ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

版権勝利と嬉しいけれど不安もよぎる全世界配信の話


 まずは昨日、版権の心配をしていた月組 東急シアターオーブ公演『DEATH TAKES A HOLIDAY』について、ライブ中継・ライブ配信実施のお知らせがありました。


 わーい!!! やりましたー!!! ライブ中継・ライブ配信決定です!!! ばんざーい!!!


 だってだって、ライブ配信があるということは、超絶心配だった著作権が大丈夫なのかも〜〜〜! と希望の光が見えたも同然なのでね。そりゃもう昨日は朝からテンションが爆上がりいたしました。


 いや本当、バウホール公演『月の燈影(ほかげ)』の一般販売に全く歯が立たずに落ち込んでいるときにこのお知らせがあったので、この世界は優しさに満ちているなと思いました。(月の燈影は25日の千秋楽にライブ配信だと予想して予定を空けとこうと思います!)


 いやはや、別箱ブロードウェイミュージカルは、『20世紀号に乗って』しかり、『プロミセスプロミセス』しかり。ライブ配信もなければ映像にも残らず悔し涙を流した大好きな作品たちが多数あるので、映像に残る希望を見出せただけで本当に本当に本当に嬉しいです!!!


 月組『DEATH TAKES A HOLIDAY』が楽しみすぎて今から既に円盤の予約をしたい勢いなので、どうかどうか、このライブ配信に続き円盤が発売されますことを。そして何より、初日から千秋楽まで完走できますことを心の底より願っています。





 そして、おととい発表され大きな話題になりましたが、宙組 東京宝塚劇場公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』千秋楽【2023年6月11日(日)13:30公演】、全世界ライブ配信決定おめでとうございます!


 全世界ライブ配信の文字を見たとき、「景気がいい〜!」の感情になりました。あと、外国にいる宝塚ファンの方々の顔を思い浮かべては、おめでとう! の気持ちにもなりました。

 
 肝心のライブ配信ですが、動画配信プラットフォーム「Beyond LIVE」を通じて、日本を除く全世界が配信エリアとのこと。

 対応予定言語は、【英語、韓国語、中国語(簡体、繁体)、インドネシア語スペイン語ベトナム語タイ語英語、韓国語、中国語(繁体字)】

 以上の字幕に対応してお届けされるとのことです。


 また、公演当日のライブ配信に加えて、時差のためにライブ配信をご視聴いただくことが難しい国や地域のお客様にもお楽しみいただけるよう、後日、リストリーミング配信(英語字幕のみ)も実施されるとのことです。

 (※リストリーミングとは、Beyond LIVEで生配信された映像をもう一度鑑賞できるサービスのことです)


 著作権上の都合で、配信箇所は『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』本編のみとなり、サヨナラショー以降の配信はないとのことですが、知人の外国に住む宝塚ファンがそれでも真風さんの最後の公演が観れるならととても喜んでいたので、わたしまで嬉しくなりました。


 ということで、海外に住む宝塚ファンの皆様の顔を思い浮かべてはニコニコしたのですが、それと同じくらい、海外に向けて発信するのは、「ん〜」と手放しで喜べないような表現もあるよなあ……という不安も感じておりまして。


 しかも今回の演目は映画ネタはもちろんですが、真風さんの退団公演仕様による「内輪ネタ」が集まったり、衣装の着こなしなど、「本編や脚本を楽しむというより宙組生のイキイキとした活躍を楽しむタイプ」の作品だと個人的に思っていて。

 退団公演ですし宝塚ファンが中心で観劇するからこそ、まあ目をつぶっていた表現箇所とかがあるのですが、これが全世界配信となると、(ちょっと待って……)の気持ちにも正直なりました。


 ここ数年で、週刊誌に掲載されている人気漫画も、海外からの猛クレームで内容変更せざるを得なくなった作品がありましたよね。

 各国デリケートな問題というのはあって、全世界配信は嬉しくても、これからも全世界配信を続けるならば、もっと脚本を第三者が修正するくらいの勢いがないと、(これはダメだろ……)と思うものが宝塚の作品の中には存在します。


 ぶっちゃけ、宝塚ファンであっても、(いやこれ……引く……こんな表現が通る宝塚引く……)と思う作品がいくつもありました。ありましたが、悪いのは脚本演出であって頑張っているジェンヌさんではないという気持ちで耐えてきたこともありました。


 作品名は出しませんが、皆様も思い当たる作品のひとつやふたつあるのではないでしょうか。

 わたしはああいう作品が、宝塚ファン以外の方々の目に留まることは結構不安であり、ましてそれが海外に発信されるとなると、かなり懸念もしてしまいます。
 過去作はもう仕方がないとしても、これから先はブラッシュアップした作品のみが上演されてほしいと切に願うのですが、いやはやどうなっていくのでしょうか。


 そして何より、今回の全世界配信において、宝塚は全く知らないけれど日本の007が観れると興味を持って視聴してくださる海外の方に、(これが日本の007???)と思われる可能性もあるなあ……とぼんやり感じました。

 真風さんたちの格好良さに免じてくださればいいのですが、果たしてどんな反応になるのかソワソワしてしまいます。


 新しい試みというのは不安がつきまとうものです。しかしながら今回の不安は、ただただ「脚本演出部分のみ」に存在します。だけれど、例えば炎上したときに矢面に立つのは顔と芸名の割れているジェンヌさんたちになってくるので、ファンとしては余計にピリピリハラハラしてしまいます。


 全世界配信がこれからも続いていくのかは分かりませんが、どの国の誰に見せても大丈夫だと。そういう最低限の安心感をもたらせてくださる作品づくりは、演出家および劇団の義務なのではないかな、と。改めてそんなことを感じてしまいました。



 はてさて、さまざまな心配事もありますが、真風さんの男役人生最後の日が全世界に配信されるのは、いちファンとしてはとても嬉しいものでもございます。

 こんな時代だからこそ、遠く離れた場所からでも退団者の皆様の唯一無二の輝きを共有することができますように。


 大千秋楽の6月11日が確実に近づいてきていることに寂しさを感じずにはいられないのですが、宙組の皆様にとって、そしてわたしたちファンにとって最高の大千秋楽になりますことを心の底より願っています。


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