ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

モヤモヤが止まらない発言と代役公演についての話


 まずは昨日、雪組公演『Lilac(ライラック)の夢路』『ジュエル・ド・パリ!!』公演時間の発表がありました。それによって、雪組さんは無事に幕が開くのかなと安堵していたのですが、本日、心配な休演者に関するニュースが発表されてしまいました。


 6月17日(土)13:30公演より雪組公演『Lilac(ライラック)の夢路』『ジュエル・ド・パリ!!』を休演される方々は以下の通りです。


 ・久城 あすさん

 代役『Lilac(ライラック)の夢路』
 ・ヴェーバー少佐 久城 あすさん→日和 春磨さん
 ・将校 日和 春磨さん→紗蘭 令愛さん


 ・桜路 薫さん

 代役『Lilac(ライラック)の夢路』
 ・シンケル 桜路 薫さん→天月 翼さん
 ・カール 天月 翼さん→稀羽 りんとさん
 ・職人 稀羽 りんとさん→海咲 圭さん


 ・風雅 奏さん

 ・和奏 樹さん


 以上4名の方々が、東京初日からの舞台を休演されるとのことなのですが、全員復帰時期未定とのことでとても心配です。心臓に悪いニュースが続いていますが、4名の方々が早期に回復されますことを、これ以上休演者が増えませんことを心より願っています。

 そしてなにより、雪組東京初日が明日無事に幕開きますことを心より祈っています。




 続いて、また悲しいニュースなのですが、宙組103期生の娘役である栞菜ひまりさんが、『大逆転裁判』-新・蘇る真実ーの千秋楽にて、退団されることが発表されました。(2023年8月8日KAAT神奈川芸術劇場公演千秋楽付)


 栞菜さんのお芝居が大好きで、上級生娘役が減っている宙組だからこそ、これからの栞菜さんのお芝居・ご活躍をとても楽しみにしていただけに、退団発表がとても寂しいです。


 また、別箱退団ということで、大階段を降りて宙組全員に見送られることもなく退団されるのが本当に寂しくて……あと純粋にわたしが『大逆転裁判』のチケットを取れていないので、栞菜さんの舞台をもう生で拝見することは出来ないことがとても悲しいです。


 まだまだ宙組の舞台で輝く栞菜さんが観たくてたまらなかったのですが、栞菜さんにとって最後の公演となる『大逆転裁判』が素敵なものになりますことを、そして全公演無事に完走できますことを心の底より願っています。





 ということで、心配になるニュース、寂しいニュースなどが本日も続いていましたが、そんな中、デイリーニュースの記事にて気になる見出しがあったのでここで記させていただきます。


 というのも、『宝塚歌劇の相次ぐ休演に株主が苦言連発「中止が多い」角CEO「今後は代役公演積極的に」阪急阪神HD株主総会』をという見出しのものです。


 内容とましては、阪急阪神ホールディングス(HD)株式会社の「第185回 定時株主総会」が16日実施されたこと。その中で、「生徒の体調不良によりコロナ5類以降後も休演が相次いでいる宝塚に対して株主からの不満が噴出した」ようで……。


 株主の方々から、「歌舞伎のように代役(猿之助さんの件)はできないのか」「中止が多いので規制を緩めるべき」などという意見が出たようです。わたしも株主なので気になってニュースを拝見いたしました。



 1789の中止について角和夫CEOは「大量に罹患者が出たのが原因」「初日が開くまでの間、かなり無理をして稽古をして、初日何とか開けた」「初日公演が終わったあと、重要な役の生徒が発熱」「喉の痛みで舞台は無理」「代役を考えたがその後の検査で3分の1を越える生徒が罹患」と説明した上で、

 「おっしゃるように、たとえ主役級の生徒が罹患したとしても、2、3人で収まるようなら、今後はせっかく取ったチケットが無駄になり見られないよりは、代役でご覧いただいた方がいいに決まってる。数人にとどまってできるなら代役公演を積極的にしたい。残念ながら今回は大量で無理でした。申し訳ないことになりました」と説明したようなのですが。


 3分の1を越える生徒が罹患という、想像を絶する状況に、星組の皆様を思うと泣き出したい気持ちでいっぱいになってしまいました。本当に調子は大丈夫ですか……初日同様誰か無理はされていませんか……そんな状況で初日を開けさせてしまい本当に本当に申し訳ありません。



 そしてここからは、わたしも宝塚ファンとして、そしていち株主であるため記させていただくのですが、かなり無理をして稽古をしてなんとか初日を開けさせたという、ジェンヌさんを蔑ろにしかしてないだろ発言にまずは眩暈がしました。

 どの説明文にも、ジェンヌさんに対する敬意がひとつも感じなくて、そりゃ阪急阪神HD側からしたら、株主様の意見が尤もで、そういう説明の仕方になるのかもしれないですが、まあなんとも双方愛を感じないやりとりだなとモヤモヤが止まりません。


 モヤモヤしてはいますが、わたしは代役公演反対派というわけではありません。宝塚は元々代役稽古を取り入れているからです。
 ですが、代役公演賛成派であっても、ジェンヌさんに決して無理をさせたいわけではないんですね。


 上記の説明だと、ただでさえ過密スケジュールなジェンヌさんたちに代役のひとつやふたつ加えた練習まで毎公演きっちりさせる「働き方改革なんて夢のまた夢のような強制」がありそうなことに怯えています。


 さらに言わせてもらうなら、歌舞伎の代役の件は「罹患が理由ではない」かつ、「主役1人だけ休演だから代役ですぐに公演が実施できた」んですよね。

 それならば宝塚だって前例があるわけで、「そういう代役公演なら宝塚でも昔から実施されていました」と答えてくださらなかったことにモヤモヤが加速してしまいました……。


 経営を考えたら代役は必要ですし、だからこそ今までも代役稽古はあったわけなのですが、5類になっただけで感染力は衰えていないこの状況で、規制を緩めろだの、代役で即幕を開けろだの、無理な要求まで通そうとする方々はジェンヌさんやスタッフさんの健康はどうでもいいのでしょうかと問いかけたい気持ちでいっぱいになってしまいました。


 わたしは過去、2番手〜3番手さんが急遽休演され、代役公演を観劇したことが幾度もあります。その経験を踏まえた上で、あのときの休演は本当に辛かったけれど、あの公演を観れて良かったなという思い出がたくさんあります。


 なので、先述した通り、代役公演に反対はしません。ですがそこには、「時と場合により無理のない範囲で可能ならば」の注釈をつけておきたいです。


 また、代役公演の積極的な取り組みについては、「作品」ではなく「人(スター)」目的の観劇率が高い宝塚において、反対派が多いことは覚悟しなければいけませんし、そもそもこんな説明の仕方では、代役公演に賛成してくれる方が減っていく一方だと感じざるを得ませんでした。


 ジェンヌさんたちを大事にしてこその宝塚。

 観劇スタンスによって、代役公演に積極的になることにもちろん賛否は分かれると思います。思いますが、賛否が分かれた上で、それでもファンが一番大切にしてほしいのは「ジェンヌさんにこれ以上無理強いをさせないこと」であり、「ジェンヌさんたちの健康やメンタルを劇団側が守り切ること」だと思います。


 そしてこれは余談ですが、もしも代役公演に積極的になるならば、「スターと同じくらいこの作品自体を観たい!」と思わせる魅力的な公演ラインナップを用意することにも重きを置くなど、「代役公演に積極的になるからこその宝塚」を打ち出してほしいとも思います。




 以上、今回の記事に対してのいちファン、いち株主としてのただの意見ではありますが、喉が命の舞台人にとって、昨今は本当に厳しい状況が続いています。

 そんな中、ジェンヌさんたちはただでさえ命を削るように舞台に立ってくださっています。舞台のため常に繊細な注意を払って、普通以上に気をつけた生活をしてくださっています。


 それなのに、無理矢理稽古をさせるだの、なんとか初日の幕を開けただの、そんな「ジェンヌさんたちを蔑ろにしている」と思わせるような悲しい発言がこの先ありませんことを心より祈っています。

 そして何より、無理をして悪化して、取り返しのつかないことになりませんよう、ジェンヌさんおよびスタッフさんたちの安全と健康第一の環境づくりが徹底されますことを、その上でより良き舞台がつくられていきますことを心の底より願っています。



 最後に。公演中止は本当に言葉にならないほど辛いものではありますが、ジェンヌさんやスタッフさんを駒のように使われることほど悲しいことはございません。

 どうか、健康面が不安定なときにまで無理強いをさせるような、そういう間違ったショー・マスト・ゴー・オンがこの先決行されませんことを心より願っています。


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