ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組東京初日を観劇してさまざま感じた話


 本日、月組東京宝塚劇場公演『フリューゲル -君がくれた翼-』『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』が初日を迎えられました。


 月組の皆様、東京初日の幕開けおめでとうございます。


 そして、いろいろありまして、本日月組東京初日に足を運ばせていただきました。


 大切な生徒さんがひとり亡くなられてから初めて客席に座ることにいつもとは違う感覚があったのですが、午前中に発表されました公演デザート「ペロリン ウォールナッツ」-くるみがくれた旨さ-。


 ベルリンの壁と君がくれた翼を上手に用いた公演デザート名には、緊張した表情をふっと綻ばせるようなやさしい力があって、東京公演のデザートは人の心をほんのりと救うあたたかな面白さがあるなと感じました。美味しかったです。



 開演前には理事長からの挨拶がありました。わたしは理事長の挨拶を聞くのは初めてだったのですが、緊張と疲れを感じるご挨拶でした。


 ニュアンスでしか記憶できていないのですが、二度とこんなことが起きないように再発防止につとめること。生徒さんの心身に配慮して安全に公演を実施できると判断した舞台から通常通り公演していく旨をお話しされていました。



 そして東京初日の幕が開きました。お芝居ショー共に、月組の皆様のパフォーマンスに胸いっぱいになりながら、ひとりひとり台詞を言うだけで、舞台に力強く立ってくださっているだけで、歌声が響くだけで自分の目が潤んでいくのを実感しました。


 今、宝塚の公演が幕開くだけでいろいろなことを言われるのに、私情を挟まずプロとしてその世界観を客席に力いっぱい届けてくださる姿に静かに涙が止まらなかったですし、上級生下級生問わず、今舞台に立っている全員が何かに追い込まれたり、苦しい思いをしないでほしいな、と。そんなことをひたすら願いました。



 今回の月組公演はお芝居の演出変更が噂されていましたが、鳳月さんヘルムートのラスト演出に変更はありませんでした。


 わたしが気づいた演出変更?(演出追加?)は月城さんヨナスに海乃さんナディアが監視塔まで会いにいく場面をかわいい4人の部下(英さん・礼華さん・天愛さん・白河さん)が袖から見守っていたというアットホーム感が増したところくらいだったかな? と。ただひたすらかわいい演出追加に対してあったかい気持ちでいっぱいになりました。


 ラストは演出変更をした方がよかったという意見もあるかもしれませんが、ただでさえこの状況で公演をやることにさまざま感じていることがあると思う彼女たちに、今そんな場面をやるなんておかしい! と言ったような、まわりに回って圧とプレッシャーをかけるような言葉を投げかける人がいませんことを心より願います。


 また、お芝居冒頭にて梨花さんが数秒台詞が出てこないことがありましたが、月城さんヨナスの助け舟をはじめ全員でフォローしていました。

 梨花さんは雪組組長時代も挨拶の最中言葉が出なくなったことがあり、月組組長就任時には梨花さんの体調を心配したのですが、しっかり者の月組生たちに甘えながら、どうか梨花さんがご無理なさいませんことを祈ります。(※念のためですが、そのあとのお芝居ショーご挨拶はばっちりの梨花さんでした)


 月城さんと海乃さんをはじめ、全員の熱量が伝わってくるお芝居は、こんな状況でもやはり、最高と言う他ない素晴らしいものでした。最下級生に至るまで、皆様が元気に舞台に立ってくださっている事実に、言葉にならないほど、心の底から安堵の気持ちでいっぱいになりました。




 次にショーなのですが。東京を舞台にした今回の月組ショーを東京で観劇するのはもちろん初めてのことで、より味わい深さを感じずにはいられませんでした。ちなみに演出変更なしで大劇場で観た世界観そのまま提供してくださいます。わたしはそれでいいと思いました。


 プロローグ、点灯夫、鹿鳴館、モダガモダボ、地獄変闇市、中詰、Z-BOYS、渋谷、フィナーレ、どの場面の世界観も本当に天才的に魅力いっぱいだと改めて感じるに至りました。


 休演されている静音さんの舞踏会場面および娘役群舞の代役は乃々れいあさん(109期)、七城さんの代役は闇市が一輝さん(107期)、Z-BOYS場面は天つ風さん(107期)でした。(間違っていたらすみません)


 舞台上に組子が多い作品のため、綺乃さんの代役や七城さんの業の場面の代役など確認できなかったところも多々あったのですが、皆様しっかり舞台を作りあげてくださっていて、頼もしいことこの上なかったです。休演者の皆様が元気に戻ってきてくださることはもちろん、代役の皆様のご活躍、心より応援しています。


 客席降りは壁際に至るまで全通路が使用されていて壮観です。東宝通路狭いのに頑張ってくださっていて、なんかもう、なんかもう、なんかもう、笑っていてくださるのが本当に、本当に、この全員の笑顔を守りたいなあの気持ちになりました。


 笑顔といえば、中詰、蓮さんときよらさんがお互い顔を向けて笑顔いっぱいの姿に涙が止まらなかったです。こんな笑顔を見れて、本当に幸せだとしか言えないですし、幸せでいてくださいと願うしかありませんでした。


 デュエダン前、鳳月さんの慈しみいっぱいのトップコンビに向ける笑顔、月城さんと海乃さんの互いを見つけ、ようやっと出会えて抱きしめられるあの笑顔。なんかもう、この世のすべての幸せを集めたみたいな笑顔から視界が滲みまくりでした。


 東京を舞台にしたショーが東京で幕開けられて良かったな、と。心の底からそんなことを噛み締めました。人生でこのショーに巡り会えた幸運を、忘れないよう一生の宝物にしたいと心から思います。


 
 そして最後。毎公演恒例ではありますが、今回は特に月城さんのご挨拶に癒されました。というより、なんでこの方はこんなに全員を幸せにしてくださるんだろうな、というご挨拶で。以下、すべてニュアンスなのですが。


 1回目のご挨拶は、「この3時間、皆様に幸せに過ごして頂けるよう心を込めて舞台をつとめさせていただきます」にはじまり、4回目のカテコにて、「先ほど3時間お客様に幸せに過ごしてほしいと言いましたが、公演しているわたしたちも幸せを感じていて、千秋楽までお客様と月組で幸せと幸せの交流をしましょう。何が言いたいかっていうとありがとうございます!」みたいな、なんかこう、客席と月組生全員をあたたかく泣き笑いさせてくださることを言ってくださって、なんかもうすばらしくあったかい気持ちにさせてくださって、下級生たちのほっとしたような笑顔なんかも拝見できて、なんかもう本当にあたたかかったです。万雷の拍手でしか気持ちを伝えることができませんが、あの拍手と舞台上の皆様の笑顔こそ、幸せと幸せの交流かなあと実感しては、力が抜けるように泣き笑いしてしまいました。ありがとうございました。



 本日客席に座らせて頂き、宝塚という世界に魅せられたいちファンとして、タカラジェンヌの皆様が、そしてスタッフの皆様が、どこまでも健やかにそして平穏に、これからも大好きな舞台に向き合え幸せを噛み締めてくださることこそがわたしの幸せだと改めて感じまさせていただきました。


 幸せをくださる皆様ひとりひとりが誰にも自由を害されず、誰よりも幸せであり続けてくださいますよう、そしてそれを劇団が支えサポートしてくださいますことを心より祈っています。



 月組の皆様、改めて初日の幕開けおめでとうございました。そして、初日から胸いっぱいの時間をありがとうございました。

 大千秋楽まで長い道のりではございますが、新人公演含め皆様の安全と健康が確保された上でその日に辿り着けますことを、退団者の皆様が卒業のその日、悔いなく無事に大階段を降りてこられますことを心の底より願っています。


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