本日、ご遺族側の弁護士が会見を開かれました。質疑応答まで配信されているものを拝見しました。
この会見は、現時点での交渉経過を正確に伝えることを目的とした会見でした。
何月何日の時点で劇団がどんな見解を示し、どんな弁明をしたのかなど、詳細にお話しされました。
そんな中、多くのニュース記事では「劇団がハラスメント行為の多くを認めたことおよび謝罪の意向があること」をピックアップしていますが、今日の会見を拝見するに、劇団側とご遺族側にはまだ相当程度見解の開きがあります。
劇団側がいくら話し合いをまとめたくても、ご遺族側としてはこのままでは合意締結することは出来ないだろうことを率直に感じました。劇団側の往生際が悪すぎます。
また、今回の会見の中で、在団中の妹さんのコメントがありました。私たちファンが言いたいことすべてがこのコメントに刻まれていました。彼女の痛いほど切実な文章に私は泣くしか出来ませんでした。毎日新聞さんが全文掲載してくださっています。
『宝塚、姉の命を何だと思っている」 死亡劇団員の妹が“訴え”』( https://mainichi.jp/articles/20240227/k00/00m/040/212000c)
以下、コメント部分を引用させていただきます。
『私は遺族として、大切な姉のため、今、宝塚歌劇団に在団している者として想(おも)いを述べます。
いくら指導という言葉に置き換えようとしても、置き換えられない行為。それがパワハラです。
劇団員は宝塚歌劇団が作成した【パワーハラスメントは一切行わない】という誓約書にサインしています。
それにもかかわらず、宝塚歌劇団は、日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です。
その世界に今まで在籍してきた私から見ても、姉が受けたパワハラの内容は、そんなレベルとは比べものにならない悪質で強烈に酷い行為です。
厚生労働省のパワハラの定義を見れば、姉が受けた行為は、パワハラ以外の何ものでもありません。
宝塚は治外法権の場所ではありません。宝塚だから許される事など一つもないのです。
劇団は今に至ってもなお、パワハラをおこなった者の言い分のみを聞き、第三者の証言を無視しているのは納得がいきません。
劇団は、生徒を守ることを大義名分のようにして、パワハラを行った者を擁護していますが、それならば、目撃したパワハラを証言してくれた方々も、姉も同じ生徒ではないのですか。
そもそも【生徒】という言葉で曖昧にしていますが、パワハラを行った者は、れっきとした社会人であり、宝塚歌劇団は一つの企業です。
企業として、公平な立場で事実に向き合うべきです。
スケジュール改革や、各種改善策に取り組んでいるような発表をしていますが、姉の死を軽視し、問題を曖昧化しているとしか思えません。
これ以上姉と私たち遺族を苦しめないでください。
姉は体調を崩している訳でも、入院している訳でもありません。
二度と帰ってきません。
姉の命の重さを何だと思っているのでしょうか。
劇団は、「誠意を持って」「真摯(しんし)に」という言葉を繰り返して、世間にアピールしていますが、実際には、現在も遺族に誠意を持って対応しているとは思えません。
これ以上無駄に時間を引き伸ばさないでください。
大切な姉の命に向き合ってください。』
苦しみの中なんとか立ち上がっているご遺族に、そして大切な団員である彼女に、ここまで言わせないと真摯に向き合えない劇団が本当に情けなくて仕方ありません。
直近の劇団の公式文章および角会長のコメントにより、劇団が2月中に話し合いをまとめたいという意思が見え隠れしていましたが、交渉で合意に至ることを本気で考えているのであれば、劇団は態度を改めなければいけません。
今日の会見を受け、たくさん思うことがありましたが、何より妹さんのコメントに、今回の件で感じていた劇団への違和感などがしっかり記されていました。
現役生としての発言です。どれだけの勇気が必要だったのか、考えるだけで心が痛みます。それでもここまで発言しなければ、劇団はまだ真摯に対応してくれないのです。
彼女の言葉を、いちファンとしてしっかり受け止めたいです。また、この言葉を受け止めた劇団が、本気で彼女の命と公平に向き合ってくださいますことを心の底より願っています。