ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

花組退団者とわたしの知らない『うたかたの恋』かもしれないことについて


 本日は、花組さんの集合日でした。 集合日にほぼ必ずある退団者発表は、(この作品以降、この人を宝塚で観ることが出来なくなるのか……)の感情でとても寂しくなります。



 本公演で退団されるのは、 華雅りりかさん (94期)、春矢祐璃さん (99期)、都姫ここさん(104期)、花翔あかりさん (105期) の4名です。


 今回特にショックだったのは、104期の都姫ここさんの退団です。 「A Fairy Tale」で、新人公演初ヒロインに抜擢され、花組の新しいプリンセスとして研2で羽ばたきました。

 可愛らしくて、喋り方にも品が漂っていて、どんな娘役さんに成長していくのだろうと、とても楽しみにしていました。


 しかしながらこの抜擢以降はあまり良いお役に恵まれず、 都姫さんの役付きが渋くなる一方で、 一期下の星空さんや同期の美羽さんの出番の方が明らかに多くなっていきました。


 いろいろ辛いことがあったのか、やり切ったと感じたのか、 宝塚以外の世界でやりたいことが見つかったのか。どのようなきっかけで退団を決意されたのかは分かりませんが、個人的にはもっと宝塚で、花組の娘役として活躍している姿が観たかったなあと感じるほどには、大好きな大好きな娘役さんでした。


 退団者4名の皆様とのお別れはとても寂しいですが、東京宝塚劇場最後のその日まで、皆様の宝塚人生をしっかり応援させていただきたいと思います。



 そして本日は集合日ということで、『うたかたの恋』の配役発表がありました。


 配役をざっと見たところ、星空さんミリー以外は上級生から順番に役を当てはめたのかな、という雰囲気を感じ取りました。そして、(もしかして、わたしの知っているうたかたの恋とはかなり異なる作品が誕生するのかな???)とも感じられました。


 一番最初にそう感じたのは、永久輝さんがブラットフィッシュでもフリードリヒ公爵でもなく、フェルディナンド大公役を演じるのを確認した時です。

 はっきり言って今までの上演では出番がかなり少ない役柄なのですが、今回から出来た役ソフィー・ホテック(永久輝さん演じるフェルディナンドの身分差のある妻役)を美羽愛さんが演じられます。


 この組み合わせ、新場面の予感がひしひしと伝わってきます。他にもたくさんの今までにない役名を与えられている下級生が多いです。

 公演解説にも、新たな演出でお届けする2023年版『うたかたの恋』と記されているので、小柳先生、役の比重や作品の構成含め、かなり演出を変えてくるのかな? と思いました。



 小柳先生のオリジナル脚本は、良い意味でも悪い意味でも「役や出番が多くてごちゃごちゃ」してしまうのが特徴だと思っています。


 しかしながら、 原作のある公演。直近ならば月組公演 『今夜、ロマンス劇場で』などは、 原作キャラの動きを改編しすぎない+憎めないオリジナルキャラクターたちを生み出し、それを活かす演出をされていました。

 出番の塩梅とアレンジがかなり素晴らしくて、観た後は 「先生、お見事です」と、先生に向けてスタンディングオベーションしたいくらいには、「原作の雰囲気を壊さないようごちゃごちゃはさせない、けれども役は増やしたよ」という創意工夫が感じられました。


 つまるところ、 小柳先生って、 「役が少ないなあ」と思う原作物語または再演物を大人数用にアレンジするのが上手い気がします。また、原作や初演についてのリスペクトゆえにオリジナル脚本ではやらかしてしまう「ごちゃごちゃ」に、ブレーキがかかるのかな、とも感じます。


 よって、「別箱向きの役の少なさの『うたかたの恋』 が、 小柳先生の手によって、たくさんの生徒さんたちの見せ場が増える公演」に上手いこと変身するんじゃないかな、と。配役を拝見して、そんな期待を持たせていただきました。


 原作の雰囲気を壊さない小柳先生はもちろん、「『うたかたの恋』の再演を楽しみにしている人たち」の期待も裏切らないとは思うので、プロローグの大階段や最後の場面など、大事なシーンはきちんと残されると思います。


 そう考えると、わたしの知らない『うたかたの恋』ではあっても、小柳先生Verの『うたかたの恋』、かなり楽しみなのですが、はてさてどんな演出・構成になるのでしょうか。



 初日の幕が開くその日まで、どんな『うたかたの恋』になっているのかは分かりませんが、柚香さんと星風さん率いる花組の魅力がふんだんに詰まった、素敵な作品になることを心の底より願っています。



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村