浮上した不安要素について


 2週間後、月組公演『グレート・ギャツビー』が東京大千秋楽を迎えます。どうかこのまま、無事に完走できることを願っています。


 さて、大千秋楽を迎える頃には、そろそろ次の別箱ではなく、次の大劇場公演のチケット確保に動かねばなりません。宝塚のチケット獲得には、カード会社の貸切を含め、早くに始動することで得られるチケットが多々あります。


 次の月組宝塚大劇場東京宝塚劇場公演は『応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』です。



 この公演も、本当の本当の本当に楽しみにしているのですが、先日、とある不安要素が自分の中で生まれました。



 その不安は、お芝居、『応天の門』についてなのですが、演出家は田渕 大輔先生です。直近で、『グレート・ギャツビー』の新人公演を担当されました。


 そう、この新人公演を拝見して生まれた不安要素なのですが、田渕先生、「ここを切り取る?」と驚くような場面やナンバー、セリフを悉くカットしていました。


 スムーズな流れではあったのですよ。とてもスムーズで飽きの来ない新人公演でした。


 ですが、本公演を観ているからこそ、脳内が勝手に補完して受け入れられた演出だとも思いました。田渕先生は今回、主演以外の、「ヒロイン含む心の葛藤部分をことごとくカットしていた」ように見えました。
 もちろん、一本モノ作品を短く編集するために、たくさんのシーンを削る必要があるのですが、(そこを削るんだな……)と、驚いてしまったのも事実です。



 応天の門には、原作漫画があります。そして、本作品はまだ完結もされていない作品です。

 この新人公演を拝見して感じた不安要素は、「原作漫画を読んでいなければ筋の通らない、または何かが足りないと感じさせる脚本・演出に仕上げてくるかもしれない」ということです。
 そして、「そこを無視するの?」と思うような描写を悉くカットする恐れがあるということです。



 個人的に、この漫画を読んでいる側の人間なので、おそらくどんな切り取り方をされても、どんな場面をカットされても、脳内で補完することが出来ると思います。


 ですが、個人的には「予習していなくても楽しめる引っ掛かりのない作品」を作って欲しいと思います。また、原作を蔑ろにしない作品にもしていただきたいと強く思います。


 なぜそう強く思うのかと言えば、先日、応天の門の作者である灰原薬先生が、東京宝塚劇場にて『グレート・ギャツビー』を観劇してくださいました。

 灰原先生は、インスタのアカウントにて、月城さんギャツビーの似顔絵を載せてださっていました。


 この際、灰原先生は「お仕事の話もいろいろしてきました」そうです。とても真摯に、宝塚で舞台化されることに向け合ってくださっていると感じました。

 応天の門は、ツイッターの公式アカウントも、「宝塚歌劇団で舞台化すると発表された日」に開設してくださいました。本当に、感激してしまうほど、宝塚に対して協力的です。


 だからこそ、こんなに宝塚に歩み寄ってくださっていることがひしひしと伝わってくるからこそ、原作を大事にした、素晴らしい作品にして欲しいです。


 今の月組は、月城さんと海乃さんを筆頭に、上級生から下級生に至るまで、実力の伴う本当に素晴らしい生徒さんが揃っています。そして、応天の門という漫画は、面白くて、絵が美麗で、とても読み応えのある素晴らしい漫画です。


 あとは、田渕先生が、月組生と応天の門のお話を上手く組み合わせて、いかに素晴らしい脚本・演出にしてくださるかが鍵になってくると思います。

 
 ギャツビー新人公演は時間の制約があったことも把握しています。田渕先生が口出しできないこともたくさんあったと思われます。


 ですが今回は、田渕先生がピックアップしたい場面を、切り取る箇所を、さまざま決定することが出来ると思います。
 そして何より、新人公演も担当し、「今の月組にとても詳しい」というのは、下級生にまで適材適所役を振ることが出来る強みになるはずです。


 その強みを活かして、原作と月組生を大事にした作品になったならば、不安を打ちのめすような素晴らしい作品になったならば、とても嬉しく思います。


 私たちはもちろん、きっと、灰原先生も見に来てくださるだろう応天の門


 どうか、たくさんの人の心に残る素敵な作品になりますように。そして、月組生ひとりひとりを輝かせる、やり甲斐を感じさせる作品になりますことを、心の底より願っています。



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