ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

雪組再開と負の感情の矛先と七海さんの動画について


 まずは、12月8日(金)~12月10日(日)の公演を中止していた雪組 宝塚大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』『FROZEN HOLIDAY』は、公演の準備が整ったことにより、12月12日(火)、12月13日(水)千秋楽 の公演が実施されるとのことです。


 公演が再開されるという事実だけを切り取ってみれば確かに嬉しいのですが、公演を中断および中止しなければならないほどの負荷が雪組生にかかっていたことは詳しい内情を知らずとも察することは出来ます。


 劇団は利益のため幕を開けたいのでしょう。そして生徒さんたちはファンのためそして退団者の皆様のために無理して舞台に立ってくださるのでしょう。なんかもう、頑張れとか気軽に言えません。生徒さんたちにはご自身の身体と心を一番大切にしてほしいです。


 また、このような事態でも劇団が柔軟な対応を取れないせいで、結局無理するのは団員の皆様です。劇団の対応に雪組生全員が納得した形になるまで公演実施はストップしてほしいのが私の本音でしたが、今無理をすることによって雪組生の皆様が取り返しのつかない精神状況になりませんことをただひたすらに祈っています。



 そして、公演中止や再会のニュースがネットニュースとして取り上げられるたび、なかなか辛辣な意見も見かけます。


 宝塚の舞台が大好きな人間として、本当に悲しくなるような意見をたくさん見かけて、生傷が増えていくような感覚になるのですが、いちファンがこれなら、現役生やOGの皆様はどんなお気持ちなのだろうと、考えるだけで苦しい気持ちでいっぱいになります。


 しかしながら、だからと言って、亡くなられた方(およびご遺族側)を非難するのは本当にやめてほしいです。


 というのも、ご遺族側が証拠を提出された後に開かれた7日の会見後、いくつかの、ご遺族側を責めるような声がネット上にてまとめられ、ニュース記事になっていました。


 言論の自由があるとは言え、人がひとり亡くなられているのに、こんなに酷いことを記せる方がいるんだということに引きました。そもそも、負の感情を向ける矛先が違うような気がしました。


 というのも、質疑応答まで含め、会見をきちんと拝見すれば分かるのですが、ご遺族は宝塚が無くなればいいとか公演を中止してほしいなんて思っていなくて、ただご本人を追い詰めた組織と個人に謝罪してほしくて、なんなら劇団側への落とし所まで提示してくれているわけです。


 宝塚を潰せとか宙組解体とか加害者退団しろとか、そういうのは全部煽り報道や劇団の粗末な会見によって起きた世間からの一部の過激な反応です。


 それは亡くなられた方やご遺族の責任ではありませんし、過激な要求なんて、ご遺族側は一度も求めていないことは理解してほしいです。


 また、今回の証拠提出公開について、負の感情を持っている方々がいらっしゃいますが、ご遺族側は公にしたいわけではありませんでした。

 ご遺族側としては提出したはずの証拠が劇団に渡らず、劇団が会見にて「証拠を見せてください」などと公に発言したので、劇団に証拠を提出したことを会見にて報告せざるを得ない状況だったでしょう。


 しかも報告書に恣意的に採用してもらえなかった証拠を報告書の不備を明らかにするために公開してくださったわけで、本当なら亡くなられた方を尊重して公開したくないものを劇団の不誠実な対応のせいで公開せざるを得なくなったことは踏まえて欲しいです。


 ただ、これ以上劇団が不誠実な対応を取り続ければ、大切な娘さんを失ったご遺族側もこんな温情を与え続けてはくれなくなることを劇団は覚悟しておかなければなりませんし、そうなりないことをいちファンとして切に願っています。



 しかしながら、どう頑張っても劇団(および阪急や角CEO)に誠意ある対応が出来るのだろうかという不安が拭えず、ファンとしてどんよりした気持ちを心の底に抱えているわけなのですが、本日はトレンドに上がっていた七海ひろきさんのYouTubeを拝見いたしました。


 今回の件に関して、賛同を目的としたものではなく、自分の気持ちを自分の口で話したいという意思から発せられた動画でした。リスクを分かっていながら自分の言葉できちんと伝えようとしてくださる姿に、この意見が誰かの手によって勝手に捻じ曲げられないことを祈りたい気持ちになりました。


 きちんと七海さんの声で受け取ってほしいので、ここに詳細は記しませんが、タカラジェンヌだったからこそ、外の世界での活動をしているからこそ、各方面に配慮しながら劇団に変革を求める七海さんの姿勢。


 「宝塚が続いていくためにも、これからの生徒さんの未来のためにも、劇団が誠実に向き合って、本気で改革に取り組んでくださることを心から願っています」


 宝塚の良さを盲目に語るのではなく、それとは切り離した部分でOGである七海さんからこの言葉を聞けたこと、どこか安堵する気持ちがありました。



 好きだからこそ、変わっていってほしい。劇団がご遺族に向き合いながら、そんなシンプルな願いを、現実にしてくださるよう心より祈っています。


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