ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

結愛かれんさんという娘役さんについて思うこと


 月組公演『応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』の退団者全員が大好きで大好きで大好きで、退団される皆様に思いを馳せると本当に寂しくて仕方ない今日この頃。


 じゃあ大好きな気持ちを記しておきたいなあ、と思い、今回は結愛かれんさんについて記したいな、と思います。



 はじめに、結愛かれんさんは、101期の娘役さんです。

 101期と言えば、月組では新人公演を卒業するまで誰ひとりとして退団しなかった期になります。

 『グレート・ギャツビー』にて佳乃さんが退団。そして今回、『応天の門』にて結愛さんと花時さんが退団されることとなり、今までずっと頑張ってくれていたからこそ発生してしまう連続退団がとても寂しくて寂しくて……。

 新人公演も卒業し、娘役さんが退団を決意することが多くなる学年になってしまいましたが、月組101期生がこれからも永遠に大好きです。



 そんな101期の皆様は、月組公演 『1789』で初舞台を踏んでいます。トリコロールカラーな衣装がとても可愛らしかったです。



 初舞台を終え、月組に配属された結愛さん。

 とても可愛らしい娘役さんだなあと感じていたのですが、研2という早さで新人公演ヒロインに大抜擢されたときはとても驚きました。


 結愛さんが新人公演ヒロインに選ばれたのは、2017年 『All for One』 のルイ14世役。
 101期から初のヒロイン誕生となり、とても早い抜擢で、早々に注目の的になる娘役さんでした。


 本役は、 当時の月組トップ娘役である愛希れいかさんが 「研3まで男役をしていた」こともあって、小池先生が当て書きにと考えただろうお役。

 本当は女の子だと言うことを隠してルイ14世として生きるヒロインを演じるには、出番の半分ほど、声やしぐさなどを男役のように演じる必要がありました。

 「娘役を極めるだけではいけない」という、研2の娘役さんにはとてつもなく難しかっただろうお役に、どうなるのだろうとソワソワしながら観劇させていただいたのを今でも覚えています。



 大きな期待と少しの心配。そんな気持ちを抱いて、奇跡にゲット出来たA席での観劇。結愛さんの第一声を聞いたときに、少しあったはずの心配は完全になくなり、わたしは研2のニューヒロインである彼女に夢中になりました。


 ルイ14世として男のフリをしている演技と、かわいい女の子に憧れる演技が絶妙に素晴らしくて、だけれどコメディ部分でしっかり笑いをとり、新人公演主演だった蓮つかささんとともに、ヒロインを見事に演じられました。


 この新人公演の際に、結愛さんは歌が不得意だとかなり指摘されて、正直わたしもそれは感じていましたが、それが気にならないほど、結愛かれんさんという娘役さんに夢中になりました。



 幼少期からクラシックバレエやジャズダンス、ヒップホップなど様々なジャンルのダンスに触れてきた結愛さんはダンスがとてもお上手で、お芝居でもショーでも、娘役が踊るとなれば一番目立つ位置で輝く月組の娘役さん。否、目立つ位置でないときでさえ、吸引力の凄まじい目を惹く娘役さんでした。



 ぽやぽやしているかと思いきや、お芝居は可愛らしい子どもから格好いい女性役までこなせてしまう。
 ショーでは可愛くてキュートで、かと思えばセクシーで色っぽくてフェロモンまで感じてしまう。
 カーテンコールでは楽しそうにはしゃぎ、笑い、その場を明るくする。客席をいつだって夢中にさせ、次の瞬間笑顔にさせてくれる。

 宝塚には珍しいタイプの、だけれどもなんて貴重で、なんて素敵な唯一無二の娘役さんだろう、と。結愛さんに魅せられるたび、何度も何度もそんなことを感じました。


 結愛さんという娘役さんは、場面場面でその色を変え、口を開くだけで、肩を動かすだけで、手を揺らすだけで、たくさんのお客さんを魅了し、たくさんの人が、結愛さんという娘役さんに夢中になってしまう。そんな瞬間を、たくさん目撃してきました。


 研2で大抜擢を受けた後、ヒロインというものは結愛さんの元に回ってくることがありませんでした。だけれど、どんな役でも、セリフがないときでさえ、結愛さんはわたしにとって目を離すことのできない、いつだってヒロインのような娘役さんです。



 そんな結愛さんが直近で出演された月組全国ツアー『ブラックジャック』および『FULLSWING!』。お芝居ではルールを重んじる真面目な女医役を凛々しく演じ、ショーでは全場面で魅力が爆発していた結愛さん。


 そこで一番目を見開いたのは、ショーにてあったソロパート。短い歌唱時間でしたが、結愛さんの久しぶりのひとりきりの歌声は可憐で、引っ掛かりがなく、新人公演ヒロインをしていた頃の歌声とは全く違っていました。


 月組娘役きってのダンサーでもあり、 歌姫の多い月組では、なかなか歌う場面が回ってこなかった結愛さんですが、 全ツで聴けたとてもかわいらしい歌声に彼女の努力が見えてくるようで、更にまた、結愛さんという娘役さんのファンになりました。


 パレードにて、同期の天紫さんと一緒に楽しそうに、きらきらと輝きながら階段降りをしてきたとき、その笑顔を拝見できたのが本当に本当に嬉しくて、充実感に満ちたあのかわいらしい笑顔をずっと覚えていたいな、と。本気でそう感じています。



 お芝居が上手くても、役に恵まれ続けた娘役さんではありませんでした。新人公演ヒロインを経験していてもなお、実力があっても、台詞のない役すらありました。

 それでも彼女はいつも最大限の魅力を放出し、それゆえに、わたし含めたくさんの人が、結愛さんという娘役さんに夢中で、大好きで、大好きだからこそ、今回の退団発表にショックを受けたと思います。


 本当に本当に唯一無二の素敵な娘役さんで、退団のことを思うと本当に本当に寂しいのですが、素敵な思い出をたくさんたくさんくださった結愛さんを、精一杯の感謝の気持ちを込めながら見送りたいな、と。今はそんなふうに感じます。



 結愛さんの宝塚最後のお芝居『応天の門』の大師役では、良い女全開の、素敵な舞を魅せてくださるだろうことが楽しみです。
 ショー『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』では、結愛さんという娘役さんの魅了が最大限発揮できるような、素敵な場面が回ってきたら嬉しく思います。



 結愛さんという大好きな大好きな娘役さんの退団は本当に寂しいのですが、だからこそ、今の月組で織り成す『応天の門』および『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』をしっかりしっかりしっかり楽しみたいと思います。


 大千秋楽のその日、結愛さんが無事に大階段を降りては、悔いのないとびっきりチャーミングで可愛らしい笑顔で、最後までたくさんの人を魅了しますことを、否、とにかく怪我なく病なく、結愛さんの元気な姿を最後の日まで拝見できますことを、心の底より願っています。



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