ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

指摘すれば排除される闇深さについて


 本日、とある記事を見かけました。


 『宝塚歌劇団 「いじめ疑惑」を否定する幹部たちの深層・・・初心を忘れ、いつしか「お金儲けのビジネスの対象」に変わった』(https://news.yahoo.co.jp/articles/8153f5b256c27aa2e4750a2a497b8387602dcb3a



 この記事では、長年宝塚ファンであり実際に取材などで宝塚に関わったことのある著者が、宝塚歌劇団幹部に焦点をあてた記事になっていました。


 以下、いくつか引用させていただきます。



 まずは各組のプロデューサーについて。


 『私がよく知る阪急電鉄から来たプロデューサーは、担当する組のみならず、 歌劇団全体の生徒の名前も学年も覚えていて、常に生徒ファーストで生徒の面倒をみていた。
 しかし、プロデューサーがみな、この方の様に熱心な訳ではない。
 せっかく電鉄会社に就職したのに、なぜ歌劇の仕事をしなければならないのかという態度の人もいると聞く。』


 プロデューサーもひとりの人間です。宝塚ファンの中でも宝塚に対する愛情に差があるように、プロデューサーの中にも愛情の差が出てくるのは致し方ないことだと思います。

 しかしながら、「なぜ歌劇の仕事をしなければならないのかという態度の人もいる」 は話が別です。同じ社会人として、仕事なんだから責任持を持つべきですし、興味がなくても興味を持つべきです。


 なぜ歌劇の仕事をしなければならないのかという態度のまま過ごしているなら、そりゃ宝塚のために改革なんてしてくださらないでしょうし、とりあえず保身に走りますよねという感じで、あの会見になってしまったのも腑に落ちてしまいます。


 さらに、記事は続きます。


 『私が記者の現場にいた頃は、毎年、年の初めにテレビや新聞などで宝塚歌劇を取材するメディアの人達と生徒達との懇親会が宝塚ホテルで開かれていた。
 その懇親会が、ある時から様変わりした。
 生徒達とメディアの人達だけのこぢんまりとした懇親会から、冠公演のスポンサーなど歌劇団のビジネスに関連する大企業などの人達が大勢出席する大規模なパーティーに変わった。』


 『そのパーティーに、 当時、 阪急電鉄代表取締役社長だった角和夫氏が来ていたのでご挨拶したことがあった。
 角氏も夫婦で宝塚ファンだと聞いていたので初対面にも関わらず、 歌劇団についてその当時、筆者が感じていたことを率直に、 概ね次の様な主旨で話した。』


 この主旨による指摘が私としても劇団に望むことだったので取り上げさせていただくのですが、


 ①『「生徒さんと話をしていると、 最近とても疲れている様に感じます。 新しく宙組が出来て、 以前よりも公演も増えて、休む時間が減っていると聞いています。 少し余裕を持ったスケジュールにした方が良いのではないでしょうか」』



 ②『「各組のプロデューサーの在り方も問題が多いのではないかと感じています。
 鉄道会社から出向して来て、宝塚歌劇についてよく知らず、 歌劇団に対して愛情も無い人が歌劇団の幹部をしている構図は、 プロ野球チームの親会社から出向して野球を全く知らない人たちが球団経営しているのと同じで問題なので、考え直した方が良いの
ではないでしょうか」』



 以上の趣旨をお話しされたことがあるそうです。いやもう、まさにこの ① ② の指摘について頷いてしまいます。


 今回の報告書で、「年間興行数を9から8に。本公演の回数も週10回から9回に減らす。 公演と公演の間を空けて一定期間の休日を確保する」と発表されていたので、 ① についてはゆるやかであっても改善がされていくと思います。


 なので、問題は②に関してだと思うのですが、亡くなられたのは所属団員であるにもかかわらず、あのような会見を実行できてしまった幹部の皆様からは、少なくとも「団員への愛情」は感じられませんでした。


 最下級生にいたるまでひとりひとり大切にできない方が上にいらっしゃると、「宝塚歌劇団をよくしていくこと」よりも「お金儲けを優先すること」ばかりが先行され、職場環境は悪化していく一方だろうことは、想像にたやすいです。


 また、①②の指摘後、この方は懇親会やパーティーには呼ばれなくなったそうです。良かれと思って宝塚歌劇団のためになることを指摘したのに、です。


 『それまで新宝塚大劇場の開場式典や、 宝塚歌劇団創立80周年、90周年の式典には招待されていたが、100周年 (2014年) の式典に呼ばれることはなかった。それまで仲良くしていた歌劇団の広報部が、 私に冷たくなったと感じたのもその頃だ。』


 もちろんこの方の主観も大いに入っている記事ではありますが、「都合が悪いことを指摘したら排除する劇団の雰囲気」が伝わってくるようでした。

 また、劇団の今までの姿勢を見てきた人間として、これが嘘だと到底思えないところがとても闇深いなと感じてしまいます。

 そして、都合の悪いさまざまなことから目を背けてきた結果、今回の世界で一番悲しいことが起きてしまったのではないかと心が痛みます。



 『宝塚歌劇団は、(小林家が宝塚歌劇団宝塚音楽学校の要職から離れ、 阪急電鉄の社員が歌劇団でも音楽学校でも要職を占める様になってきてから) 「愛情を注ぐ対象」から、「お金儲けのビジネスの対象」 に変化したように思えてならない』 とされていました。


 もちろん、 愛情だけで成り立つ世界ではありませんが、愛情がなければ成り立たない世界だとも思います。


 都合の悪いことを指摘されたら排除、なんて。そんなのはこれからの宝塚歌劇団のためにはなりません。


 どうか二度とこんな悲しいことが起きないためにも、ご遺族の方と誠心誠意向き合ってほしいですし、変わる努力をしてほしいです。ご遺族の意向にそった再調査はもちろんのこと、プロデューサーの皆様は宝塚歌劇団への愛情にあふれた方であってください。


 もう一度言います。こんな悲しいことが起きることを許さないような、生徒さんおよびスタッフの皆様ひとりひとりを大切にできる方が宝塚歌劇団の上に立ってくださきますように。


 以上も都合の悪い指摘なのだとは思いますが、いちファンだからこそ何度でも同じことをしつこく願い続けたいと思います。


 悪いことを認めて世間から更に非難を浴びることになってもついていきますので、どうか、目を背けずに変わっていく姿を見せて頂けますよう祈っています。


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