ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

今の月組人気とこれからの月組の話


 お芝居が和物だと宝塚大劇場のチケットは取りやすい。

 はずだったのですが、今回の月組公演『応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』第一・第二抽選ともに全落しまして、先ほど必死に先行先着に挑んできたのですが、なかなか焦る朝になりました。


 なぜ焦ったかと言えば、7時代にログインした後の更新が全く進まないという異常事態が発生して戸惑い、いつもスマホオンリーで挑むのですが慌ててパソコンを立ち上げる事態になったからです。


 もう少しサーバーが強くなって欲しいな〜と願いつつ、土日は全席瞬殺、平日がゆるやかにだけれど確実に完売していく形となりました。1ヶ月公演ではありますが、大劇場での和物完売、純粋に凄いなと感じました。


(※先着は完売してしまいましたが、一般前売が1月7日(土)から販売されますので、よろしくお願いいたします)



 スター不足だの、月組は地味だが大丈夫かだの、納得いかないようなカチンとくるような言葉が今の月組には投げかけられがちですが、お芝居が和物であってもこんなにもあれよあれよとチケットがさばけ、先着が完売したこの事実、悔しい言葉を投げかけられがちだからこそ、とても嬉しかったです。


 わたしは月城さんと海乃さん率いる、今の落ち着いた月組が大好きなのですが、同じように、堅実で安定感のある今の月組が大好きだという方たちがたくさんいらっしゃりそうで、これからも「今の月組にはスターがいない」などと納得いかないことを記す人たちがいるかと思いますが、気にせず今の月組を大好きでいたいな、応援していきたいな、と感じます。




 さてはて、昨日はそんな「今の月組」に欠かせない方達の退団発表がありました。

 月組は若い組であり、上級生の退団には慣れていること、また2022年の退団者数が少なかったこともあり、多いだろうな、と覚悟はしていたのですが、一夜明けても悲しいものは悲しいですね……。


 全員の発表がショックだったのですが、特に、光月組長と千海さんの退団発表は驚き、ショックで、だけれど、納得するものもありました。



 2018年に月組組長の憧花 ゆりさんが『エリザベート』にて退団し、その後を引き継いで組長就任を果たした光月るうさん。持ち前のチャーミングさで組子に温かさを、持ち前の演技力で大役をこなす素晴らしい男役さんです。


 そんな光月組長の退団発表は本当にショックなのですが、IAFAでも桜嵐記でも川霧でもロマ劇でもギャツビーでも、重要な役を何度も何度も担い、何度も何度もやり切っただろうなと感じる素晴らしすぎる演技に、(これで退団されるかもしれないな……)といつも感じていました。


 同じく、上級生男役である千海さんも、別箱の『チェ・ゲバラ』あたりから、いつ退団してもおかしくないほどの輝きをどんな役でも存分に放っていました。


 そんな頼もしい上級生男役であるおふたりが退団を決められたのは、「やりきった充実感」そして「今の月組が確実に落ち着いており、このタイミングなら自分が退団しても大丈夫だ」と感じたからなのかな、と。

(また、組長は同期の夏月さんの退団を無事見送れたことも退団理由のひとつになったのかな、と感じられました)



 おふたりは配属時からずっと、月組の男役として舞台で輝かれてきましたが、在団中、月組の歪な人事を目の当たりにしてきただろうことも事実です。


 いろいろなことを言われがちの月組でしたし、それゆえ組のことで、負わなくていいたくさんの苦労や辛さもおふたりは感じたことがあったと思います。
 ですが、大好きな月組の舞台が良いものになるよう、ふたりは舞台上で、主役ではなくてもいつも、どんな役でも懸命にこなし、月組のお芝居に命を宿してくださいました。



 新人公演主演こそ果たしていないおふたりですが、おふたりの巧みな演技に何度泣かされ、笑かされ、感心させられ、心震えさせられたことでしょうか。



 そんなおふたりの同時退団は本当に衝撃的で、一夜明けた今もショックで、その穴が大きいことは事実です。
 ですが、春海さんや佳城さん、柊木さんといった、「新人公演主演こそ果たしていないけれど実力派の男役さんたち」が、組長や千海さんに回ってきていただろう役にこれから命を宿していくのだろうな、と想像できます。


 春海さんや佳城さんのお役は下級生の彩路さんや真弘さんに回って、またその実力に客席が唸る。そんなふうに、月組のお芝居はこれからも良い方に回り続けていく。

 そう感じられたからこそ、光月組長や千海さんも退団を決めたのかな、と。勝手な憶測ではありますが、そう感じられるほど、今の月組には下級生に至るまで力を感じますし、おふたりのやり切ったお芝居を見てきたな、と感じます。


 なので、これからの月組も、今と同じ形ではなくても、相変わらず芝居の月組として素晴らしい舞台を見せてくださると信頼していますし、そこに関しては何の心配もありません。


 心配はないのですが、寂しさだけはつのるばかりです。


 組長のチャーミングな挨拶が聞けなくなるのか、千海さんの下級生と話す優しい声が聞けなくなるのか、ふたりの楽しそうなお芝居が月組の舞台で観れなくなるのか、と。そういう現実が、ただただたまらなく寂しいです。


 それに加え、昨日付けで退団されてしまった朝雪さんと、朝霧さんと清華さんと結愛さんと花時さんと蘭世さん。

 合計8名の大好きな大好きな月組生の退団が本当に寂しくて、誰もが唯一無二なので、本当にひとりひとり、月組の舞台でもう会えなくなるという事実がたまらなく寂しいです。


 演技で、歌で、ダンスで、笑顔で、衣装の着こなしで。月組の舞台でたくさん魅せてくださった、素敵な思い出をくださった皆様には、感謝の気持ちしかありません。

 本当に寂しいのですが、退団が決定した今、「今までありがとう」の感謝の気持ちで、退団者の皆様を客席から送り出したいな、と感じます。



 退団者の方々が大好きすぎて、退団発表のショックからまだ抜け出せそうにありませんが、月組応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』が初日に幕開き、新人公演含む東西完走できますことを、東京大千秋楽まで無事上演し続けられ、退団者の皆様が笑顔で大階段をおりてこられますことを心の底より願っています。


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