ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

花組お正月公演初日を観て

 本日、花組大劇場公演『うたかたの恋』『ENCHANTEMENT―華麗なる香水―』が無事に初日を迎えました。


 花組の皆様、初日おめでとうございます。そして、元日から素敵な舞台を本当にありがとうございます。


 有難いことに本日客席にて拝見させて頂いたのですが、ま〜〜〜お正月から華やかで華やかで華やかで感無量でございました。

 元日早々摂取していい美しさの量を越えた美しさを永遠に浴び続け、自分の心まで美しくなったかのような錯覚に陥りました。一階席の最後列に座っていたのですが、それでも美しさで目がくらむほどには美しかったです。


 花組の皆様、お正月から本当に本当に素敵な舞台をありがとうございます。



 それでは、まずは、お芝居『うたかたの恋』について。


 本作は、皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーの悲恋を、柴田侑宏先生が究極の愛としてドラマチックに描き上げた超有名作であり、今回は潤色・演出として小柳奈穂子先生が新解釈としてよみがえらせてくださったのですが、クラシカルで現代的な『令和版うたかたの恋』になっていて、個人的にとても好みでした。


 柚香さんルドルフと水美さんジャンと永久輝さんフェルディナンドの三者三様の人生と彼らが向ける愛の方向性がとても興味深いつくりになっていました。



 赤絨毯を敷かれた大階段のプロローグや、物語の大筋や、懐かしき曲はそのままなのに、カット場面を含め、演出や台詞がごっそりと変わっていて、新曲が花を添え、ルドルフの孤独からうまれる不安定な心情もとても分かりやすくなっていて、追い詰められていく様子も含めて(そりゃ最後の結末になってしまいますよね……)と腑に落ちるような作品になっていました。


 これは本当に「新解釈」な『うたかたの恋』であり、柴田先生の解釈とは違う『うたかたの恋』でした。
 観ていて照れてしまうシーンなどがあっさり目に、代わりに政治色などに力を注いで物語を分かりやすくまとめていたので、それを「物足りない」と感じる方と「受け取りやすい」と感じる方がいるだろうなあと思います。


 個人的には、どちらにも違う良さがあると感じるので、似て非なるものとして、これから両方の『うたかたの恋』が愛され続けたら嬉しいな、と感じました。


 一新されたセットやお衣装も美しく、耽美的な雰囲気が今の花組の美しさをドラマチックに彩り、なんかもう本当にずっとずっと綺麗で美しかったです。柚香さんも星風さんも水美さんも永久輝さんも聖乃さんも舞台にいる全男役さんと全娘役さんが全員美しすぎてどこを切り取っても絵画でした。素晴らしかったです。


 ただ、やはりテンポ感や出番など含めて、別箱向きであると感じたのも事実なのですが、お正月から大劇場仕様の豪華なセットでうたかたの恋を観劇することができて本当に本当に嬉しかったです。


 柚香さんと星風さんをはじめ、花組の皆様のハマり役具合が素晴らしかったので、後日キャスト別感想を記したいです。バレエ要素のあるダンスシーンなんかもとても素敵で、今の花組にぴったりな演目のように感じました。


 正装な花組生たちのビジュアルが男役も娘役も本当に素敵で、影コーラスに至るまで美しく、トップコンビが中心であるものの今の花組の良さを小柳先生が詰め込めるところにぎゅうぎゅうに詰め込んでいて、ぜひ多くの方々に観劇してもらいたい気持ちでいっぱいになりました。





 そして、ショー『ENCHANTEMENT―華麗なる香水―』について。


 宝塚にしては、そして野口先生にしては珍しく、スチールがとっても爽やかでした。

 スチールの色味が(サンリオのキャラクターっぽい柔らかさだ……)と、とても新鮮だったのですが、ハットにタバコに中華に黒燕尾にアイドル場面にブロードウェイに退団者場面などなど、ショーの中身はてんこ盛りで、とっっっても華やかなショーでした。


 かわいい衣装が多くて終始ときめきが止まりませんでしたし、舞台装置の使い方までとっっっても贅沢に使っていて、なおかつとても美しいレビューで心が満たされまくりました……。全場面見どころになっていますし、全場面麗しかったです。(???となったのは大きな鹿くらいでした)


 また、扇は中詰めの衣装モチーフだったのですが、「みなさんご一緒に〜」と、爆イケスタイリッシュチャイナ服姿の柚香さんが教えてくださいます。
 後ろから観ていて、客席の大多数が扇子を持ってるように感じたのですが、私の前の方とか、後ろの人の邪魔にならないよう下の方で扇子の振り付けをしてくださり、とても感動しました。優しさをありがとうございます。


 いや〜それにしても野口先生のショーは「洒落ていてなおかつ豪華!!!」という場面が必ずあって、心のウキウキワクワクが止まりません。


 ロマンチックで夢々しくてとても華やかで清潔感もあって、大人になった柚香さんと水美さんを感じる場面もあり、なんだか本当に最高のショーでした。


 ただ、わたしは男役が娘役をする、いわゆる女装的なものがあまり得意ではなくて(娘役を使って欲しいので)そこが少し多かったなあ〜と感じてしまいました。


 しかしながら聖乃さんの美女姿はすごい美しくて感動しましたし観れてよかったと思う自分もいるのでとても矛盾した発言をしてしまってすみません。いやはやとても美しかったです。


 ショーのなにもかもが最高だったのですが、ですが何より、何より、花組の皆様が楽しそうに踊っているのが、なんかもう「花組を観ている〜!!!」の気持ちになれて本当に幸せでした。


 柚香さんのスーツとハットの着こなしと楽しそうに踊る姿、星風さんの女神みたいに可愛らしいマリリンモンローの姿、水美さんの終始溢れる男役の色気が止まらない、そして花組カラーのスーツ姿。

 永久輝さんのムスクシーンの格好いい姿、聖乃さんの美女姿と男役姿のギャップなどなど、全然記し足りないのですがもう本当に、花組生全員が大活躍していて……たくさんの場面にたくさんのジェンヌさんたちが出ていて……帆純さんの格好良さとか本当にとんでもなかったわけですよ。海辺の場面の娘役さんたちのかわいらしさとか、素晴らしかったわけですよ。


 また後日、キャスト別というより場面別に感想を記したいのですが本当に大満足でした。


 あっという間にパレードで、エトワールはショーの中で歌って踊って大活躍な星空美咲さんでした。初エトワール、本当におめでとうございます。綺麗な歌声が大劇場中に響き渡ってとても心地良かったですし、とっても可愛らしかったです。


 そこから、帆純まひろさん、一之瀬航季さん、侑輝大弥さん、希波らいとさんの4人が同時に階段降りされて、とても景気が良かったです。初階段降りや初スチールなど、今回の花組はめでたいなあ! お正月だもんなあ! とニコニコしてしまいました。


 そこからはいつも通り単独で、聖乃あすかさん→永久輝せあさん→(歌なしですがここで今回退団される華雅りりかさんが。愛を感じてとても嬉しかったです)→水美舞斗さん→星風まどかさん→柚香光さんと続いていきました。

 永久輝さんの羽がなかったことが少し寂しかったのですが、羽がなくても輝きが凄かったです。


 そして専科に移動が決まった水美さんへの拍手が本当に凄くて、お客さんたちの水美さんへの「愛」を、とっても感じる素敵な空間でした。花組の2番手姿は本作で最後になるかもしれませんが、大きな2番手羽根を背負う水美さん、最高に格好良かったです。


 柚香さんと星風さん率いる花組お正月公演、お芝居もショーも個人的に観たいものがぎゅうぎゅうに詰まっている最高の二本立てだったので、もう元日から幸せいっっっぱいです。花組の皆様、2023年最高のスタートを、そして良き元日を本当にありがとうございました!


 たくさんの人に観ていただきたいと思わせる花組公演『うたかたの恋』『ENCHANTEMENT―華麗なる香水―』が、新人公演含め東西完走できますことを心の底より願っています。



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