花組 東京宝塚劇場公演『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』 『GRAND MIRAGE!』が出演者の心身の状況を考慮した結果、公演の安全な実施が困難と判断し、急遽、本日 10月3日 (火) の公演を中止されました。
そして先ほど、引き続き10月5日(木)までの公演を中止するとの発表がありました。
なお、10月6日(金)以降の公演実施につきましては、10月5日(木)午前中まで案内があるとのことです。
花組さんは東京大千秋楽の日程が近づいていますが、期限を設けて、「この日までに元気になって!」とは、わたしはとても言えません。
反対に、「生徒のメンタルを考えて千秋楽も全部中止しろ」なんて、そんな乱暴な意見も言えません。
花組さんひとりひとりの心の状況や意思はわかりませんし、ひとりひとりの状況や意思は異なるものであるからです。
しかしながらこの世で一番辛いことが起きてしまったのです。公演中止も誰かの休演も責められることではありません。生徒さんたちの心を第一に、どうか慎重に検討されますことを心より祈っています。
そして、訃報の発表から数日が経ちました。
同じ場所に所属する方が亡くなられた事実だけでも心が壊れそうなのに、日が経つにつれ、ネットでは今回の件だけではなく宝塚全体のことについて勝手に推測・憶測され、心無いことを記している方々が大勢いらっしゃいます。
そういういろいろな声含め、部外者であるわたしですらファンとしてしんどい気持ちを覚えてしまうのに、実際に関わり合いのある生徒の皆様・スタッフの皆様のお心の傷は計り知れないものがあります。
早く元気にならなくちゃ、なんて。無理してそんなことを思わないでほしいです。
悲しみを乗り越える方法も時間も、人それぞれ違って当たり前です。それに、喪失感というのは、過去を振り返るときだけ襲ってくるものではなく、 今何か新しいことをするときにふと、あのひとはもういないんだと実感してはそのたびに襲ってくるものでもあります。
時間と共に傷が癒えていく方も、時間と共に新しい傷がつく方もいらっしゃると思います。 人それぞれ、かかる時間は違うのです。それと向き合う時間の長さも深さも、違っていいことをまずは専門の方のカウンセリングの力を借りて受け入れてほしいなと思います。
今回は公演の中止理由について、いつもの「複数の出演者の体調不良が判明」 という記載ではなく、「出演者の心身の状況を考慮した結果」と記載されていました。 劇団が生徒さんひとりひとりに真摯に向き合ってくれている表れなのだと信じたいと思います。
最後に。ファンの皆様も、悲しいことがあったのに自分が楽しい気持ちになるなんて、などと間違った認識で自分をおさえこまないであげてください。
わたしも訃報を聞いてから動悸が止まらず眠ることも難しかったですが、月曜日からはきちんと仕事をして美味しいものを食べてしっかり眠るようにしています。悲しみが止まらない人は少しだけ宝塚から離れてみてください。あなたが元気に生きていけることが何より大事です。応援している方のことが自分より心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは何より自分自身を大切にしてくださいますよう心より願っています。
亡くなられた方へのご冥福をお祈りいたします。そしてこれから先、ご遺族の方々の意向が何より尊重されますことを、宝塚に携わる皆様および今回の件で心を痛めたすべての方々の心身の健康を祈っています。