ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組『グレート・ギャツビー』東京大千秋楽を観て



 月組東京宝塚劇場公演『グレート・ギャツビー』大千秋楽が、先ほど幕を閉じました。


 まずは月組の皆様、専科のお二方、大千秋楽、本当におめでとうございます。


 大劇場での長期間の中止もあり、毎日毎日ビクビクしていたのですが、東京では初日から千秋楽まで無事に幕が開き、月組の皆様の心揺さぶるお芝居が上演され続けたこと、本当に嬉しかったです。そして、こんなにも素敵な舞台をありがとうございました。


 今日は映画館のライブビューイングで拝見させていただいたのですが、画面越しでも伝わるこの品質、この繊細さ、そしてこの迫力。

 大劇場で観劇した際、すでに緻密な人間模様が如実に表現され、圧倒的なお芝居に胸打たれていたのですが、千秋楽である本日も「宝塚を観た」と惚れ惚れさせてくれる素晴らしすぎる舞台がそこにはありました。


 月城さん、海乃さん、鳳月さん、風間さんはじめとする、月組の皆様の「登場人物として舞台に自然と生きる力」が本当に凄くて、「誰が喋っても誰が動いても空気が壊れない」ゆえに、「『グレート・ギャツビー』の世界観に今日も完璧に酔いしれる」ことが出来ました。


 発声も挙動も表情も、ひとりひとりが、本当にうまい……。

 全員が上手いなんて奇跡みたいなことですが、月組生と輝月さんと英真さんひとりひとりの集中力と努力と芝居力のたわものなのだと思うと、本当に胸を打たれます。


 この素晴らしさを、当たり前だとは思いたくない。それほど、本当に、素晴らしいパフォーマンス、素晴らしい舞台でした。



 月城さんの見事な「朝日の昇る前に」の歌い分けも、海乃さんの「女の子はバカな方がいい」の力強さも、輝月さん率いる「俺たちの見る夢」の男役さんたちの格好良さも絶品だったのですが、特に月組生総出演の「神は見ている」は映画館の端っこで鳥肌をたてながら観劇させていただきました。


 すごい……本当にすごくてもう言葉なんて出なかったです。映画館にいるのに劇場の客席に座っているかのような感覚に陥りました。



 神による裁きも受けられなかったギャツビー。人間は神にはなれず間違ったことばかり起こし続ける。それでも人は、どうしたって夢を見てしまう。

 人間の愚かさと馬鹿馬鹿しさと愛らしさを凝縮したこの物語。

 朝日の昇る前にジェイ・ギャツビーは何を思ったのか。正解はギャツビーの中にしかありませんが、彼の最後の背中を眺めていると、静かに涙がこぼれました。



 世界観に酔いしれ、その儚い人生を1週間ほど引き摺ってしまいそうなところに、宝塚の救いであるフィナーレがはじまるという流れが本当に大好きだのですが、鳳月さんの歌唱指導、今日もとても眩しかったです。


 ロケットも群舞もデュエダンも大好きなのですが、特に娘役群舞にて、退団者である夏月都さんと晴音アキさんが月城さんと組む場面での大きな拍手、幸せそうなお顔。

 月城さんと組むことこそありませんでしたが、一緒に退団される佳乃百合香さんも含め、温かくて大きな拍手に包まれた、本当に素敵なフィナーレでした。



 ご存知の通り本日は千秋楽なので、上記した月組の大切な大切な3名の娘役さんが、大階段を降りてこられました。


 夏月都さん、晴音アキさん、佳乃百合香さん。舞台に出てきてくださるたび、月組の娘役の素敵さを、美しさを、格好良さを、可憐さを教えてくださるような、大好きな御三方。


 それぞれの紡ぐ言葉がとても聡明で、どこまでも凛としていて美しく、涙なしには聞くことができなかったのですが、なんという晴れ晴れとした美しさ、美しき娘役さんたちでしょうか。


 本当に素敵で、本当に素晴らしい、大事な娘役さん3名とのお別れはとても寂しいのですが、 彼女たちが悔いなく大階段を降りてこられて、本当に良かったと心から安堵しています。

 今まで月組の舞台を彩ってくださり、月組の舞台で輝いてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

 

 さっきまであんなに格好いいギャツビーを演じていた月城さんと退団される3名の方々の距離感の近さに大劇場でも東京でも癒されました。


 トップ2作目だとは思えない貫禄とクオリティを叩き出してくださる月城かなとさんの、飾らなくて少し面白くて、だけどどこまでも温かくて元気のいい潔い挨拶が今日も最高でした。


 「明日満月ということは、ほぼ満月!」


 客席も舞台上の月組生も画面越しのわたしたちも、全員が元気に、そして笑顔になれる、素敵な挨拶が大好きです。


 
 月城さんも光月組長も声を大にしていましたが、東京では全公演上演できたこと、本当に本当に嬉しく思います。やり切ったという月組生のお顔を、専科さんおふたりのお顔を拝見でき、こころがどこまでも幸せな気持ちになりました。

 

 最後に、わたしは正直、『グレート・ギャツビー』という物語が、物語としては、あまり好みの類ではありません。

 それなのに、こんなに惹かれ、引き込まれ、「観たい」と思わせてくださった、「観て良かった」と思わせてくださった、今の月組が演じる『グレート・ギャツビー』を観劇できたのは、人生の財産だと。そう心から思える本当に最高の舞台でした。



 改めまして、『グレート・ギャツビー』 に関わる全ての方々、東京大千秋楽、本当におめでとうございます。

 月城さん海乃さん率いる月組の皆様の舞台が、より一層大好きになる、そして凄さに唸り、夢中になる、本当に素晴らしい公演でした。


 月組の皆様が、専科のお二方が、新たな作品の集合日まで少しでもお休みできますように。そして、本日退団された3名の娘役さんたちのこれからの人生が幸福で包まれ続けますように。


 こんなにも余韻の残る、情熱あふれる最高の舞台を本当に本当にありがとうございました!



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