ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

イザボーとこれからの積極的な代役公演について思うこと


 まずは先ほど、望海さん主演「イザボー」のビジュアルおよび追加キャストが発表されました。


 望海さんにとって宝塚歌劇団卒業後、初めてのオリジナルミュージカル作品となる本作は、「最悪の王妃イザボー」を痛快エンターテイメントとして描かれるとのことで、発表されたときから期待大の作品だったのですが、マレフィセントを彷彿とさせるようなお洒落で格好いいビジュアルが本当に好みでした。


 望海さん、めちゃくちゃ素敵ですしビジュアル大歓喜大勝利で大歓喜です。ありがとうございます!!! 


 上演は2024年になりますが、幕開く日が今からとても待ち遠しいですし、オリックス劇場でのチケット、なんとかかんとか頑張ってゲットしたいと思います!



 ということで、退団されてからも唯一無二の存在感でミュージカル界でご活躍される望海さん。そう。宝塚は唯一無二のスター様たちを数多く輩出しています。



 そんな唯一無二が輝きを放つ宝塚においての代役公演について、本日は記させて頂きたいのですが。



 阪急阪神ホールディングス株式会社の第185回 定時株主総会にて、 角 CEOが「今後は代役公演積極的に」 と発言されてからはや数か月。


 その中で、「生徒の体調不良によりコロナ5類以降後も休演が相次いでいる宝塚に対して株主からの不満が噴出した」 ことは宝塚ファンの間でざわついた不満なのですが、


 これに対して角CEOが、

 『(1789 の大劇場中止を受けて) たとえ主役級の生徒が罹患したとしても、2、3人で収まるようなら、 今後はせっかく取ったチケットが無駄になり見られないよりは、代役でご覧いただいた方がいいに決まってる。 数人にとどまってできるなら代役公演を積極的にしたい。 残念ながら今回は大量で無理でした。 申し訳ないことになりました」

 と説明されたことはまだ記憶に新しいわけでして。




 『代役公演を積極的に実施していきたい。』

 その言葉通り、『1789』はトップスターである礼さんの休演があっても公演実施。

 現在 『双曲線上のカルテ』 にて二番手役である縣さんの休演があっても公演が実施されています。



 そしてこの話題を取り上げるにあたってはっきり言っておくのですが、わたしは代役公演反対派ではありません。

 宝塚は元々代役稽古を取り入れていますし、過去、2番手3番手さんが急遽休演され、 代役公演を観劇したことが幾度もあります。

 その経験を踏まえた上で、 あのときの休演は本当に辛かったけれど、 あの公演を観れて良かったなという思い出がたくさんあるからです。




 なので、 先述した通り、 代役公演に反対はしません。 ですがそこには、「時と場合により無理のない範囲で可能ならば」 の注釈をつけておきたいです。 (例えば、 「代役公演を成立させるために代役の人に無理を強要させないでほしい」 など。)



 また、この代役公演の積極的な取り組みについて忘れてはいけないのは、 『 「作品」ではなく「人(スター)」 目的の観劇率が高い宝塚』 において、そりゃあ反対派だっているということです。


 スターシステムを敷いている以上、当たり前ですが全員が全員代役公演を歓迎してくれるわけではありません。


 ぶっちゃけさせて頂くと、 (よくこの脚本・演出をOKしたな……誰も止めなかったんだな……) みたいな演目が宝塚にはあります。


 どんな演目にもその演目を大切に思うファンの方がいますし、 人それぞれ価値観も違うので、 わたしがそんなふうに感じた演目は伏せさせていただくのですが、 長年宝塚を観劇して来たのならば、 (ちょっとな〜)と思う演目が皆さまにもあったのではないかと思うわけですよ。



 つまるところ、「作品関係なしに大好きなスター様が出るからチケットを取っている方々も多いだろう宝塚」にとって、「大好きなスター様が休演」で、「演目は眠たくなるような代物」だった場合、「観劇を渋りたくなる人」もそりゃいるよな、と。



 何が言いたいのかと言えば、「チケットをさばいてくれる人気主演級のスター様が休演だろうが代役公演に積極的になる」 のならば、 「スターと同じくらいこの作品自体を観たい!」 と思わせるような 「魅力的な公演ラインナップを用意することにも重きを置くべき」 だということです。


 舞台を止めない。代役の方々の力を信じる。それを支えながら輝くジェンヌさんたちの頑張りを見届ける。素晴らしいことだと思います。 わたしはそれでいいと思います。


 だけどスターシステムを敷いている宝塚において「目的のスターが休演している」というのはなかなか酷な話なので、公式での利便性に富んだチケットリセール対応も受け付けないのならば「スター目的の人にとっても楽しめる内容」 っていうのは、劇団にとって果たさなければいけない最低限の義務なのではないかな、と。


 だったらそもそもスターシステムをやめればいいという声があるかもしれませんが、 残酷な話、宝塚はこのスターシステムによって他と差別化を図って人気を継続してきた世界だとも思うので、その基盤が崩れるのはアイデンティティの崩壊、それこそ宝塚歌劇としての人気がなくなっていくような気がします。


 いやはや、代役公演を経て、Wキャスト提案しかり、あの頃こちらの胃が痛くなるような猛批判を浴びた準トップスター制度がここにきてまさか日の目を見そうになるとは驚きです……。
 今なら準トップスター制度導入への批判も少なそうですが、あの頃の批判続出を知っている人間としては劇団にそれを勧める勇気はないですね……。なんかいろいろつらかったですからね……。



 少し話が逸れました。今回、総括すると「スター不在も気にならないほどの面白い脚本演出を頑張って!」という話をメインに持って参りましたが、結局一番大事なことは、「そもそも代役公演をしなくてもいいようにジェンヌさんたちの元気と健康を宝塚がマネジメント」してくださることなわけでして。


 ジェンヌさんファーストで考えるならば、「1日2回公演の回数は減らすべき」だと個人的には思うわけですよ。


 昨今、劇団は基い、阪急阪神HDにおいて 「ジェンヌさんファースト」という観点をことごとく蔑ろにしている雰囲気が漂っておりますのでね。「わたしたちを楽しませるよりもわたしたちが宝物のように思っているジェンヌさんたちおよびスタッフの皆様たちを大切に扱ってください」の気持ちに尽きます。



 それにしても、「主役級の生徒が罹患したとしても、2、3人で収まるようなら代役公演を積極的に〜」という旨を角 CEOはお話されていましたが、それが 「トップコンビ及び2番手」といういわゆるトリデンテメンバーだったとしても、公演が実施されるのか否か。大劇場ではなく別箱だとまた勝手が違ってくるのかなどなど、いちファンとしては気になることが山盛りなのですが、どうかそういう事態が起こらないことを願うのみでございます。



 最後に。懸命に舞台に立ってくださるジェンヌさんたちもひとりの人間です。だから体調を崩すことも怪我をすることもあると思いますし、自分のせいで舞台を止めたくない気持ちももちろんあると思います。だからこそ、代役公演に反対はしませんし代役を担う方々を精一杯応援いたします。

 ただ、スター制度に甘んじていた反面、それでも公演をすると決めたのですから、スター様を楽しみにしていた方々が不在でも楽しめる演目を劇団はバランスよく用意し続けてくださいね、というのが個人的な意見でございました。


 ところどころキツイ言い方になってしまいました。不快に思われた方々、申し訳ございません。




 大役においての大羽根についてなど、他にも記したいこともありますが、長くなるのでまた別の機会に記したいと思います。それでは個人的意見にお付き合いくださりありがとうございました。ジェンヌさんたちの元気と健康はもとい、ジェンヌさんたちにとって舞台に励みやすい無理のないスケジュールが組まれますことを心の底より願っています。


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