本日、無事に雪組公演 『心中・恋の大和路』 梅芸DC初日の幕が上がりました。
有難いことに、初日チケットをゲットしておりまして、後ろの方の端っこの席で観劇させていただきました。
個人的に、大和路は大好きな作品で、今、観劇後の余韻で胸がいっぱいなわけなのですが、
和希そらさん、本っっっ当に、素晴らしいですね。
宙組はほぼ和物が回ってこない組だったことや、和希さんのヒップホップ系のダンスからして、和物というよりは現代ちっくな日本作品が似合うのかなあ、と昔は思っていたのですが、『夢千鳥』を拝見してからは「和希そらさんのがっつり和物が見たい……」 と、 のたうち回る日々を過ごしておりました。
そんな日々を過ごしているうちに、和希さんは雪組へと組替えになり、雪組が大切に扱ってきた日本物の大作、『心中・恋の大和路』の主演を射止めたというわけなのですが。
この素晴らしき運命の巡り合いに一役買ってくださった方全員に金一封を贈りたいですね……。素敵な巡り合わせをありがとうございます……。
大和路の主人公・亀屋忠兵衛は、ヒロインに恋をしてから道を踏み外していく、だらしなくてどうしようもない男であり、だけれど垣間見える弱さとともに憎めない男、という非常に難しい役どころです。
前回の壮さんの忠兵衛は、坂を転がるように転落していく中にも若旦那ながらの品を維持するという、素晴らしいバランス感覚を持っての熱演で、本当に素晴らしくて、忠兵衛のハードルは個人的に大変上がっていたわけなのですが。
そんな中でも、 「おお」 と感心してしまうほど、 和希さんの忠兵衛は素晴らしかったです。
和希そらさんは、地声も格好良ければ芝居の声も格好良くて、なにより役に合わせて声に艶だし出来ちゃうすごい男役だと思っているのですが、 本作では艶のある男役の声に耳が溶けだしそうになりました。
ぐんぐんと色っぽい男役に成長されていて、狂う忠兵衛にわたしも狂わせられました……。心中の1幕最後のシーンが大好きなのですが、和希そらさんの迫力が凄すぎて大好きなシーンが鳥肌ものに仕上がっていました。本当にありがとうございます。
和希さんは歌に感情をのせるのも上手いし、歌がそもそも上手いし、 和物なのにちょっとロックテイストな曲調に和希さんの声がさらにハマるという好循環。
もう一回、もう一回今のところをリピートしたい……っ! という衝動にかられながらも無情な物語は着実に進み続け、劇場の外は真夏なのにも関わらず、舞台上にてかじかむ寒さと命の儚さを我々に実感させながら幕を閉じたわけなのですが。
いやもう、まずは主演の和希そらさん最高すぎました。客席の端っこで、涙が止まらなかったです。
なんか、心が震えすぎて、「和希そらさんがトップスターになる夢を諦めきれない……」みたいな飛躍した思考になるくらい、大満足の忠兵衛を演じてくださいました。
専科生や上級生などを駆使し、穴のない配役で固めてきた本作、本当に素晴らしくて……やっぱり汝鳥伶さんの芝居はもう涙なしでは語れないですし、凪七さんの八右衛門も良くて良くて良くて……! 雪組の皆さんも適材適所に輝いていらして……!
そして、ヒロインである梅川を演じた夢白さんは、 説得力ある美貌がまず映えました。
顔立ちからして洋物派だろう夢白さんが、この日本物の大作を本当に頑張っていて、 しかも和希さんに引けを取らない色っぽさで、健気な梅川にぴったりでした。またお芝居上手くなっていて、良い意味で「こんなに悲劇が似合うなんて……」の気持ちでいっぱいです。
『心中・恋の大和路』 を客席で観劇するときはいつも、「素晴らしいものを見た……」の気持ちになるのですが、今回もまさしく、 「素晴らしいものを見た......」の一言に尽きます。
名作なだけあって、大きなテコ入れもなければ、大きな演出の変化もなかったわけなのですが。 その名作を、素晴らしき作品として再演してくださった雪組の皆さま、そして専科の皆さま。本当に本当に素晴らしかったです。
悲しいことにチケットはもう手元にないので、DC千秋楽の配信を拝見したいと思います。(※ちなみに、配信は7月28日(木)15:30からです)
大阪が最多2万人以上の感染、というバッドニュースを聞いて、素敵な公演がまたひとつ中止になるかもしれないという不安が膨らんでしまうのですが、本公演が、 日本青年館ホールの千秋楽まで無事に完走できることを心より祈っています。
(完走を祈っているのですが、念のために映像収録は早めにお願いしたいです)
改めまして、物語に引き込まれては立ち止まれなくなるような、こんなにも素敵な舞台をありがとうございました。 感動で胸いっぱいです。 本当にありがとうございました。
この素晴らしき舞台が千秋楽まで駆け抜けられますように!