ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

宙組の中止と下級生の意見とファンとして思うことについて


 まずは、花組全国ツアー公演『激情』『GRAND MIRAGE!』 初日、おめでとうございます。


 開演時刻か30分遅れる発表を受け、とても心配していたのですが、無事に幕開きましたこと安堵いたしました。大変な状況下ではありますが、千秋楽まで安全に公演が実施できますことを心より祈っています。


 そんな本日は宝塚公式より以下のお知らせがありました。


 11月10日(金)の初日から11月23日 (木・祝)までの公演中止が発表されている雪組宝塚大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』 『FROZEN HOLIDAY』については、公演を安全に実施するにあたり必要な期間を確保するため、引き続き、11月30日 (木)までの公演を中止することが発表されました。


 12月1日(金) 13時公演より公演を実施すると記載されているので、実施の目処が立ったのだと思います。


 雪組は12月13日が大劇場千秋楽なので、 大劇場では12日間の公演になります。 一禾さんの東西全日程休演もあり、 雪組生の皆様も複雑な心境だとは思いますが、 皆様がご無理されない範囲で、12月1日より無事に幕開きますことを祈っています。




 そして、雪組公演のお知らせのあと、時間を遅らせて宙組公演の発表がありました。



 宙組東京宝塚劇場公演 『PAGAD (パガド)』『Sky Fantasy!』 は、 11月25日 (土) 初日より12月14日 (木)までの公演を中止。

 12月7日に予定されていた新人公演も中止。

 12月15日 (金) 以降の公演実施については、12月8日 (金) 中に案内があるとの発表でした。



 そもそも、ご遺族の皆様とパワハラ問題で意見が食い違っていること、特定の宙組上級生への謝罪を求めていることなどを含め、ここの話し合いが終っていないのだから、稽古どころではないと思います。


 もしもこの中途半端な状態のまま公演を実施すれば、ご遺族の皆様はさらにやりきれない思いを抱えることになります。それのどこが誠実な対応なのでしょうか。また、世間からのバッシングだって、今の比ではないでしょう。この状態で舞台に立つことは、サンドバッグになることと同義です。私はとてもじゃないけれど、そんな状況を見たくはありません。


 また、最悪に拍車をかけるのですが、劇団が 「外部として調査を依頼した」大阪市の弁護士事務所に、「阪急電鉄の関連企業の役員が所属していること」が判明したとのニュースがトップ記事になっていました。


 木場健之理事長は調査チームについて 「歌劇団、(運営元の) 阪急電鉄とはこれまで接点のなかった弁護士事務所だ」 と説明していましたが、根本から大嘘をついている時点で、 少なくとも報告書の正当性は疑われます。


 劇団は独立性が確保されているとの見解を示しましたが、もともと4人ヒアリング拒否したことも含め問題視されましたが、ますます火に油です。 やっぱり劇団は都合よく報告書を作成したのだと思われてもおかしくないような要因を自ら招くなんて、 報告書の発表があるまで静観していたのが本当に馬鹿らしくなりました。


 また、週刊誌が宙組での退団希望者が続出と記事にしたことを受けて、 会見では、「退団希望者は出ていない」と否定されていましたが、この状況でそんなことある? っていうのが正直感じるところです。


 少なくとも、 報告書を熟読すれば熟読するほど、「あまりに劇団に都合がよすぎて下級生たちの意見はないがしろにされている」 印象を受けていました。ご遺族の皆様も再調査の要請をされると思いますが、再調査は避けられない状況になったと思います。


 これでまた宙組の公演実施は遠ざかるのだと、なぜ劇団は気づけないのでしょうか。


 私は事実を知らない部外者ではありますが、上層部の声、それに次いで上級生の声が尊重されやすいのだろう宝塚において、今回の調査では「もっと下級生たちの意見に耳を傾けるべき」だと思います。


 そこではじめて、今の状況は変わっていくのではありませんか?


 劇団が都合のよい話をすればするほど、特定の生徒さんたちの首は締まります。また、客観的な事実として現在、「宝塚」 および 「宙組」 というワードは「白い目で見られるもの」になりました。あんまりに残念で粗末な会見の結果です。


 劇団が間違った対応をすればするほど、宙組に在籍している生徒さんが舞台に立つ時間を奪っていくことにつながるのだと、精神を崩しやすい状態に追い込まれていくのだと、一刻も早く理解した方がいいと思います。


 再三言いますが、ご遺族の皆様が求めているのは、特定の生徒さんたちの公の場での謝罪でも、宝塚や宙組という組織が解体されることでもありません。


 ただ、大切な命が失われてしまった要因に広義の意味でのパワハラも含まれているのではないですか? だとしたら謝罪があってもいいのではないですか? そして同じことを繰り返さないと口にするなら、 今ここで改善と改革をするべきではないのですか?


 以上のことを訴えてくださるご遺族の皆様の意見は、少なくとも再発防止を掲げる劇団にとって、受け容れるべき至極当たり前の意見だと思います。深い悲しみの中にいてもなお話し合いの姿勢を見せてくださるその広いお心に一刻も早く歩み寄るべきなのです。


 こちら側のパワハラ認識が甘かったのかもしれない。それをこれから組織全体として考えなければならない。そのためにも遺族の方と話し合いできる場を設けさせていただきたい、など。

 パワハラの有無の立証は難しいからこそ、そういう、遺族の方にも寄り添った、話し合いの姿勢を見せるような意見をこちらからも出すべきだと思います。



 まあ、こんな悲しいことが起きてしまったら普通、あんな粗末な会見はできないはずなのですが、あんな粗末な会見をしてしまうほど、結局のところ生徒さんたちのことより保身に走りたいのだと、本当に本当に残念に思っています。


 
 私は宝塚のいちファンなので、生徒さんたちを苦しめたいわけでも、ましてや舞台を取り上げたいわけでもありません。ですが、実際に娘さんを亡くされたご遺族が、しかも雪組にも娘さんが在籍しているという状況下の中でここまで口にするのです。私も同じことが起きてほしくないいちファンとして、見直すものは見直すべきだと思いますし、話し合うべきだと思います。



 何度も言いますが、これ以上ない、この世で一番悲しいことが起きたのです。この世で一番悲しいことが起きてしまっても改善しないとなれば、もう本当にあとは自滅の一途を辿ることになるのではないでしょうか。



 ここ数年宝塚受験を追ってくださるテレビ番組があって、たくさんのことを我慢しながらレッスンを受けていた子たちが、宝塚に合格していく姿を見ました。そのうちの幾人かは宙組に配属されています。最下級生の生徒さんもいらっしゃいます。彼女たちは今、何を思いどんなことを感じ取っているのか、考えるだけで胸の奥が張り裂けるような気持ちになります。



 もう一度言います。私は宝塚のいちファンです。生徒さんたちを苦しめたいわけではありません。そしてそれと同じくらい、ご遺族の皆様をこれ以上苦しめたくはありません。


 宙組の公演中止を、悲しむではなく安堵する自分がいたのは、今この状況で舞台に立ったところで、ご遺族の皆様は苦しみ、そして世間の声によって舞台に立つ宙組生が苦しむことになるからです。ますます石を投げられることになるからです。



 最後に。私は部外者であり、誰に害されたわけでもないので、誰を害したいわけでもありません。ですが、宝塚の舞台がこれからも続いていってほしいからこそ、変わってほしいです。変わってほしいと願っているご遺族の皆様と話し合うことは、宝塚の改革の一歩になるはずです。本当は、宙組の中止に安堵なんてしたくはないんです。連日こんなことばかり書きたくはないんです。
 どうか、お願いです。彼女の尊い命は戻ってはきませんが、同じことが起こらないためにも、振り絞ったご遺族の意見を蔑ろにしないであげてください。間違っていたことを間違っていたと認めても、石を投げたりしないので。だから、お願いですからどうか。真摯な対応を心の底より願っています。


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