ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

雪組千秋楽。文字では分からない温度と非難される生徒さんたちについて


 本日、花組神戸国際会館こくさいホール公演『BE SHINING!!』および、雪組宝塚大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』『FROZEN HOLIDAY』が千秋楽を迎えました。


 花組コンサートチームの皆様、雪組の皆様、千秋楽おめでとうございます。そして何より、お疲れ様でした。


 まずは花組コンサートについてですが、柚香さんの退団を色濃く感じた、サヨナラショーに詰め込めないだろう思い出をぎゅうぎゅうに詰め込んだ本当に素敵なコンサートでした。


 大変な状況下の中、いろいろ思うこともあったと思いますが、今日この日を無事に迎えられたこと、本当に安堵しています。千秋楽、本当におめでとうございました。





 そして雪組千秋楽についてですが、ライブ配信にて拝見しました。


 まず、和希そらさん、沙羅アンナさん、琴羽りりさん、宝塚大劇場ご卒業、本当におめでとうございます。


 全日程休演する生徒さんがいること、たくさんの日数が中止になってしまったこと。その事実が胸痛いことは前提として、素敵なお芝居とショーは、とにかく雪組雪組生、そしてなにより和希さんへの愛にあふれていて、グッとくる箇所が本当にたくさんありました。


 また、この状況下の中、おひとりおひとりがどれほどのプレッシャーと重圧を感じながら舞台に立ってくださっているのか。それを想像するだけで喉に透明な何かが詰まるような気持ちになりました。


 一度生で拝見できただけでも奇跡だと思っているのですが、東京では少しでも宝塚が良い方向に進み、雪組の皆様が無理せず舞台に立ち続けられますことを心より祈っています。



 そして退団者の御三方が大階段を降り、それぞれご挨拶がありました。


 和希さんはお花もご挨拶もとてもシンプルだったのですが、 深紅のバラを、かつて朝夏さんもご卒業時に選ばれていたことを思い出しては、なんだか本当に、とても感慨深い気持ちになりました。

 朝夏さんの元で桜木さんと元気に下級生していた和希さんが、こんなに格好いい男役としてご卒業されること、さみしさがないと言えば嘘になりますが、「最後の日まで男役の美学を磨き続け、 前へ進んでいきたい」とおっしゃる和希さんの男役の美学を、最後まで拝見できますよう願っています。


 カテコでは和希さんらしく、「皆の幸せを願っておるぞ」とおっしゃってくださったので、幸せでいなくちゃなあと思いましたし、 雪組の皆様こそ幸せであってほしいな、としみじみ感じました。



 また、彩風さんのご挨拶について。


 『劇場にいらして下さるお客様に、宝塚を愛してくださるお客様に、なにか素敵な言葉で気持ちをお伝えしたいと、何度も何度も悩んだのですが、不器用で気持ちばかりが先走ってしまいます。

 苦しめてしまって悲しませてしまって、それでもやっぱり大切なあなたがいるから今こうして舞台に立つことができます。

 皆様への感謝、一人一人への感謝の気持ちを少しでもこの舞台からお返しできるよう。世界には、それでも物語が必要だと信じて、また東京公演に向けて元気に走ってまいりたいと思います。

 沢山の愛を、お気持ちをありがとうございました。』


 ひとつひとつ言葉を選んで、彩風さんが告げてくださったのが痛いほど分かりました。ニュース記事の文字だけでは分からない伝わらないだろう温度が、彩風さんの言葉にはありました。


 お芝居のラスト、「生きていくのは時にとても困難だ。けれどだからこそ、世界にはそれでも物語が必要だ」というセリフがあり、それを用いたご挨拶でした。


 私はこのセリフがとても深く突き刺さっていて、改めて宝塚歌劇団の存在意義を感じずにはいられないのですが、世間の目はこれ以上なく厳してくても、きちんと変わるべきところを変えながら、宝塚の世界がこれから先も続いていってほしいと心底感じます。


 というのも、今回の彩風さんの挨拶がどれだけ言葉を選んでいるのか。無理をして舞台に立ってくださったのか。そういうことは、ファンしか汲み取ることができません。挨拶文だけネット記事に取り上げられて、コメント欄には人格を否定するようなことを平気で記す人たちもいらっしゃいます。このままでは、現役生の皆様の心が潰れてしまうと思います。


 もちろん、かけがえのない命が失われた件に関して、まだ何も解決していません。角会長への謝罪要求含め、劇団どころか親会社に言及するほど組織的な問題として発展している今回の件が、国際的な問題にまで発展するかどうかは、この先に待つ劇団の対応ひとつだと思います。


 私には真相はわかりません。ただ、ご遺族の意向に添った調査すらしようとしない宝塚のこの現状に、たくさん悩んでたくさん傷ついて、それでもギリギリの精神状況で生徒さんたちが舞台に立ってくださっていること、今日も痛いほど伝わってきました。


 ご遺族に誠心誠意向き合ってほしい。宝塚の変わるべき部分が変わってほしい。自分たちも変えるべきところがあるなら変わっていきたい。今回のことを省みて、そんなふうにひたすらに願っている生徒さんたちが石を投げられ続けるような、そんな間違った対応はもう取り続けないでください。


 例えば、生徒さんたちがどれだけ今回の件について考えても、反省しても、変わりたいと願っても、粗末な会見で見せたように、劇団の対応がこれから先も最悪なままなら、存在意義を否定されるのは「こんなときに舞台に立ちやがって」と罵られる生徒さんたちなんです。


 劇団は、一旦公演を中止して後ろ倒す等の見直しをしなかったのです。それならば、これ以上矢面に立つ生徒さんたちが現状の宝塚の在り方によって傷つけられないよう、きちんとした対応をすること。それこそが、生徒さんたちおよびスタッフの皆様を本当の意味で守ることになるはずです。



 12月後半に予定されている面談。正直言って、とても怖いです。ですが、生徒さんたちが人生を捧げている宝塚という世界がこれから先、正しい未来を歩んでいけますことを、その邪魔を上層部の方々がされませんことをひたすらに祈っています。


 そして、ご本人のお心が一番ですが、雪組の舞台に一禾さんが戻りたいと、心から思えるそんな日が2024年にやって来ますことを心の底より願っています。


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