ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

雪組の下級生たちについて


 昨日、雪組蒼穹の昴東京宝塚劇場新人公演が無事に幕を下ろしました。

 残念ながらチケットをゲットすることが出来なかったので、 ライブ配信にて拝見させていただいたのですが、無事に幕が開いたこと、本当にうれしく思います。


 雪組の皆様、新人公演東西完走おめでとうございます! そしてお疲れ様でした。



 いや〜これはもう、想像はしていましたが、新人公演で上演するには大変な大作ですよね。本公演では専科から6名もご出演されるほどには重厚な物語ですし、一本モノの新人公演としても長めの公演時間になるほど削るところのない作品……を、新人公演ではまた異なる演出にしていて驚きました。


 谷先生、もしかして、原作『蒼穹の昴』のファンなのですか??? と、訊きたくなるような変更点の数々。
 それが雪組下級生たちにとって、かなり良い効果をもたらせていたように感じました。(残念なカットシーンもありましたが、それは新人公演の尺問題ゆえ仕方ありません)

 
 脚本に違いはあれど、新人公演メンバーだけで形にするのは本当に大変な作品だったと思うのですが、本当に見事な新人公演で大大大大大感動してしまいました。


 まず、今回の新人公演主演・ヒロインコンビである華世京さん(106期) と音色唯さん (105期)は、()内に記したとおり、105期と 106期です。


 102期が新人公演の長の期なので、新公メンバーの中でも本当に下級生同士、さらに言えば首席同士の組み合わせとなります。

 ですが、「上手さ」は学年を凌駕するのだと思うほど、頼もしい存在で唸りました。


 華世さんなんて新人公演初主演なのに、舞台を真ん中で彩り、そして引っ張る力のなんて強いことでしょうか。歌もお芝居も何もかもが新人公演の域を越えていらっしゃいました。

 圧倒的に目を惹く舞台姿だけが早期抜擢の理由ではないと思わせる、研3とは思えない実力に(凄いジェンヌさんが現れたなあ……)と感動してしまいましたし、役柄がとっても似合っていて、本当に、学年以上の素晴らしき熱演でした。


 
 また、新人公演ヒロイン2回目となる音彩さんは、本当に「雪組の戦力であること」を示すかのような確かな歌声とお芝居の良さ。

 本公演は、ヒロインにしては出番が少なめではあるのですが、その中でも李玲玲の成長を歌とお芝居で見事に表現していて、素晴らしかったです。
 音彩さんはハーフのため、顔立ちが洋物向きだと言う指摘もありますが、そんな声を跳ね返せるくらいには、今回のお役がとびきり似合っていたと思います。



 今の雪組は、「下級生に新人公演主演・ヒロイン経験者が少ない組」だと言われ、 若手の卓上カレンダーでも、2023年の掲載人数が雪組は極端に少ないことを大きなお世話だと言いたくなるほど心配されていました。


 それが、本日の新人公演ですよ。


 華世さんと音彩さんをはじめ、こんなにも素敵な下級生たちがぎゅうぎゅうに揃っているんです! と、声を大にして言いたくなるほどには魅力的な生徒さんで溢れていました。


 個人的に特に良かったと感じたのは主要な役柄である春児(朝美さんのお役)を演じた一禾あおさん。生きることへのひたむきさと泥臭さと逞しさが伝わってくるところが素晴らしかったです。

 また、順桂(和希さんのお役)を演じた紀城 ゆりやさんが格好良くて格好良くて……絶対に新人公演主演を取ってほしいと思わせてくださる格好良さと歌のうまさでした。


 このあたりの目立つ役どころの方々がしっかり上手いことで舞台が締まっていたのですが、さらに黒牡丹や伊藤博文(汝鳥 伶さんのお役)を見事に演じられていた壮海 はるまさん、本当に素晴らしかったです。専科さんのお役でこれだけ見事なのは、本当に感心してしまいました。


 宝塚卓上カレンダーは、新人公演主演を務めた若手の男役だけが掲載されます。先述した一禾あおさんは今回長の期である102期であり、システムが変わらない以上、今後も掲載されることはありません。


 こんなにも素晴らしかったのに、スターとして掲載されないわけなので、やはり「宝塚卓上カレンダーなどの掲載人数だけが全てではない」ということをしっかり発言していきたいな、と思います。


 新人公演主演・ヒロインを務める路線の方々だけではなく、一禾さんのような、主演ではなくても舞台クオリティを格段に上げてくださるジェンヌさんの存在は、本当に大切です。改めてそんなことに気づかせてくださる、本当に素晴らしい熱演でした。


 
 本当に「新人公演の舞台」としてではなく、「ひとつの作品」として最高の舞台になっていて、全キャストについて言及したいほど、雪組生ひとりひとりの熱演が画面越しでも伝わってくるようでした。


 華世さんと音彩さんをはじめとする未来の雪組を担う下級生のみなさまが、さらに頼もしい存在へと成長された昨日の公演。
 これからの雪組を観劇するのがますます楽しみだなあ、と。そう思わせてくださる素晴らしすぎる新人公演でした。


 雪組新人公演ご出演の皆様、本当にお疲れさまでした。そして、若さと情熱とパワーあふれる、本当に素敵な新人公演をありがとうございました。

 まだ本公演が続き、疲労も蓄積するかとは思いますが、皆様が元気な姿で『蒼穹の昴』大千秋楽まで走り続けられますことを心の底より願っています。


にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村