ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

本来、千秋楽の予定だった宙組に思いを馳せる


 本日は本来、宙組『PAGAD』『Sky Fantasy!』宝塚大劇場公演千秋楽を迎えるはずの日でございました。


 10月1日~11月5日という長期の公演中止、しかも千秋楽までの公演中止は、かなり深刻な状況を物語っています。
 

 というのも、コロナ禍がやって来て、2020年には全公演ストップしたこともある宝塚。


 思うように公演が出来ない日々が続き、胸が張り裂ける気持ちでいっぱいでしたが、なんとか千秋楽だけは実施できるよう、さまざまなことが試みられてきました。


 例えば、雪組東京宝塚劇場公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』千秋楽を公演実施有無に関わらずスカステで生放送することが決定したり、花組宝塚大劇場公演『アウグストゥス―尊厳ある者―』『Cool Beast!!』千秋楽が無観客で実施されたり。


 緊急事態制限のあった頃は制約も本当に厳しくて、だけどそんな険しい状況下であっても、退団される生徒さんたちがなんとか大階段を降りて来られるよう、そしてそれを可能な限りわたしたちファンが拝見できるよう、劇団はたくさんの試行錯誤を繰り返してくださりました。


 今回の宙組公演では優希しおんさん、花宮沙羅さんのお二方が退団予定です。今までの宝塚ならば、千秋楽だけは何とか実施しようと試みたと思います。否、もしかしたら試みたのかもしれません。


 ですが何らかの事情で——例えば、事実確認に想像以上の時間がかかっているのか、今は舞台に立てないメンタルの方がたくさんいるのか、退団したい生徒さんたちがたくさんいるのか——少なくともさまざまな要因がないまぜになって、大劇場では公演を再開することが出来ませんでした。


 その結果、本来なら実施されるはずだった今日の千秋楽も実施されませんでした。


 その一方で和希さんのディナーショーや雪組別箱スケジュールが決まったりと、「スケジュールを組み直すことはしないこと」が窺えます。


 このまま東京公演が実施できない場合、12月24日付けに予定されているお二人の退団はどうなるのか、上手に想像することも出来ません。


 また、最新のデシダルカタログには宙組別箱公演である『Xcalibur』も『MY BLUE HEAVEN -わたしのあおぞら-』も掲載されていませんでした。


 宙組『PAGAD』『Sky Fantasy!』東京宝塚劇場初日は11月25日。あと20日後ということになります。


 あと20日の間に、どんな調査結果の発表があってどんな対応があるのか、考えるだけでもなかなかの怖さを感じています。


 今回の問題は宝塚全体の問題であっても、宙組は亡くなられた方が実際にいた組であって、その組の幕が開くタイミングを、あることないこと記す週刊誌が狙わないとは到底思えません。


 矢面に立つのは全て生徒さんで、きちんとした発表とそれなりの対応、そして備えと覚悟がない限り、宙組の幕を開けるのは本当に本当に危ないことだと、個人的には全くお気楽な気持ちにはなれません。


 たくさんの人の運命を左右するだろう調査結果が、しかるべきときに公表されるはずですが、ここまで来た以上、宙組公演が今後どうなっていくのかは、この調査結果が発表されてからの話になると思います。


 宙組『PAGAD』『Sky Fantasy!』初日の幕が開いたとき、とてもじゃないけれどこんなことが起きるとは思っていなくて。かけがえのない生徒さんがおひとり亡くなるとは微塵も思っていなくて。彼女のことを考えるたびにとても心が痛んで。彼女が何に悩み何に苦しみ、その尊き素晴らしき命を絶つことになったのか。思いを馳せるだけで、胸が張り裂けるような気持ちでいっぱいになります。


 宙組公演のことを、宙組のことを考えるたび、今の私は結局、彼女のご冥福を祈ることが執着地点になってしまいます。彼女が亡くなったという事実以外、調査結果が出るまでは、こんなふうにピントが合わないぼやけた気持ちしか持ち合わせることが出来ないのかもしれません。それくらい、部外者である私にも、彼女の笑顔にもう会えないという現実は、とても、形はなくてもとても重たいのだと、今、改めて実感しています。


 繰り返すことしかできませんが、改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。その上で、二度とこんな悲しいことが起きないよう、本気の再発防止策が練られますことを今日も飽きることなく願い続けたいと思います。


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