ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

◯組は大丈夫なのかと言われるのが好きではない話



 退団者が発表されたら「◯組は大丈夫なのか」と大袈裟に騒がれ、強いては「こんなに退団するなんて◯組どうしたの!?」と、その組に何かがあるような言い方をされるのは、長年宝塚を好きな人たちにとっては見飽きた文言だと思うのですが、わたしは上記のような発言が好きではないなあ〜という小言を記させていただきたいです。



 上記の「」のような発言、宝塚を好きになって1〜2年なら分かるんですよ。

 びっくりしちゃうし、しかもそこに知っている名前がいっぱいあったら、今の組ではなくなるような気がして、心がザワザワしてしまう。そのざわざわが、本気で心配に繋がってしまう。だから、戸惑ってそういう発言をしてしまうのも分かるんです。


 ですが、長年宝塚を好きでいる人たちの中でも、なんとかなっていくことがわかっているのに、残った生徒さんたちが頑張っていくことが分かっているのに、「わざわざ」上記のような発言をする方々がいらっしゃって、退団しない生徒さんたちの気持ちは考えないのかなあ、とモヤモヤとしたものを感じてしまいます。


 今回の『応天の門』の月組退団者しかり、花組の音さんと飛龍さんの退団の時しかり、星組の天寿さんと音波さんの退団のときしかり、雪組の綾さんの退団の時しかり、宙組の多めの退団者のときしかり。


 ざわざわしてしまう気持ちはとっても分かるのですが、寂しい気持ちもショックな気持ちもとっても分かるのですが、その組に在籍する生徒さんたちは退団者より多い人数なわけです。


 だから、◯組は大丈夫なのか、というフレーズが、本当に好きではなくてですね……。
 ここ数年で一番このフレーズを耳にしたのは、望海さんと真彩さんの退団の際、彩凪さんや煌羽さんといった雪組で活躍されている男役さんたちも同時に退団することが発表された時でした。


 トップコンビや路線メンバーや管理職の方々が宝塚の舞台を作る上での中心人物たちであることは確かなのですが、その人たちだけで今の組をつくりあげているわけではないので、その組に残る人たちにとって、本当に失礼な言葉だなあ……と感じてしまいます。その組には、まだ活躍の場が回ってこずに実力を発揮できていない生徒さんたちもたくさんいらっしゃるわけです。


 現に、今も雪組は、望海さんと真彩さんトップコンビのときと形は違えど、とても素敵な「今だけの雪組」として輝いています。


 自分が思う「その組の象徴」が退団されるとき、知っている組ではなくなるような感覚になるのはとても分かります。

 それは人によってトップコンビであり、組長副組長であり、ベテラン上級生であり、別格男役や2番手娘役であり、自分の観劇目的のジェンヌさんなこともあるでしょう。


 その感覚はとても分かりますし、寂しい気持ちも分かるのですが、大きな戦力がいなくなってしまうと感じるのも分かるのですが、「大好きだから寂しくてショック」の気持ちだけで良くて、これからの組は残った生徒さんたちが必死に頑張ってつくりあげていくので、その組のこれからを大袈裟に心配するのは違うなあ……と。ただ黙って応援できるような形になればいいのになあ、といつも感じてしまいます。



 数ヶ月前に大好きな音さんが退団されたとき、花組についてもかなりこの手の発言をされる方々がたくさんいましたが、糸月さんや湖春さんなど、歌の上手い娘役さんたちが別箱等にて活躍されるようになりました。


 ジェンヌさんたちがずっと宝塚にいてくださったら嬉しいですが、退団というものがあるからこそ、新しいジェンヌさんたちが活躍していけるのも事実です。


 宝塚に残る人たちが、自分たちは期待されていないのだ、等と悲しい誤解をされないためにも、あまり大袈裟に◯組は大丈夫なのか、などと発言してほしくないなあ、などと。そんな自分勝手な小言を記させていただきました。


 また、「こんなに退団するなんて◯組どうしたの!?」と、その組に何か問題があるような言い方をされるのも本当に苦手で、どんな素晴らしいトップさんのときでも、素晴らしい生徒さんたちが揃っていても、退団者ゼロなんてことは宝塚の世界ではありえないので、何か陰謀論などを読み取ろうとしなくても大丈夫ですよ……と、そんなこともいつも心の中で感じています。



 退団や組み替えなどは寂しく、「あったものがなくなる」という喪失に人間はとても弱いので、ショックや悲しみを嘆くことは本当に当たり前だと思うのですが、「これだけの退団や組み替えは本当に寂しい。それでも◯組は大丈夫だし、その組で輝く生徒さんたちを応援していきたい」と。そんなふうなポジティブな言葉であふれる日がきたらいいな、と。それこそが退団者たちも願う事だと、そんなふうに感じます。



 つまらない小言にお付き合いくださりありがとうございました。退団を寂しく思うのはわたしたちだけではなく、その組に残るジェンヌさんたちこそ強く感じる事だとは思いますが、不安にもなると思うのですが、彼女たちが強い気持ちでこれからも宝塚の舞台に立ち続けられるように、いちファンとして精一杯客席から応援したいな、と思います。


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