ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

何年経っても成功しているとは思えない宝塚の転売対策について


 月組大劇場千秋楽前の3月3日、宝塚公式HP が 「チケット取扱いに関するご協力のお願い」 について発表したことは、まだ皆様の記憶に新しいでしょうか。


 内容としては、「宝塚は転売目的のチケットの購入、そして転売行為はお断り」 である基本の話。

 転売したら、どんな法律に引っかかって、 どんな罰を受けるのかの記載。

 チケットの購入後、 やむを得ないご事情でご観劇が出来なくなった場合は、公式チケットトレードリセール 「チケトレ」をご利用くださいませの文言。

 そして、当たり前だけど転売チケットは買わないでね、という念押し。


 以上のようなものが厳かに記載されたお知らせについて、わたしは (これは最近転売が多いから、千秋楽は本人確認があるかもしれないなあ)と。


 そう考えて、月組千秋楽にはきちんと運転免許証を鞄に忍ばせていきました。

 そう言えば、たまに抜き打ちの本人確認が実施されるという話は聞いたことがあったのですが、実のところ、頻繁に通っていてもなお、抜き打ち本人確認公演回にあたったことがなかったわけです。


 自分で取ったチケットなのに、ちょっとドキドキしながら列に並んで、チケットゲートでクレジットカードをかざしました。

 しかしながら、驚くほど普通に、それはそれは普通に、いつも通り入ることが出来ました。入場してしまった側が戸惑うほど、本当に呆気なく入ることが出来ました。


 客席に座ってから、(そう言えば宝塚は会の人のチケットもあるし、そういう場合、本人確認なんて上手くできないのか……)などと、考えれば考えるほど、宝塚の本人確認の方法が分からなくなりました。


 一部の座席だけ本人確認とか、ブザーが鳴るとか、再入場出来ないとか、本人確認がある回に当たった友人がかつて、そんなことを言っていた気もしたのですが、全員は全員、本人確認されることはないのかなあ、と。



 やっぱりそれが転売の温床になっているのでは?と思わずにはいられませんでした。




 まず、ルールを守る人たちは、行けなくなったチケットはチケトレに流すしかないわけです。

 わたしも泣く泣くチケトレにロミジュリのチケットを放出したことがありました。

 運営費のため仕方ないとは思うのですが、ここで手数料が取られます。売り手も買い手も、手数料が取られます。


 自己都合ゆえなので、それは仕方ないかなと個人的には思うのですが、最近問題になっているのは、「チケトレに流したチケットを転売する人間に買われて高値で売られてしまうこと」だったりします。(その他もろもろチケトレには問題が発覚しているのですがここでは割愛いたします)


 手数料を支払って公式の言うとおりチケトレに正規でチケットを流したのに、まるで知らないうちに犯罪に加担したかのようなひどい話です。


 宝塚は、恐らく上記のような問題を踏まえ、「チケトレは本人が観劇する前提での購入を絶対条件」とするよう、先日、引き取り方法を以下のように変更しました。


(変更前)
【チケトレ購入証明書 】 が表示できる携帯端末(スマートフォンタブレット)
【チケトレ登録済の氏名が確認できる本人確認書類】

(変更後)
【チケトレ購入証明書】 が表示できる携帯端末(スマートフォンタブレット)
【チケトレ登録済みの氏名が確認できる顔写真付きの本人確認書類 】


 ※顔写真付きの本人確認書類をお持ちでない場合はチケトレ登録済みの氏名および生年月日が確認できる本人確認書類2点

(※東京宝塚劇場月組東京宝塚劇場公演 2023年3月25日 (土)より変更いたします)



 上記のように変更されたのですが、これをチケットカウンターで実施するのではなく、チケットゲートにて本人確認。その場で入場かつ、再入場禁止くらいにしないと、抜け穴が多すぎると感じてしまいます。


 チケトレにはさまざまな問題があるので、そのシステムを推奨し続ける宝塚には首を傾げてしまうのですが、その前に、1番の問題は「チケット流通センターなどに宝塚のチケットが出続けていること」です。

 チケトレを改善しようが自前のシステムをつくろうが、こういうところに流れるチケットを野放しにしていたら転売は終わりません。


 そういうところで取り扱われる宝塚のチケット価格は、高いものだと一枚10万円。


 それが、真風さん、潤花さんの退団公演である宙組カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』や、箱の小ささで演目決定当初からざわついた星組『Le Rouge et le Noir ~赤と黒~』の前方席に実際につけられている値段です。

 一枚12000円ほどの値段で買えるはずの前方チケットが、およそ十倍の値段で転売されようとしているわけです。本当に頭にきてしまいます。


 一枚十万円の価格で売れてしまえば、転売するやつが九万円の利益をぶんどるのも腹が立ちますし、せっかく当たったそんなプレミアムチケットをお金のために易々と手放すほど宝塚に愛のない人がそのチケットを勝ち取っている事実にも腹が立ちます。


 そんな転売額は目をつけられやすいので、例えば本人確認があるかもしれませんが、それで当日入れませんと断られたら、たちまち空席が出来てしまうだけのことで、解決に繋がっていくとは到底思えません。


 こちらに対する根本的な解決策は、高値で取引できるサイトに宝塚のチケットが掲載された時点で出品した人間に罰則を与えられるようになることのみだと思います。


 宝塚のチケットを高値で出品したら、本当に痛い目にあう。


 法律上難しいとは思うのですが、そのくらい出来るようにならなければ、絶対に転売はなくならないと嫌になるほど学んできました。


 数年前にはなりますが、元花組トップスター明日海りおさんの退団公演の転売額は、本当に恐ろしいものでした。意味のわからない数字が並んでいて目眩が起きそうでした。
 コロナによって少しだけその値は収まったものの、これからはまた上昇していくのではないかと考えられます。


 結論として、チケットの転売問題が明るみに出てから長い年月が流れましたが、宝塚の転売対策が成功しているとはどうしても思えません。
 しかしながら、そもそもは転売する側が悪いのであり、決して宝塚側を責めたいわけではないのです。

 
 ただ、宝塚Pocketというアプリをつくれたわけですし、宝塚にはすでに、自前のチケットサービス機能があります。

 高額転売という歴史を繰り返し続けないためにも、まずはどうか、転売対策の第一歩として、ルールを守る人にとっても安全な宝塚公式のリセールサービスを登場させて欲しいです。


 そして、これは個人的に思うことなのですが、人間誰しも、当日になって観劇に行けない事態になることはあると思います。宝塚のチケットを両親にプレゼントしたいことだってあります。

 なので、この先、本人確認が厳しくなれど、親族にくらいチケットを譲るのはOKにしてほしい派なのですが、そういう縛りは、誰かがルールを破ることによって、より縛りが厳しくなっていきます。


 何が良くて、何が駄目なのか。どこを緩めて、どこを厳しくするか。決められたルールに抜け穴はないか。どうすればルールとマナーを守る人を優先的に観劇させることができるのか。


 本当に難しくて、完璧に転売対策が成功することなんてこの先も一生無理なのかもしれませんが、どうか「チケットは売れたらそれでいい」ではなく、「売れたチケットがどのように扱われるか」まで、宝塚公式が気にしてくださったら幸いです。


 最後までお読みいただきありがとうございました。難しい問題ではありますが、これから先も、宝塚が正しく転売対策に向き合ってくださいますことを心の底より願っています。


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