ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

星組『ディミトリ』『JAGUAR BEAT』初日を観て

 
 先ほど、星組宝塚大劇場公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』および『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』が無事に初日の幕を下ろしました。


 まず最初に、星組の皆様、初日おめでとうございます!


 有り難くも先ほどまで、星組公演初日を観劇させていただいたのですが、お芝居とショーが真反対すぎて観劇後は激しい運動をした後みたいな不思議な感覚になりました。

 今回の星組は、ざっくり言えば王道な宝塚のお芝居とカオスな宝塚のショーの二本立てでした。個人的にはここ最近の宝塚で一番温度差が凄いなと感じました。

 

 まずはお芝居なのですが、原作を読んでいた人間、序盤から泣いてしまいましたことをここに報告させていただきます。


 いや〜星組さんの初日からの仕上がり素晴らしいですね。物語の根底にあるのがジョージアへの「愛」ディミトリからルスダンへの「愛」なのと、原作のセリフなどをかなり用いているので、生田先生のクセは弱めな「王道の宝塚」に感じられました。


 観たかったんですよ。星組でこういう、花組とか月組とかで上演されそうな凝縮された儚さのある愛の物語を観たかったの気持ちでいっぱいだったので、生田先生ありがとうございます。相変わらず素晴らしい場面展開でした。

 (後半はいつも通り畳み掛けてくるので原作読んでいた方がより理解は深まるかもしれないなと感じました)



 そして生田先生の舞台はやはり衣装がお美しくて……!

 ジョージア衣装豪華で豪華で特にお気に入りは婚礼のお衣装でした。いやもうみんなずっと綺麗な衣装着ていてそれだけでも幸福なのに、楽曲も素敵で2022年の大劇場を締めくくるに相応しい豪華な宝塚でした。オペラ使わずに舞台全体観たくなるくらい美しかったです。



 キャスト別感想は後日記すのですが、愛を貫く礼さんディミトリと女王として成長していく舞空さんルスダンのふたりを中心に描いてくださっていて、ディミトリとルスダンの関係性がどんどん変化していって、物語としてはとても辛いんですけれど、その辛さが心に沁みるほど良かったです。

 礼さんと舞空さん2人の歌や演技に感情揺さぶられて、ふたりの心の移り変わりこんな丁寧に本当にありがとうございます。


 また、瀬央さんジャラルッディーンは中盤まで登場されないのですが、その寛大さであり理解者の形が、ディミトリの救いだったという大きな存在感とか舞台の締まりとか、瀬央さんの貫禄と演技が素晴らしくて、感情を持っていかれました。初日から素晴らしい迫真の演技でした。


 暁さんアヴァクは大きく括ると敵役になるんだと思うのですが、ギオルギ王に仕える心とジョージアという国を思うが故の行動であり、憎めない役柄になっていて、繊細なお芝居が素敵でしたし、相変わらず歌もダンスもありえんくらい素晴らしかったです。


 綺城さんギオルギ王の存在感って本作でとても大事なのですけれど、素晴らしい王だということがとても伝わってきて、光り輝く若き王にぴったりだと感じられました。そんなギオルギのお相手の有沙さんバテシバがこれまた美しくて。

 原作より描かれる部分は少なかったですがディミトリとルスダンの関係性にリンクするギオルギ様とバテシバ様の愛の形。礼さんも入れた三人でのお歌もとても素敵でした。


 ギオルギvsモンゴル軍も見応えがあって、ジョージア兵が銀橋に勢揃いする格好良すぎる場面演出がめちゃくちゃ良かったです。戦闘場面のジョージアダンス、ステップが大変そうだったのですがとても素敵でした。

 原作カット場面もありましたが、原作をリスペクトしつつ生田先生流にアレンジが加えられ、演出最高音楽最高出演者最高、見応えも聴き応えも抜群の、個人的には大大大好きなお芝居でした。本当に素晴らしかったです。





 ショーの『JAGUAR BEAT』は、本当の本当の本当に齋藤先生の作った見間違うこともないサイトウヨシマサショーでした。礼さんもおっしゃっていたんですがショーのインパクトが本当にすごかったです。引き算を知らない個性を掛け算させるショーって感じでしたね???


 映像も使っていて齋藤先生色が想像の百倍濃くてピカピカギラギラギラギラピカピカ考えるな感じろ!考える時間は与えない!なメガファンタジーショー、お芝居との色彩や衣装の差に自分の身体がびっくりしているのをひしひしと感じました。


 予算はめちゃくちゃ使ってくれていて嬉しかったんですけど景気のいいバブルでしたし構成もトリッキーでしたし「カオス……」と思いながらも星組の皆様が嫌じゃないのならわたしたちも楽しむよ!の気持ちになるくらいにはカオスでした。


 メガファンタジーとかストーリー仕立てとか齋藤先生なので結局そのテーマすら「???」だったのですが終始アップテンポで舞台装置や衣装の圧と星組の圧、総じてカロリーの高さが凄まじい爆音ショーです。


 久しぶりの齋藤先生のショーが星組と合わさることにより濃さも増し増しで、このショーが好きな人と苦手な人がかなり分かれると思うんですが、客席すらも汗をかかせるショーだということは間違い無くて耳への休憩時間が欲しかったという気持ちにもなりました。


 宝塚初見の人は絶対に戸惑うショーだな、という感じなのですが、何を記しても伝わる気がしないので、細かいことを今日は記さないでおこうと思います。どういうインパクトだったかを知らずに、ぜひ劇場にて体感してみていただきたい所存です。


 わたしは正直このショーに慣れるまで時間を要するな……気づいたらフィナーレだったもんな……慣れる日はくるのかな???と疑問は残るのですが、相変わらず礼さんは歌が上手すぎて舞空さんが可愛すぎて瀬央さんが格好良すぎて星組の皆様が熱々なことに変わりはないので何も深く考えずに観劇したいなと思います。


 あと、齋藤先生は退団者にとっても優しいイメージなのですが、遥斗勇帆さんへの手厚さには拝みそうになりました。齋藤先生ソロをありがとうございます。


 そして、今回、もうなんと言っても都優奈さんのエトワールか嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

 舞空さんと同期の102期の都さんの歌声の素晴らしさは、星組舞浜公演『VERDAD!』にて、多くの方がご存知かと思いますが、この度ようやっと大劇場エトワール……! 最高の人選で、本当に本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

 都さんのエトワール、美しい歌声で本当に幸せになりました。素晴らしい歌姫がこれからも星組にてご活躍してくださいますことを心より祈っています。



 お芝居とショーの温度差で目を丸めそうですが、暁さん星組大劇場デビューおめでとうございました。星組でもとっても輝いていて本当に素敵でした。そして、綺城さん星組ラスト公演なのが既に寂しくて泣きそうなのですが、本作での綺城さんの活躍、本当に素晴らしかったです。



 改めまして、星組の皆様、初日の幕開け、本当におめでとうございます。星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』および『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』が東京大千秋楽のその日まで、無事に幕開き続けることを心の底より願っています。



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