本日、壇ひとみさんのインスタストーリーにて、宝塚歌劇団の元星組娘役であり、振付家である羽山紀代美先生の訃報を知りました。
驚きに頭が真っ白になってしまい、そのあと、大きなショックに打ちのめされました。
先日、次の花組公演 『GRAND MIRAGE ! 』 のボレロの振付を羽山先生が担当されていると。その場面が完成したことをキャストボイスで知ったばかりで……。
だからこそ、まだまだ羽山先生の素敵すぎる振付が宝塚の舞台にて拝見できると信じて疑っていませんでした.....。
本当に、朝から信じられない気持ちとショックな気持ちでいっぱいで、とても言葉にならなかったのですが、今は、羽山先生が長きに渡り宝塚に尽力してくださった時間を思い出しては、感謝の言葉しかございません。
群舞やデュエダンを中心に、各組、 ジェンヌさんたちのそれぞれの特性を活かした素晴らしすぎる振付を魔法のようにつくりあげてくださっていた羽山先生。
どんなジェンヌさんも、「今回のフィナーレは羽山先生の振付なんです」 「羽山先生の振付を黒燕尾で踊るのが夢でした」と、きらきらした瞳で嬉しそうに語る姿は、まるで宝塚に憧れた頃の少女そのままのようで、羽山先生のお名前を聞くたび、こちらまで嬉しさが込み上げてくるようでした。
振付にて、黒燕尾と言えば。 大階段と言えば。 クラシカルと言えば。 男役・娘役の美学を表現すると言えば。その問いかけに、たくさんの方々が羽山先生の名前を思い浮かべるのではないでしょうか。
羽山先生の振付にかかれば、指先ひとつとっても、宝塚のとびきりの美しさをあますことなく表現させてくださる、そういう素敵な力がありました。
そんな、わたしたちファンだけでなく、 それ以上にすべてのジェンヌさんたちに愛されていた振付師である羽山先生。
羽山先生の振付で、何が一番好きだったかなんて、こんなにも長い歴史の中、簡単に語ることなど到底できません。
しかしながら、先生の振付家30周年記念を祝して、2005年に宝塚大劇場で上演された羽山紀代美ダンシングリサイタル 『ゴールデン・ステップス』-1975〜2005-は、いつ何度拝見しても、本当に、「素晴らしい」の一言に尽きます。
ゴールデンステップスIIを楽しみに待っていたファンはわたし含めとても多かったと思います……。
羽山先生の振付ひとつひとつには伝統があって、それでいてお洒落で品があって、だけど遊び心があって。
振付だけでなく、ジェンヌさんたちに贈る言葉にはいつも人柄の良さと温かさがにじみ出ていた羽山先生。誰からも慕われる、宝塚界きっての宝物のような振付師の先生。
いきなりのことで、本当に、まだまだあたまの中が半分ほど真っ白な状態なのですが、羽山先生、今まで数え切れないほどのとびきり素敵で素晴らしすぎる振付をありがとうございました。羽山先生の振付は宝塚界にとって、そしてわたしたちファンにとって、永遠の宝物です。
凡庸な感謝の言葉では表現尽くしきれませんが、素敵な舞台を担い続けてくださり本当にありがとうございました。羽山先生が振り付けしてくださったすべてのシーンを、これからも大切に拝見させて頂きます。
羽山紀代美様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。