ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組『応天の門』『Deep Sea』初日を観て


 本日、有難いことに月組宝塚大劇場公演『応天の門』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』の初日を観劇させていただきました。


 まずは何より、月組の皆様、初日の幕開けおめでとうございます!!!


 幕が開いた瞬間、それだけで感動してしまうほど、無事に舞台ができるということがこの上なく嬉しいです。


 また、分かってはいるのですが、やっぱり月組生、上級生から下級生に至るまで何やらしても上手すぎるなと改めて感じました。初日なのに完成度の高さが素晴らしくて本当に圧倒されました。お芝居もショーも見応えバッチリです。



 そして、今回の公演は光月 るうさん、千海 華蘭さん、朝霧 真さん、清華 蘭さん、結愛 かれんさん、花時 舞香さん、蘭世 惠翔さんという7名の、大事な大事な月組生たちの退団公演でもあるのですが、田渕先生も稲葉先生も退団者の皆様への愛にあふれていて、出番も魅せ場も多い印象を受けました。


 特にお芝居『応天の門』での結愛さんの舞師は衣装もことさら美しく、神々しいまでに輝く結愛さんを拝見できて本当に嬉しかったです。
 

 (※ただ、退団者の方々が元々出番の多い面々なので、ショーについてはピックアップという感じではなくいつも通りの活躍のようにも思えました)





 ※以下、ネタバレはなるべく控えたざっくりとした初日感想ですのでご注意ください。






 それでは、まずはお芝居『応天の門』についての感想を記したいのですが、田渕先生の原作の読み込み具合が凄いなと感じましたし、月組の皆様の当て書きかのような役作りが素晴らしかったです。


 漫画の途中の話である「百鬼夜行から多美子(花妃舞音さん)の入内」をメインに宝塚版として物語が繰り広げられたのですが、さまざまな人たちの出会い方やそれまでの出来事を潔くカットし、数多くのキャラクターを出せるだけ出せる手法により、比較的たくさんのジェンヌさんに魅せ場があったことが嬉しかったです。


 (※ちなみに原作では月城さんと鳳月さんが一応相棒のような間柄なのですが、宝塚版では月城さんと海乃さんも相棒かと思うほど一緒にいるので、海乃さんの出番を心配していらっしゃった方々はどうぞご安心くださいませ!)


 事件の順番や出会いの順番などを入れ替え、事件の中身すらも変更されていたのですが、(なるほど〜宝塚版ではこうなるんですね)と、さほどの違和感も感じず、これはまさに田渕先生が本当に原作を熟読してくださったんだということ、そして原作者の灰原先生をはじめとした各方面からの協力があったからこそだと感心しました。


 そして原作を堂々と変更しているからこそ、礼華さん演じる常行と彩海さん演じる長谷雄を同じくらいナチュラルに目立たせることに成功しているところには宝塚の演出家としての手腕を感じました。過去の回想も上手に組み込まれていました。


 田渕先生に原作リスペクトがありすぎて、原作が未完なことに合わせ、「物語はこれからも続く」という結末には賛否両論ありそうですが、わたしは物語を原作で追い続けていることもあり、続きを濁す潔い終わり方はこれはこれでアリだなと感じました。

 
 また、長い巻数で出てくる登場人物たちのひととなりや必要なエピソードを盛り込むために、どうしても「どこかが盛り上がるというよりは応天の門のダイジェストのような仕上がり」にはなっていたので、物語に没入したい方にはハマらないタイプの物語かなとも感じたのですが、原作ファンとしてはとても面白く観劇することが出来ました。


(※百鬼夜行に至るまで、さまざまな物語が原作にはあるので、登場人物たちの距離感や台詞の意図を掴むためには、やっぱり原作を読んでいる方が何億倍も楽しめるのではないかな〜とも感じました)



 それになんと言っても、月城さん演じる道真、海乃さん演じる昭姫、鳳月さん演じる業平、風間さん演じる基経、そして他の登場人物たちも本当に全員漫画から飛び出してきたかのようビジュアルと話し方で、原作ファンの方々にこそ観てほしい一作だと感じられる、役作りの素晴らしさに感動いたしました。

 道真は頭のキレる落ち着き払った18才の少年だし、昭姫は頼りたくなる勝気な姉御だし、業平は女性たちを虜にする色男そのものだし、基経の迫力は地を這うように凄まじいし、他の方々もまあ見事に特徴を掴んでいらっしゃいました。


 特に千海さん演じる清和帝は本来の学年を忘れてしまうほど、本当に原作そのまま飛び出てきたかのようで13才の帝で、素晴らしい限りでした。


 役作りと演技センスと間の取り方の天才たちが月組には集まっていらっしゃるし、あともう存在がCGみたいに美しく格好良く完璧な方々がたくさんいらっしゃって本当に圧倒されました。ありがとうございました。


 唐の化粧をしている娘役さんたちは可愛いし、田渕先生は映像をお手本のように使いこなしているし、道真の衣装替えについては(なるほど〜こういう展開で豪華めな衣装を着せるのか〜さすが宝塚〜)と、原作にはない箇所にも感心しました。物語の運びもとてもスムーズでした。


 当たり前のことを言うのですが、月組生全員、本当にお芝居が上手くて上手くて滑舌も良すぎて大好きという気持ちが止まらなかったです。テンポの良さと笑いの取り方が本当にうますぎて噛み締めるように(全員上手い……)と感動しました。クスクス笑える場面が多かったのは演者たちの巧みさだなあと本当に感動しました。


 ひとりひとりのキャスト別感想は後日記すのですが、全員の役作りがパーフェクトで最高でした。未読でも宝塚の『応天の門』は理解できると思うのですが、宝塚の『応天の門』をより深く楽しむためにも、原作漫画の拝読をおすすめしたいなと感じたのですが、未読の方の感想も知りたいなあと感じました。


 あと、原作には時代さながらの過激描写もあるのですが、宝塚版ではそれはもうことごとくカットされ、子どもに見せてもOKな舞台になっていて、トップコンビのロマンスはなかったけれど、そういった点では田渕先生は宝塚の演出家としてとても向いているなと改めて感じました。

 取り敢えず、役柄含め、観たい月組が詰まりまくっていて、そして全員もれなく顔が良くて最高でした。通います!




 
 続いて、ショー『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』についてのざっくりとした感想を。


 今回はラテンショーということで、決定当初からブラックフェイス問題が気になっていたのですが、日焼けした程度の薄いお化粧になっていて、変に問題視されることがないだろう姿に胸を撫で下ろしました。


 そしてショーの感想なのですが、歌にダンスに盛りだくさんで体感5秒ほどの、本当に楽しい気持ちになれる稲葉先生らしい楽しくて素敵なショーでした。

 今の月組はショースター不足だと、全然共感できないことを記す方々もいらっしゃいますが、今日も月組生全員本当に最高で、ひとりひとりが輝きに満ちていました。



 まず、チョンパと共に盛り上がるプロローグが最高で、(あ〜ラテンショー最高ー!!!)とテンション上がりまくりました。ラテンショー最高!ですし、月組の皆様最高ー!でした。いやはや、月城さんをはじめクールに見えて、その実、今の月組には熱いラテンショーが似合う似合う。幕開けから派ッ手派手で大変良かったです。


 プロローグから光月組長が白雪さんと歌う場面もあり、そのシックな雰囲気は、とても今の月組を感じつつ、寂しさも含めて初っ端から泣きそうになってしまいました。


 また、踊るマーメイドのシーンをとても楽しみにしていたのですが、さすがクラブがテーマなだけあって、苦手な娘役の衣装だなあ……これが続いたらどうしよう……と、焦りつつも鳳月さんや海乃さんをはじめとする月組の皆様の素敵さを堪能することにしました。鳳月さんと海乃さんもたくさん組んできているので息の合い方が抜群で素晴らしかったです。


 海神の戯れのシーンは、月城さんが月組を代表する美女たちを引き連れ銀橋を渡るのですが、(あ〜こういうの大好きです〜)と気持ちが高まりましたし、その後のコミカルさと、海乃さん登場で報われる月城さんが面白くて素敵なのについ笑ってしまいました。


 そして、早めに訪れる中詰あたりからは衣装も安定し、なによりこの中詰が最近観たショーの中でいちにを争う楽しさでした! この中詰が楽しいNo. 1ってくらいに楽しくて顔がニヤけてどうしようかと思いました。


 銀橋をいっぱい使うし、月組生をたくさん使うし、娘役さんも活躍させてくださるし、全員楽しそうだし、もう楽しそうな姿をいっぱい観れて最高〜!!! の気持ちになりました。稲葉先生素敵な中詰をありがとうございます。


 そしてその後、稲葉先生らしい礼華さんと彩海さんを中心とした下級生の爆踊り場面があるのですが、もうこれが格好いいのなんので最高でした。
 ちょっと良すぎて百億回は観たい気持ちでいっぱいなのですが、下級生たちの輝きとエネルギーに満ちた場面が尊すぎて本当に最高に格好良かったです。(中詰前の礼華さんと天紫さんと彩海さんの銀橋渡りも楽しすぎて最高でした)



 あと月城さんと鳳月さんと風間さん三人の秘密の花園の場面があるのですが、これは格好いい髪型の月城さんと、女役の鳳月さんと、ずっと歌う風間さんを堪能できるシーンです。

 男役が女役を演じるのはあまり好きではないのですが、変にダルマではなく、そして鬘にも違和感がなく、そして他の場面で娘役さんたちが大活躍していたので、今回のものは純粋に楽しむことができました。

 美しい月城さんと美しい鳳月さんのダンスを観ながら気持ち良さげに歌い上げ続ける風間さんの声を永遠に聴ける妖しげな空間はまさに至福の時間でした。は〜誰が歌っても上手いの本当に最高だなの気持ちになります。
 


 あと、大人数ロケットダンスが観ていて本当に気持ちよくて、衣装の後ろのひらひらとした布とか、二階席から観劇していると本当に綺麗でした。

 ロケットはどうしても笑顔がチャーミングな美海そらさんをオペラグラスでロックオンしてしまうのですが、一輝さんの麗しさも凄すぎてオペラグラスがブレブレになりました。早く全員の配置を特定したいなと思います。



 そして大人っぽい雰囲気の娘役群舞からフィナーレが始まるのですが、月組はオーソドックスな衣装が多かったので珍しく感じましたし、このあたりで、(月城さんは河底先生の衣装が比較的なんでも似合うなあ)ということに驚きました。ほとんどの衣装が似合っていたように思います。


 デュエットダンスは喧嘩っぽいデュエットダンスと聞いていた通り、黒の衣装をまとった月城さんと海乃さんがギャツビーとデイジーを彷彿とさせるような格好良い雰囲気でとても素敵でした。表情のひとつひとつ、うわ〜素敵〜とジタジタしそうになりました。ダンス中は氷のような表情の海乃さんが最後はけるときに笑う姿がとても可愛らしかったです。



 今回のショーは皆様ご存知の通りエトワールが役替わりなのですが、初日は天愛 るりあさんが担われていました。

 天愛さんの宝塚王道の美しい歌声が劇場中に響き渡り、とっっっても心地よい気持ちになりました。

 桃歌 雪さん、白河 りりさん、きよら 羽龍さん、咲彩 いちごさんのエトワールもとってもとっても楽しみです。



 階段降りについては、礼華さんと彩海さん→彩さんと天紫さん→風間さん→鳳月さん→海乃さん→月城さんというとてもオーソドックスな形でした。(夢奈さんと蓮さんがまた大階段を降りて来られる日をお待ちしております)


 お芝居でもショーでも階段降りでも分かるのですが、礼華さんと彩海さんをニコイチで上げていくんだなあと強く感じました。


 また、退団者の面々が豪華すぎるので予感はしていたのですが、「退団者の方々が多いからこそ、退団者の方々は全員普通」に降りてきました。これについては、稲葉先生もさんざん思い悩んだ結果だと思われるので、どうか普通に降りてくる退団者の方々に精一杯拍手することで気持ちを落ち着かせて頂いたら幸いです。



 そして初日挨拶なのですが、幕は四回上がりました。

 オーソドックスな挨拶はもちろん、月城さんがエトワールの役替わりにも触れてくださって、エトワールをする方々の顔を見ていっていたのですが、月城さんと目があったときの娘役さんたちの嬉しそうな顔を拝見してとても幸せな気持ちになりました。

 全員分観てくださいと月城さんに言われたので、何が何でも東京で桃歌さん回をゲットしたいと思います。


 また、最後に幕開いたとき、月城さんがネタ切れというていで、困ったときは風間さんを頼るとばかりに風間さんに投げ、風間さんが慌てながらも、鳳月さんにすがりながらも、周りの月組生が楽しそうに笑いながらも、最後は全員で「立春〜!」で締めくくるのが本当に最高に幸せの形で、最後の挨拶含め、本当に本当に本当に楽しい時間でした。



 初日の情報量で頭がパンクしそうで上手く記しきれなかったのですが、明日もそれ以降も観劇予定なので、頭の中でまとまったらなるべく多くの月組生たちの頑張りを感想に記したいなと感じました。


 元々月組のことが大好きなのですが、ますます月組のことが大好きになるような、ひとりひとりに注目できる二本立てでした。退団者の皆様のことを思うと寂しくて悲しくて仕方ないのですが、本公演にて輝かれている姿をしっかりと両の目と心に焼き付けたいと思います。



 改めまして、月組の皆様、初日の幕開け、本当におめでとうございます。


 どうか素敵な月組公演『応天の門』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』が、新人公演含め東西完走できますことを、月組の皆様が元気と健康に恵まれ続けますことを、退団者の皆様が悔いなく大階段を降りて来られますことを心の底より願っています。


 月組の皆様、素敵な時間をありがとうございました! 明日の観劇もとっっっても楽しみです。



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