ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

雪組人事の手早さと華世京さんについて


 本日は、 『蒼穹の昴宝塚大劇場新人公演の日です。 残念ながらチケットをゲットすることが出来なかったので、 東京新人公演の配信待ちになるのですが、本日無事に幕が開いたこと、本当にうれしく思います。



 今回の 『蒼穹の昴』 という作品は、専科から6名もご出演されるほどには重厚な物語です。

 削りしろがないためなのか、新人公演の公演時間は、幕間なしのノンストップ2時間が予定されており、一本モノの新人公演としても長めの公演時間です。(ギャツビーの新人公演は2時間ありませんでした)

 パレードやフィナーレ以外、ほぼほぼカットせずに新人公演を実施されるのだと思います。


 歴史大作の本公演は、専科さんのご協力もあり形作られていますが、新人公演メンバーだけで形にするのは本当に大変なことだと思います。ですがそれ以上に、不安よりもむしろ 「多分、すごく良い新人公演になるんだろうなあ」という気持ちでいっぱいです。


 それは、新人公演主演・ヒロインコンビである華世京さん(106期) と音色唯さん (105期) に、もはや頼もしさと安心感すら覚えているからに他なりません。


 ()内に期を記したのですが、 このおふたりはまだ105期と 106期です。 102期が新人公演の長の期なので、新公メンバーの中でも本当に下級生同士、さらに言えば首席同士の組み合わせとなります。

 下級生同士でも、もはや 「大丈夫」 だと思わせてしまうこのお二人。華世さんなんて新人公演初主演なのに、本当に頼もしい存在感です。(音色さんは新人公演ヒロインは2回目です)


 今の雪組は新人公演主演・ヒロイン経験者が少ない組だと言われています。 若手のカレンダーでも、2023年の掲載人数が雪組は極端に少ないです。


 ですが、 だからこそ、抜擢も早いです。 そして、このおふたりは抜擢に応える確かな実力を発揮し、すでに雪組の欠かせない戦力になっています。


 華世さんに至っては、朝美さん主演公演 『ほんものの魔法使い』 で抜擢されたとき、 久しぶりに、 「この人は遅かれ早かれいずれトップスターになるんだろうなあ」と思わせてださる男役さんだと感じました。


 見た目の華やかさはさることながら、 お芝居も歌もダンスも基本が出来ていて、これから先ますます進化し続けていくのだろう期待に満ちた男役さんです。


 今回、ヒロインであっても朝月さんの出番が少ないため、 音色さんの出番も同じく少ないとは思うのですが、 あの美しい声で本作を盛り上げてくださるのだと思うと、楽しみで楽しみで仕方ありません。



 全組、 「未来の形づくり」という名の人事を既に水面下でスタートさせていますが、「未来の、そのまた未来の形づくり」 を一番わかりやすく、そして一番手早くスタートさせるのは、いつも雪組さんのイメージです。

 雪組は、トップスターにしたい本命の男役さんの育成が、本当に早いと思います。


 その代わり、露骨に「トップスターにしたい本命」に新人公演主演を早期集中させる特徴があります。華世さんは今研3なので、かなり早期の抜擢ですし、これからも新人公演の主演がたくさん回ってくると思います。


 それが悪いことだとは思わないのですが、抜擢のバランスをもう少し上手くとっていただき、たくさんの生徒さんに幅広くチャンスと可能性を振り分けて欲しいという本音もあります。


 なぜなら、偏った抜擢は「勿体無い退団」を引き寄せてしまうからです。


 今回の公演で103期の花束ゆめさんが退団されます。 花束さんも、 華世さんや音色さんと同じく首席の娘役さんです。 歌、ダンス、 お芝居とオールマイティーな娘役さんですが、新人公演はもとい別箱公演ですらなかなか役柄に恵まれませんでした。


 「新人公演で主要な役を誰かに集中させる」 と言うことは、「実力を発揮できる場面に恵まれない生徒さん」 も増えてくるということになります。


 わたしは実力のある方々の早期抜擢大歓迎派なのですが、 宝塚にとって、 在籍するジェンヌさんたちは 「宝」 そのものです。

 新人公演での抜擢の集中は、 スターシステムが根幹にある宝塚の世界においては仕方のないことだともわかっています。


 だからこそせめて、 実力ある下級生が埋もれないように、たくさんの人に見つけてもらえるように、定期的にバウ等で下級生中心の舞台が増え、花束さんのような「勿体ない退団」が減ったら、こんなに嬉しいことはないと改めて感じました。



 未来の人事に一番早く取り掛かる雪組だからこそ、その前後の下級生たちにも実力を発揮できる場面を与えられますように。


 そして、今回の新人公演 『蒼穹の昴』では、カットさえされなければ、たくさんの雪組生にしっかりとした場面が与えられます。


 物語のキーマンとなる専科さんの役を演じる6名の方々 (咲城けいさん、愛羽あやねさん、壮海はるまさん、夢白あやさん、真友月れあさん、紗蘭令愛さん) はプレッシャーもすさまじいと思うのですが、こんな機会もなかなかないので、どうかいろいろとチャレンジしていただけたら幸いです。


 今回の新人公演、 重厚な物語の分、本当に大変な公演になると思います。 ですが、 華世さんと音色さんをはじめとする未来の雪組を担う下級生のみなさまが、ますます頼もしい存在へと成長されていく一歩になるとも思っています。


 本日の新公を観劇することは出来ませんでしたが、東京新人公演で実施されるであろうライブ配信が、雪組生たちの大熱演が、今からとっても楽しみです。



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