ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

ご遺族の会見と素直に喜べない再開と疑問。雪組生たちの心理的負荷について思うこと


 まずは雪組の公演中止と公演再開について。


 昼休憩中、雪組宝塚大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』『FROZEN HOLIDAY』 が、 出演者の体調不良により、急遽本日12月7日 (木) 11 時公演中止が決定したと友人から聞きました。


 その時点では公式からのアナウンスはゼロでした。その瞬間、おととい雪組公演が45分間中断されたのは生徒さんの過呼吸が原因だという報道が頭をよぎりました。


 しかしながら、12時時点ではまだ、緊急の中止はインフルエンザ等による体調不良かもしれないと思っていました。ですが、 14時30分頃ですかね、『15時30分公演につきましては予定通り実施いたします。』と公式HPでもお知らせがありました。



 私は、今回の公演再開について、 これっぽっちも素直に喜ぶことができませんでした。


 ここで先に記しておきますが、舞台に立とうと決めた雪組生も、舞台を楽しみにしていたお客さんも、今回の再開において、なにひとつ悪くはないということです。


 雪組生は舞台に立つのが仕事ですし、公演再開が決まった以上、返金されないお客様も観劇する権利があり、双方がソワレ公演を楽しむことに、何の落ち度もございません。そこには負い目を感じないでほしいと思いますし、攻撃する気もさらさらありません。


 ただ、そういう感情とは切り離した客観的な話において、せめて今日の公演はストップさせるべき事案だったと感じています。



 真相は分かりませんが、もし本当に過呼吸が原因で中断があり、なおかつそれが劇団の対応に納得していない等の精神的なものから生じたのなら、このままの状態で舞台を続行させること、何させてるんだという話です。


 劇団は粗末な会見において、その段階でパワハラについては認めませんでしたが、「過密スケジュールによる過重労働で強度の心理的負荷がかかっていたのに対策を取らず、安全配慮義務を果たしていなかった」認識は示していました。


 つまり、「心理的負荷がかかっているなら対策を取るべきであり、そうでないと安全配慮義務を果たしているとは言えない」わけなんですよ。


 今回の公演再開、本当に、「安全配慮義務を十分に果たしている」のか、私は甚だ疑問です。


 過密スケジュールとは違うかもしれませんが、少なくとも、劇団の粗末対応や大切な組子が遺族側として全日程休演すること、大劇場で先陣切って矢面に立ちながら舞台に立っていること。それらすべて、人がひとり簡単に追い詰められてしまうような「大きな心理的負荷」だと私は思います。


 「何かが起きてからでは遅い」と。それを、この数カ月で痛いほど実感しているはずです。それとも劇団は反省していないのでしょうか。


 そりゃ雪組生は、お客さんのために、と舞台に立ってくださるでしょうよ。 せっかく足を運んでくださっているお客様のために、頑張ってギリギリの状態でも舞台に立とうとしてくださるでしょうよ。 退団者の皆様のためにという気持ちもあるかもしれません。そして、それに関しては何も悪いことではありません。


 ですが、それをせめて、マチネが公演できなかった状態の今日だけでも止めてやるのが、「安全配慮義務を果たす上の責任」なのではないですか?


 劇団がご遺族に不誠実な対応を続けている限り、永遠に今回の件は解決しないです。そんな状況で舞台に立つことが、生徒さんたちにどれだけ精神的負担をもたらせるのか、それはそんなに考え込まないと分からないほど難しい話ではないはずなのですが、どうしてそれが分からないのでしょうか。


 取り返しのつかないことになってからでは遅いんです。


 心身の健康が確保されないまま舞台に立つことは、 本当に危ういことだと、いちファンとして嫌になるほど痛感しています。

 上層部の方々が生徒さんやスタッフさんをどのように扱っているのか私にはわかりませんし、雪組生の心身の状況を本当の意味で知ることは出来ませんが、人間は身体が資本です。


 誰かの身を削るような無茶をしながらの公演実施よりも雪組の皆様の心身の健康と安全を確保した上での公演実施を心から願います。そして、心身の健康と安全には、ご遺族の皆様と誠心誠意向き合い、さまざまなことを改善していく劇団の姿勢が必要不可欠だと思います。




 そしてそんな本日、ご遺族の代理人弁護士が7日夕方東京都内で会見を開かれました。


 電車内なのでまだ会見を直接拝見できてはいないのですが、ひとまず『【速報】「パワハラ認めず憤り」死亡した宝塚歌劇団員の遺族コメント 劇団の調査は「上級生擁護する歪曲された内容」』 (https://www.fnn.jp/articles/-/626602?utm_source=headlines.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedLink)を読みました。



『劇団が調査依頼した弁護士による調査報告書の内容は到底納得できません。
 宙組の生徒さんが勇気を出して証言してくださった事、私たち家族が訴えた事が全く反映しておらず、パワハラを行った上級生を擁護する歪曲された内容になっています。』


『娘はもう何を言うことはできません。それを良いことに、自分たちの都合の良いように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください。』



 帰宅してから改めて会見を拝見するつもりですが、速報記事でご遺族側のコメントを拝見するだけでも涙が出ます。


 もう本当に遅いのですが、悲しみのどん底の中、亡くなられた娘さんのために動いてくださったご遺族に今からでも歩み寄れますことを、いちファンとして切実に願っています。


 会見を拝見しましたら、また改めて思ったことを記したいと思いますが、もう本当にこれ以上、ご遺族の皆様が苦しめられることがありませんことを何より願っています。


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