ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

別問題なわけがない。団員からの意見書について思うこと


『25歳団員急死で労基署立ち入りの宝塚歌劇団「今後も真摯に対応」 公演予定は「現状変更ない」』
https://news.yahoo.co.jp/articles/8391d8e5f1c5621190bf39872dec04fe80fa4d3f


 まずは、宙組の生徒さんが亡くなられた問題で、西宮労働基準監督署労働基準法に基づき、22日、歌劇団に立ち入り調査されたようです。今朝の新聞にも掲載されていました。


 調査から一夜明けた本日、あらためて「今後も引き続き、(労基署側からの)指導、指示があれば真摯(しんし)に対応していく」と劇団側の関係者は語られたようです。


 労基がどこまで踏みこむのかは分かりませんが、指導、指示があれば真摯に対応していくのはいいことだと思います。


 ですが、労基よりも前に、真摯な対応をすべきはご遺族の皆様だったことが一向に伝わってなさそうなところが本当に……。ご遺族側は11月中にも劇団側と面談交渉をするということですが、ご遺族側がまた誠意のない態度で傷つけられないか、本当に本当に本当に心配です。




 そして本日、『宝塚歌劇 劇団員らが「意見書」を歌劇団に提出 労働環境の是正を求める 14日の会見では公表されず』というニュースが発表されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/03bfa083b14704c20996452eacb23d2f5ff80fa2?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20231123&ctg=dom&bt=tw_up



 『宝塚歌劇団宙組の劇団員らが、劇団に労働環境の是正を求める意見書を提出していたことが分かりました。』


 『関係者によると、女性が死亡したことを受けて、宙組では劇団員らが主体となって、半数以上の劇団員にヒアリングを行い、労働環境の是正を求める意見書を劇団に提出していたことがわかりました。』


 『劇団は、関西テレビの取材に対し「前向きに改善できるよう話し合いを続けている」と話しています。』


 『また、11月14日の会見で意見書について公表しなかったのは、「外部の調査委員会に意見書は渡されていない。この会見は女性の死亡に関するものであり、意見書とは別問題だ」と回答しています。』



 先日、週刊誌で報道された内容のことでしょう。回答を見るに、劇団側も意見書の存在を認めているので事実のようです。


 本件はざっくり言えば「宙組の団員の方々が意見書が提出されていたと」いう内容ですが、劇団からの回答にはいつも絶望させられます。


 私はこの意見書について中身を知りません。ですが、「女性が亡くなったことと意見書については別問題だ」なんて。


 そんなの、別問題なわけがないでしょう?


 尊い彼女の命が失われて、その中でも自分たちに出来ることを考えてくださった団員の皆様の切実な声の集まりでしょう?


 彼女たちがどんな気持ちで労働環境是正に向けて動いてくださったのか。それにはどれほどの勇気が必要だったのか。
 なのに意見書は公表されず、まだ別問題などと宣われる。彼女たちの行動が踏みつけられていること、考えるだけで胸が張り裂けそうな気持ちでいっぱいになります。


 宙組の特定の団員たちは取り返しのつかないことが起きたからこそ、今の労働環境の問題を声にして発表しようと思ったのではないですか? 宝塚が好きだから変わってほしくて、変わるべきところは何なのか問題なのは何なのかを自分たちなりに真剣に考えて、それで意見書を提出したのではないですか?


 再発防止を本気で考えるなら、この意見書はご遺族の意見と同じくらい受けとめるべきものではありませんか?



 12月15日(金)以降の宙組公演実施について、12月8日(金)中に案内があるとのことですが、意見書を提出した宙組生たちの気持ちを考えると、ご遺族に真摯な対応をして労働環境の是正に本気で動かない限り、心から舞台に立つことなど彼女たちが望むとは到底思えません。



 劇団は取材に対して、「前向きに改善できるよう(宙組団員たちと)話し合いを続けている」と回答していますが、今回是正に動いた団員たちを脅していないか、脅して稽古をスタートさせないか、あの会見を見た後だと本気で心配になります。


 宝塚が好きだからこそ、悪いところは悪いと認めて改善していきたい。そんな当たり前の気持ちを都合が悪いからと切り捨て続ければ、本当に宝塚歌劇団という世界は終わってしまいます。



 初動は最悪で、報告書は結果ありきで、会見はご遺族のことを考えていない保身に走るだけの最低の会見で。どれだけジェンヌさんたちが頑張っても、上層部の方々がそれを台無しにしてしまうなんて、そんなことがあっていいのですか?


 なんで宝塚歌劇団が好きで、これからもこの世界を守っていきたいと思っている人たちを踏みにじれるのか、上層部の皆様は本当に宝塚および生徒さんたちの心に歩み寄る気持ちが欠如しているのだと思わざるをえません。


 先日も記しましたが、このままではストライキが起きてもおかしくはありません。それで一体誰が報われるのでしょうか。


 変わりたい。そう思っている方々の気持ちを、上からの圧で踏み潰さないでください。そして、ご遺族の皆様に誠心誠意尽くしてあげてください。何度も何度も繰り返しお願いします。


 世界一悲しいことが起きてしまって、悲しみのどん底にいるご遺族の皆様の訴えは、「亡くなられた彼女のためにも、そしてこれからの宝塚のためにも聞くべき意見」だと私は思います。そして、勇気を振り絞った生徒さんたちの意見書も、同じだけの価値があると私は思います。


 どうか、どうか、どうか。これ以上ご遺族の皆様を、変わりたいと思っている団員の皆様を蔑ろにされないでください。そしてそれが改善への第一歩であると、むしろ劇団にとって最後のチャンであると、そろそろ自覚してくださいますことを心の底より願っています。


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