ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

宝塚の拍手問題とそれよりも気になる問題について


 まずは本日、バウ・ワークショップ『殉情』(一之瀬さんver)初日おめでとうございます。帆純さんverに続いて一之瀬さんverも無事初日が迎えられたこと、本当に嬉しく思います。

 チケットがゲット出来なかったので、11月5日(土)15:00公演のライブ配信を楽しみにしています。

 千秋楽までの完走を心より願っています。


 

 さて、記事のタイトルにもしている本題についてなのですが、1年に1回は必ず、宝塚の拍手問題について耳にします。


 「宝塚の開演アナウンスっていらないよね」から始まり「スターの登場に無理して拍手するの苦手なんだよね」「手拍子しながら拍手もするってよく分からない」などなど。


 ルールにこそなっていないけれど暗黙の了解のように「拍手する部分」が決められている宝塚。


 特に開演アナウンスは、久し振りに宝塚を観劇する人には違和感が大きいんですよね……。


 それこそ、開演アナウンスの拍手って、昔は特別なときにしかなかったんですね。お披露目公演の初日とか、新人公演のときとか、そういう特別な日にだけあったとわたしは記憶しています。
 通常公演は開演アナウンスが流れても客席は拍手せずとても静か(小さな声でおしゃべりする人はいた)でした。

(それよりもはるか昔はまた違った意味で開演アナウンス時に拍手が起こっていたそうなのですが長くなるのでここでは割愛とします)


 
 大雑把に言うならば、拍手されるようになったのは100周年以降から。

 つまりは、まだ開演アナウンス時の拍手が根付いて10年経っていないと記憶しています。そして、ここ数年は必ずと言っていいほど拍手が起こります。


 開演アナウンスの拍手に関しては、トップスターさんの名前の後に拍手が起こるので、演出家の名前等を紹介されているときにその音が被ります。

 観客に悪意がなければ悪気すらなくても、かなりリスペクトに欠けた行いだと思われる方もいらっしゃいます。


 お芝居が始まってから開演アナウンスがあるパターンだと、物語の邪魔だと感じる方もいらっしゃいます。



 この宝塚拍手問題って、本当に難しいんですよね。



 トップスターさんが演出家の先生と一緒に録音した、命を吹き込んでいる開演アナウンスに対して、「トップさんの名前以降拍手で掻き消されることにモヤモヤする感情」も、よく分かります。

 コロナになって以降、舞台が上演出来ることが嬉しくて、「開演アナウンスの時でさえ祝福のように拍手したくなる気持ち」も、よく分かります。

 演出家の先生やオケなど、たくさんのもので宝塚は出来ているので、そういう人たちへのリスペクトを感じない「多すぎる拍手」が気になる気持ちも分かります。

 「あなたに会いに来た」という気持ちを込めた生徒さんたちに向けた拍手をしたくなる気持ちも分かります。



 観客全員、宝塚に愛あればこそ、それぞれの「気持ち」があって、何に重点を置いているかが人によっては違うため、拍手の議論が起こります。


 宝塚には「スター至上主義派」と「スターはもちろん好きかつ物語も楽しみたい派」と「オーケストラや演出家の皆様をリスペクトしたい派」と「音楽をちゃんと楽しみたい派」などなど、楽しみ方の違いによって、「拍手するべき場所が異なる」んですよね。


 わたしは、ルールとして明らかにされていない以上、感極まったときにするものが「拍手」だと思います。

 開演アナウンスの際の拍手は、拍手がなかった昔を経験しているため、無くてもいい派なのですが、コロナ等で中止になった舞台がようやっと再開するときなどは、「感極まって拍手をしたくなる」かな、とも感じました。


 でも本当に、拍手問題って、宝塚が好きだからこそ、起きる問題だと思うんですよ。拍手議論はいつもそれぞれの立場の人たちからの宝塚愛を感じられます。


 だからわたしは、公式がルールを設けるならばそれに従えるほど、そこまで拍手に拘りはありません。

 演者さんも演出家さんもオケの皆様もいい大人なので、お客さんの拍手の意図は、また、それに対していろいろ思うことがある人たちがいるというのは、分かっていると思うからです。


 
 ただ、それよりも気になるというか腹立たしい問題が長年ありまして。特にスマホになってからは如実に増えたのですが、上演中に客席でスマホを光らせる人って、何のために宝塚観劇に来たのでしょうか。


 着信音を鳴らす人、飴などを食べるためにビニール袋の音をガサゴソ立てる人、隣の席の方とお喋りする人。


 いやいや、上演中なんだって。上演中! 携帯・スマホの電源を切ってくださいってお願いされているじゃないですか。これは公式からお願いされているれっきとしたルールなんですよ。


 それなのになぜ暗闇の中スマホがちらちら光るのか。
 なぜ静かで張り詰めたシーンで観客の着信音が舞台の世界観を壊すのか。
 どうしてチャックの音を鳴らしビニール袋の音をガサゴソとしてまで飴を取り出すのか。
 なぜ一緒に来た隣の人といつでもできるような話をわざわざ上演中のタイミングで小声より大きな声で話すのか。


 あなた方も宝塚を観に来たんですよね??? それなのに宝塚に対する愛は本当にあるんですか???


 ということなんですよ。上記のような上演中のマナー違反を起こす人は拍手問題なんて気にもしないと思うんですよ。もしも気にするのならば自分自身のどうしようもない問題を解決してからにして欲しいのですが。


 拍手よりなにより、舞台の世界観を壊すのも、演者やオケや演出家の方々に失礼なのも、リスペクトを感じられないのも、まず本当に問題なのは上記の問題を起こす人たちだと思います。


 どの組を観に行っても、マナー違反をする人たちと出会うことがあり、本当にげんなりします。

 しかも、宝塚観劇が初めてというよりは、宝塚に通うタイプの人でこういうマナー違反が見受けられるとき、本当に残念に感じますし、心の中でめちゃくちゃ恨みます。


 観客にとって、観劇は楽しみで楽しみで仕方ない大事なイベントのひとつです。演者さんや演出家さんやスタッフの皆様にとって、ひとつひとつの公演は、今の集大成を見せプロとして仕事する大切な時間です。


 そういう美しい感情の邪魔を、プロの仕事の邪魔をしているのがマナー違反です。


 スマホの光を中心に、マナー違反は減少傾向というより増加傾向に感じられますが、どうか公式のお願いを守り、出演者の皆様の気持ちを汲んだ配慮が出来るようになりますことを心より願っています。



 拍手問題からズレてはしまいましたが、宝塚の拍手の箇所も時代によって移り変わってきました。皆様全員が納得する形になるのは難しいと思うのですが、マスクをしている今だからこそ、拍手に力が入る気持ちもわかります。

 これから先、また流れも変わってくるとは思いますが、宝塚を好きだからこその気持ちは大切にしていただきたいですし、マナー違反の方々には今すぐ自分を見つめ直して頂きたいなと思いました。



 1回の公演、劇場に2000人以上の観客が集まるため、スタッフさんたちには本当に苦労をかけるのですが、まず、どうか観劇マナーが守られ、出演者もスタッフさんたちも観客も、全員が気持ちよく宝塚の舞台に集中出来る日が来ることを、いち宝塚ファンとして心より願っています。



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