ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

転売への怒りと需要と供給について


 先日、東宝版ミュージカル『エリザベート博多座公演の先行・一般販売が実施されました。


 「博多座公演はいつも、帝劇をはじめ他の劇場より取りやすい」というのが個人的な感覚だったのですが、今回の博多座エリザは油断していたらチケットが取れなかっただろうな、と感じました。


 というのも、今回の公演で、花總まりさんがシシィを演じるのは(恐らく)最後になること。また、井上芳雄さんのトート閣下が博多座でしか拝見できないこと。このふたつの理由が特に大きいのだと考えられます。


 わたしは井上さんトート、愛希さんシシィ回をなんとかゲットしたのですが、先行・一般ともにあっという間の売れ行きでした。


 井上さんが博多座のみなので、需要と供給がマッチしないことは素人でも勘付いていたのですが、その結果起こっている現象が、「高額転売問題」です。


 流通センターなんかを覗いて貰えば分かると思うのですが、もう、「人気チケットで儲けてやろ〜」と企む人たちの醜悪な値段設定がこれでもかと並んでいて、本当に怒りがわきました。


 値上げするとき、企業側は苦渋の決断で、公式が真摯な文章を出さなければいけないほど大変です。


 なのに、転売で儲ける人たちは、需要と供給を察しては、あれよあれよと簡単に、高額チケットの値段設定にするわけです。
 キャストや作品に何の思い入れもないからこそ、そんな酷くて悪どい商売が出来るわけです。


 チケット定価の倍の値段なんて当たり前で、¥15,500のエリザA席が¥100,000で出品されている転売の世界。


 出演者でもなくスタッフさんでもなく企業さんでもなく苦労している関係者ではなく、なんで転売する人間が儲けるんだと腹立たしくて腹立たしくて。


 「転売する人間が作品やキャストの人気にあやかり楽して儲けるという図式、本気でふざけるな」という、舞台ストップのコロナで忘れていたトゲトゲしい感情が一気によみがえりました。


 公式のチケット代が上がることは許せるけれど、 転売で儲ける人間は本当に許せないですし、そんな人たちからチケットを買わないでほしいと常々思っているのですが、「そこにチケットがあって高いお金を出したら買えるならそれでいい」と思っている方々もいるんですよね……。(だから転売という負のサイクルが終わらない)


 その人たちはとにかく博多座エリザベートが観たい一心なわけですし。転売の取り締まりが難しいのならば、「キャストやスケジュールを需要と供給に見合ったものにする」しか、現実的に転売を減らす方法はないのかな……と肩を落としてしまいます。


 少なくとも、大人気の井上さんトートを博多座オンリーにしてしまうのは、これから先やめて欲しいな……と、しみじみ感じました。


 人気公演と転売は切っても切れない(本当は切れるはずの)関係ですが、これからの宝塚でも、真風さんと潤花さんの退団公演や星組の1789あたりが転売ヤーに狙われやすいだろうな……と、今から胃のあたりがジクジクと痛みます。


 毎日必死に稽古して、毎日何時間も公演するジェンヌさんではなく、それを支える演出家やオーケストラやスタッフの皆様ではなく、転売する人間の方が儲ける構図は本当におかしいので、どうか「転売する側が減らないのならば、転売から購入する側が減ること」を、心の底より願っています。


 チケットが取れなかった方や公演中止の回に当たってしまった方などの、「どうしても観たい気持ち」は痛いほど分かるのですが、負のサイクルを終わらせるためにも、違法価格でのチケットは買わないでいただくよう願う他ありません……。(そして転売ヤーを捕まえてもらうしかありません……)


 転売問題に加え、やるせないような公演中止が起きている『エリザベート』ですが、幸いなことに2023年1月30日(月)・31日(火) に上演される福岡・博多座公演の模様(大千秋楽含む)のライブ配信が先日発表されました。


 予定されている配信公演回は

 ①2023年 1月30日(月) 17:00開演
 エリザベート役:愛希れいかさん トート役:井上芳雄さん フランツ・ヨーゼフ役:佐藤隆紀さん ルドルフ役:立石俊樹さん ゾフィー役:涼風真世さん ルキーニ役:上山竜治さん


 ②2023年1月31日(火) 12:00開演(大千秋楽)
 エリザベート役:花總まりさん トート役:古川雄大さん フランツ・ヨーゼフ役:田代万里生さん ルドルフ役:甲斐翔真さん ゾフィー役:剣幸さん ルキーニ役:黒羽麻璃央さん


 以上2公演です。


 エリザベートの配信はないだろうなと思っていたので本当に驚いたのですが、平日ではあるものの、ひとりでも多くの方が視聴できたらいいなと思います。



 ※同時に『エリザベート』帝国劇場公演 Blu-ray / DVDの販売が発表されましたが、①【エリザベート:愛希れいか/トート:山崎育三郎バージョン】②【エリザベート:愛希れいか/トート:古川雄大バージョン】今のところ発表されているのはこの2verです。



 配信と生観劇は全くの別物ですし、客席に座って作品の世界観に浸りたい気持ちに深く共感してしまうのですが、どうかどうか、負のサイクルが循環してしまわないよう、転売のやり取りが減っていくことを心の底より願っています。



 最後に、本日、帝国劇場11月公演ミュージカル『エリザベート』公演中止期間延長【11月25日~11月27日(千穐楽)】が発表されました。

 少し前、そして11月23日(水・祝)~24日(木)の公演中止を受け、嫌な予感はしていたのですが、帝劇千秋楽に至るまでの中止発表が、本当に辛くて言葉になりません。(わたしの帝劇唯一のチケットも儚く消えてしまいました……。)


 欠けた公演が戻ってくることはありませんが、せめて、この先1公演でも多く、他会場にて上演できますことを心の底より願っています。



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