ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組『応天の門』配役が少しショックだった話


 月組退団者ショックから立ち直れていない人間なのですが、それはそれとして『応天の門』の月組生たちの配役に触れておきたいと思います。


 原作ファンなので、演目決定時から誰が何役をするのか漫画のどのあたりをするのかドキドキしていましたが、(ほ〜、こうきたか〜)という嬉しさと、(あの役はないんだなあ)という悲しみがありました。

 出て欲しかったキャラクターが配役一覧になかったのでそのことが少しショックだったのですが、それは後で記述します。



 はてさて、応天の門平安時代の都が舞台の中心なのですが、時代物はややこしいと思うので(特に藤原が多くてややこしいと思うので)なるべく簡単に配役説明をしてみたいと思います。


 いずれ人物相関図が出ると思うので、それまでの繋ぎになれば幸いです。


(※役が与えられている月組生全員分なので長いです! ではいきます!)




 さて、まずは【月城 かなとさん】演じる【菅原道真】。

 学者揃いの菅家のご子息。文章生であり(大学寮で歴史を専攻している学生のこと)誰もが認める秀才です。
 鳳月さん演じる業平に度々事件への協力を頼まれるほどの洞察力と知識量の持ち主。ひねくれもののリアリストだけれど、貴族社会の理不尽さに憤りを感じる若者でもあります。



・ということで、以下、菅原家に関わりのある人物たちです。


 菅原是善役【佳城 葵さん】→ 月城さん演じる道真の父。藤原の恐ろしさをよく知っていて、道真には藤原に関わってほしくないと思っています。


 白梅役【彩 みちるさん】→とある事件の後、漢学の知識を買われて、道真に仕えます。(宝塚での応天の門がこの事件(玉虫姫のやつ)を扱う時間はないかなあ……?)業平に憧れている女性のひとりでもあります。


 吉祥丸役【瑠皇 りあさん】→道真の兄。月城さん演じる道真が「阿呼」と呼ばれるほど幼き頃、吉祥丸にはとある事件が起きてしまいます。


 阿呼役【一乃 凜さん】→ 道真の幼名が阿呼なので、月城さん演じる道真の幼少期を演じられると思います。


 桂木【梨花 ますみさん】→昔から菅原家に仕えている女房頭であり、道真のことを未だに幼名の「阿呼様」と呼ぶ間柄。




 次は【海乃 美月さん】演じる昭姫。都の遊技場を経営する面倒見のいい姉御肌な女性です。

 貴族嫌いで面倒ごとは嫌いな金勘定をきっちりする昭姫ですが、「唐物」の知識の詳しさゆえに、たびたび道真や業平から相談を受け、結局道具たちの手助けをするなど、「昭姫は道真が頼ってしまうほどの女性」です。

 この昭姫の周りに店の男や女性たちがいるのですが、三好【羽音 みかさん】フキ【きよら 羽龍さん】ヨリ【白河 りりさん】たちがそれにあたります。



 在原業平【鳳月 杏さん】→都の守護を務めるのがお仕事。40手前くらいのモテ男。検非違使(現代で言う警察)を統括する役目である「左近衛権少将」として都の警備を管理しています。

 たくさんの女性と浮き名を流している業平ですが、かつて関係を持った「藤原高子(天紫さんが演じます)」を忘れられずにいます。(鳳月さんの常にそばにいる従者は是則【真弘 蓮さん】が演じます。)



・ということで、ここからは高子さんと業平の壁となる、そして平安時代の権力争いの中心にいる「藤原さんたち」について。



 まずは、藤原良房【光月るうさん】→藤原北家を率いている時の実力者。
 千海さん演じる【清和帝】の祖父であり後見人。天紫さん演じる姪の高子も入内(帝の妃として、女性が大内裏に入り生活を始める事)させたい権勢への執着がすごい人。


 藤原高子【天紫 珠李さん】→藤原良房の姪。
 良房の権勢拡大の策として、年若い帝(千海さん)の元へ入内が決まっていたが、11歳の時に29歳の業平と駆け落ち。駆け落ちは失敗し、今も業平との接触を禁じられ、辛いこともたくさんあった頭の良い女性。(山路【白雪 さち花さん】は高子さんに仕えています)


 藤原基経【風間 柚乃さん】→良房の甥。高子の実の兄。
 良房の養子となるキレる男。英才教育を受け、朝廷の権力者に育ち、兄たちをも見下しています。暗躍する恐ろしい男として描かれていますが、過去、道真の兄である吉祥丸(瑠皇 りあさん)と出会っており、後に道真の才能に興味を持つ人。(だけどそこまで宝塚版で出来るかは不明)


 手古【白河りりさん】→基経の幼名。なので、吉祥丸(瑠皇 りあさん)と出会うところなど、宝塚版でもエピソードとして入るのかなと思います。


 藤原国経【彩音 星凪さん】→基経・高子の兄(長)。吉祥丸の事件に関係あり。


 藤原遠経【一星 慧さん】→ 基経・高子の兄(次)。吉祥丸の事件に関係あり。



 藤原良相【春海 ゆうさん】→良房(光月組長)の弟。高子より先に娘の多美子(花妃舞音さん)を帝(千海さん)の元へ入内させる。


 藤原多美子【花妃 舞音さん】→良相(春海さん)の娘。権力争いのこともまだ分からないあどけない少女であり、高子を実の姉のように慕っている。(吉野【清華 蘭さん】と深雪【妃純 凛さん】は多美子に仕える女房)


 藤原常行【礼華 はるさん】→良相の息子であり、多美子の兄。放浪癖があり、夜道で百鬼夜行に遭遇。そこで道真とも出会う。




 ・そんな藤原さんたちに代わって朝廷の実権を握りたいのが【夢奈 瑠音さん】演じる伴善男。そしてその息子が【柊木 絢斗さん】演じる伴中庸になります。


 ※伴善男のとある事件に道真が関わることにより、道真は藤原家と少しづつ関わりを持ってしまうのですが、その話が宝塚で扱われるかは不明。


 源信【朝陽 つばささん】と源融【蘭 尚樹さん】は兄と弟で貴族。藤原さんたちを良く思っていないグループの主要メンバーです。美しさを重んじ、別邸や庭園を建てては散財する弟【源融】に頭を痛める兄【源信】。


 記すタイミングがなかったのですが、たびたび登場した清和帝を【千海 華蘭さん】が演じます。父の急死により9歳で即位した第56代天皇。物語でもまだ10代前半。陰謀や策略ににぶく、おっとりしているため、ますます祖父の藤原良房(光月組長)が権力を握ります。





 主人公である道真には友人という友人がいないのですが、【彩海 せらさん】演じる紀長谷雄は道真と同じ文章生です。長谷雄的には道真は友達。
 勉学サボり気味で女の人も博打も大好きだがおひとよしであり、それによって問題を引き起こし道真に泣きつき、道真には冷たい態度を取られる少年。(でも道真はなんだかんだつきあってくれます)
 

 橘広相【空城 ゆうさん】→大学寮で教鞭を執っている学者であり道真の師。優しくて、道真が尊敬している数少ない大人。




 大師【結愛 かれんさん】→不定期に舞師として舞を教えている。永遠の美しさゆえ、歳を取らないと噂される貴族相手の娼婦もしている女性。印象的な化粧と刺青が特徴です。

(大師メインの回もあるのですが、大師にぞっこんな清原定成役がいないため、舞師として美しく踊られる役柄になるのかな?と想像)


 國道【蓮つかささん】→検非違使役。応天の門第1話〜3話の最初の事件で出てくるので、やっぱり最初3話はしっかり描かれるのかな、とも思うのですが、その事件で出てくる「小藤役」や「藤原親嗣役」がいないので事件を変えるのでしょうか……???


 若き業平【英 かおとさん】と若き高子【蘭世 惠翔さん】は鳳月さんと天紫しさんの若い時の役柄なので、ふたりの駆け落ちあたりもしっかり物語に組み入れるのかなあ、と感じました。


 以上、ざっくりしすぎな役柄の説明なのですが、わからない役が9役ありました。


 オリジナルキャラクターなのかわたしが見つけられていないだけなのか不明なので申し訳ないです。


 不明だった男役さんは黒炎【朝霧 真さん】公達【甲海 夏帆さん】道節【大楠 てらさん】の3名だったのですが、朝霧さんは退団公演でもあるので、見せ場があったら嬉しいなと思います。



 不明だった娘役さんは麗菊【麗 泉里さん】桃李【桃歌 雪さん】杏香【花時 舞香さん】愛蓮【天愛 るりあさん】菜花【菜々野 ありさん】美柳【美海 そらさん】の6名だったのですが、全員芸名が役の名前に入っているので、オリジナルキャラクターの可能性が高いなあと感じました。


 歌の上手いジェンヌさんとダンサーなジェンヌさんがバランスよくいるので、それぞれ適切な活躍箇所があったら嬉しく思います。




 今回の配役一覧を見て、とっっっても楽しみな反面、役のついていない月組生が多いことや、原作の主要人物である島田 忠臣やその娘の宣来子が出ないことが結構ショックだったことはここに記させていただきたく……。

 島田 忠臣と宣来子を宝塚の舞台で観たかったわたしの夢は儚く散ってしまったのですが、発表から2日経ったので、さすがにそれは呑み込みました。

(でも原作ファン的には、ショックな人も多かったんじゃないかなと想像します)



 配役を見るに、10巻までのストーリーをぎゅぎゅっと凝縮させそうなのですが、「メインになりそうな事件に関わる悪役や被害者役が配役一覧にいなかった」ので、原作の雰囲気を借りたオリジナルストーリーにする可能性もあるのかなあ?と感じました。



 『応天の門』は、だいたい、1~3話の間で「ひとつの怪奇現象」や「ひとつの事件」 が解決される構成になっています。


 が、物語が進むにつれ、それぞれの登場人物が抱えるトラウマや想い人、そして「平安時代の闇」や藤原家の権力争いが複雑に絡み合っていくので、この面白い漫画を田渕先生が上手にまとめられるのか、についての不安はあるのですが、月組生たちの演技力には信頼しかないので、観劇できる日がとても楽しみです。



 退団者ショックをまだ引きずっているのですが、だからこそ、今の月組で織り成す『応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』をしっかり楽しみたいなと思います。



 長くなりましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

 登場人物たちの名前にややこしさはありますが、たくさんの人が宝塚の、今の月組生たちが織り成す『応天の門』を楽しめますことを心の底より願っています。
 

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