ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

抱き合わせチケットに対して思うこと


 本日、宙組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演『大逆転裁判』と、梅田芸術劇場主催公演 ミュージカル 『SUNNY』(大阪公演)のチケットを同時にゲットできる、特別セット観劇券が販売されるとの発表がありました。 特典は両公演のプログラム付です。


 そして、この発表を受けて既視感と言いますか。 少し前に、月組東急シアターオーブ公演 『DEATH TAKES A HOLIDAY』 と、 梅田芸術劇場主催公演 ミュージカル『SUNNY』(東京公演)のチケットを同時にゲットできる特別セット観劇券が販売されると発表があったのを思い出しました。こちらも特典は両公演のプログラム付です。



 ということで、今回はいわゆる抱き合わせチケットについてのお話をさせていただきたいわけなのですが。



 抱き合わせチケットは、完売するだろう人気公演と、今の状況だと完売はしないかなと思われるチケットをセットにして販売する方法です。

 今回のように宝塚公式で発表されるものや、イープラやセディナなどで発表されるものなどさまざまあります。数年前から、宝塚と外部公演の抱き合わせチケット販売を頻繁に見かけるようになりましたが、特にイープラスさんでは宝塚の公演に対してこの販売方法が当たり前になってきました。(宝塚の前方席と、外部公演をセットにして販売されたりしています)



 この抱き合わせチケット販売戦略は、商売・経営の観点から見るに、とても合理的なものだと思います。


 放っといても完売するだろう人気公演はチケ難になる可能性が高く、「もしかしたらチケットをゲットすることが出来ないかもしれない」という消費者の不安を上手に利用し、 「抱き合わせチケットなら確実に観劇できるよ」 と魅力的な誘いを我々に打ち出してくるわけです。


 この魅力的な誘いにのれば、わたしたちは絶対観たい人気公演のチケットをゲットすることが出来ます。 そして、販売側としては、 放っておいても売れるチケットと共に、完売はしないかもしれない公演のチケットを一緒にさばくことができます。

 販売側の観点からしてみれば、チケットはさばけたらいい、ということなので、抱き合わせは非常に簡単かつ実行しやすい戦略なのだと思います。 この「チケットはさばけたらいい」は、ちょっと寂しい文言にも聞こえますが、販売側にとっては一番と言っていいほど大事なことです。


 なので、この抱き合わせチケットの販売方法を悪くは思いません。


 ただ、この販売方法が好きかと言われたら、個人的には全く好きではないです。


 ちなみにわたしは『大逆転裁判』にも 『DEATH TAKES A HOLIDAY』にも行きたいかつ、既に『SUNNY』のチケットを持っている人間です。ので、今回を例にしてモヤモヤする点をあげてみるのですが、


① 抱き合わせしてもらう公演(今回は『SUNNY』)の方には人気がないってわざわざ晒されてしまう点


②もしも抱き合わせがなかったら、『大逆転裁判』および、『DEATH TAKES A HOLIDAY』は、その分のチケットが抽選か一般で普通にゲットできたかもしれない点


 今回に限らず、特にこの2点についていつもモヤモヤしてしまいます。

 もっと早く教えてくれなんて、チケットの販売状況を見てから抱き合わせ販売を決定するのだからそんな土台無理なことについてケチをつけるつもりはありません。


 ただ、上記の点についてはモヤモヤしてしまうんですよね。特に①ね……。そして②の感情がうまれるのも事実なので、抱き合わせしてもらう公演にヘイトがうまれやすいのも事実です。


 もしかしたらね。こういう抱き合わせでね、外部公演の魅力にハマってくださる方もいらっしゃるかとは思うんですけどね。そういう貴重な出会いの場になるかもしれないので一概にこの販売方法は嫌とは言えないのですが、やっぱりそれ以上に、抱き合わせ商法にはモヤモヤしてしまうなあ〜というのが個人的な本音です。


 ので、個人的にはこのチケット抱き合わせ文化は廃れていってほしいのですが、廃れるどころか、販売方法として流行ってしまっていますし、完全に定着してしまうんだろうなという雰囲気を感じています。


 外部公演および演劇業界の売り上げが厳しいことは、コロナになって以降特に感じる部分ではあります。

 しかしながら、 困ったときの頼みの綱がいつも抱き合わせチケットというのは、外部公演に出演される大好きな方々の顔を思い浮かべても複雑な心境を覚えてしまうので、抱き合わせ販売なんてしなくてもいいほどお客さんに「観たい!」と思わせるような魅力的な外部公演がこれから先増えていってくださったら嬉しく思います。


 そして、外部公演でチケットが売れにくい一番の原因は「外部のチケットは高い」ということだと思うので、「列ごとによる料金設定」を導入するなど、チケットをさばくためにも出来る限りの工夫をしてくださったら幸いです。


 以上、抱き合わせチケットに関する個人的な思いでした。


 わたしは今回のセット売りには参加しないのですが、両方の公演を観たい!と思われた方々のもとにチケットが届きますことを心の底より願っています。


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