まずは本日、雪組 104期生である千早真央さんが2024年5月6日(雪組 全国ツアー公演千秋楽) 付で退団することが発表されました。
千早さんのダンスが大好きだったので、別箱での退団発表にショックが隠せません……。これからのダンサーさんで、彼女が大階段を降りずに退団してしまうなんて思ってもなかったです。
久しぶりの別箱退団に不意を突かれたように悲しくなってしまったのですが、千早さんが最後まで宝塚の舞台で悔いなく輝けますことを心の底より願っています。
そして昨日の話になりますが、劇団公式から『ご遺族代理人による2024年2月27日の経過報告を踏まえた今後の対応について』 というお知らせが出ていました。
『このたびの宝塚歌劇団宙組生の急逝を受け、ご遺族の皆様には心よりお詫び申し上げます。
かねてよりご報告しておりますとおり、今回の件に関しましては、 当方代理人を通じてご遺族代理人とのお話し合いを重ねてまいりました。
本日、ご遺族代理人から、当該お話し合いに関する直近の状況等について報道機関向けに経過報告が行われました。
弊団といたしましては、当該経過報告について現時点でコメントすることは差し控えますが、ご遺族との合意書の締結に向けて引き続き協議してまいります。
2024年2月27日 宝塚歌劇団』
このタイミングでいつも記していた 「誠意」というワードをなぜ省いたのか。きっと劇団に深い意味などないとは思うのですが、妹さんの言葉を受けてもこの文章しか出せないところに事態が半年も動かない理由が詰まっているような気がしました。
そもそも、昨日ご遺族側弁護士から明かされた劇団の対応は 「まだご遺族のために動くことのできない組織」そのものでした。いちファンとして本当に情けなかったです。
また、今回の会見を受けてご遺族側へ批判を向ける人たちが一定数いることも本当にショックでした。
ご遺族側が会見を開くことすら牙を剥く人がいますが、先に会見を開いたのは劇団側であり、それに対してご遺族側が会見をしたのは至極当たり前のことです。いろいろな報道がなされているからこそ、現時点での経過報告をきちんとしているだけです。
(そもそも劇団も会見をすることはできるんです。それをしないのはただ単に劇団側の選択でしかないと思います)
そして妹さんの言葉をも批判する方々がいらっしゃいますが、もしも劇団が誠心誠意向き合ってくださっていたら、妹さんが悲しみのどん底の中、こんな言葉を発する必要なんてなかったはずです。
こんな苦しい状況で、それでもなお立ち上がらなければいけなかったのはなぜなのか、それを考えるだけで胸が締め付けられますし、軋むように痛みます。
今回の妹さんの言葉は、歪曲された報道でも週刊誌の誇張記事でもなく、大好きなお姉さんと似た環境に身を置きながら、 一番近いところで一緒に生きてきた彼女だからこそ分かる、心からの訴えです。
SNSでは今回の妹さんの言葉を受け、「ご遺族側が印象操作して感情論でたくさんの人を味方につけて無理矢理謝罪させようとしている」なんてひどい意見もありますが、そうじゃないですよね。
確かに、これはご遺族側の意見です。
ですが、ご遺族側が証拠や証言を提示しても、劇団側が 「上級生がしてないって言うんだからパワハラではなかった」という不平等な見解を示すから、ご遺族側はもっと公平なジャッジをしてくださいって振り絞るように訴えているんですよね。これのどこが印象操作なのか、私には分かりません。
当初、ご遺族側は 「阪急阪神HD 側と全く関係のない第三者委員会を立ち上げて事実確認をきちんとしてほしい」と頼んでいました。それなのに、劇団側は頑なにそれを実施してくれませんでした。
その時点で、公平さのかけらもない違和感がいちファンとしてもからだを覆いつくしました。
パワハラがあったのか否か、ジャッジができない部外者だからこそ、きちんとした調査をしてほしいと何度も何度も願いました。自死とパワハラの因果関係に納得しない人がいるのだから、なおさらきちんと調査をすべきでした。
無関係の第三者委員会を立ち上げて、事実確認をきちんとして、それでもパワハラは認められないということになれば、公平なジャッジとして、 宙組上級生の意見に劇団が肩を持つのもわかります。
ですが、結局無関係の第三者委員会を立ち上げることはありませんでした。そして自死した方も、懸命に言葉を伝える妹さんも、同じ団員であるにもかかわらず、劇団の結論はいつだって、会見を聞くに今も、上級生側の証言に偏っています。
私は週刊誌のように個人攻撃をしたいわけではありません。ただ、この件に関して「公平さ」こそが、限りなく真実に近いものを知るためにも必要なことだったと思います。
しかしながら、改めて調査が実施されることはもうないのでしょう。
話し合いで合意に至らなければ、たんに裁判所だけでなく国内外の人権救済機関に具申し立てをして徹底的に対処することをご遺族側の弁護士は口にしています。
会見じゃなくて司法に委ねろという批判をご遺族に向ける人もいますが、昨日の会見を見るに、むしろ裁判を嫌がっているのは劇団の方に思えました。
けれどそれでも3月上旬に5回目の面談機会を設けてくださるのはご遺族側からの温情でしかないと思います。私はこれ以上誰にも苦しんでほしくありません。どうなるかは分かりませんが、次の面談こそ、誰も救われない状況から脱却できる一歩になってほしいと思います。
最後に。「合意締結した場合、合意した謝罪内容は公表しないが、合意していない内容について独自の見解を発表する」と劇団が意見していたことが本当に隠蔽体質を物語っていると思いました。本当に、誠意のかけらもなく。意見のうちのひとつだとしても、合意のためにこんな意見を受けたご遺族側の気持ちを思うと本当にやりきれません。
妹さんの言葉に、いちファンとしての願いも全て込められていました。どうか、戻ることはない彼女のかけがえのない命と、本当の意味で誠意をもって責任を持って、真摯に向き合ってくださいますことを心より願っています。