ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

宙組はどう動くのか 『大逆転裁判』を観劇して率直に感じたこと


 まずは本日、吉高由里子さんが主演を務める2024年の大河ドラマ 『光る君へ』(NHK)の第5弾出演者が発表されたのですが、


 なんと、赤染衛門(あかぞめえもん) 役で元宙組トップスター凰稀かなめさんがご出演することが発表されました!



 凰稀さん、大河ドラマへのご出演、本当に本当におめでとうございます!!!


 こんなに麗しい人がこの世にいるのだと客席で衝撃的を受けたジェンヌさんのおひとりなのですが、浮世離れした美しさをしている凰稀さんは大河ドラマにぴったりの役者さんだと思うので、どんな赤染衛門を演じてくださるのか、来年の大河をとても楽しみにしていたいと思います!



 そして凰稀さんに関連して宙組の話題をお話させていただくのですが。



 芹香さんと春乃さんのプレお披露目公演 『エクスカリバー』が初日を迎えた日、わたしは宙組のもうひとつの別箱公演である 『大逆転裁判』を観劇させて頂いておりまして。



 いや〜久しぶりの宙組での逆転裁判シリーズ、とっっっても面白かったです!!!

 今から10年以上も前、宙組逆転裁判を上演すると知っては逆転裁判のゲームを購入させて頂いたのは懐かしい記憶なのですが(そしてゲームにハマった)あれから月日を経て、また逆転裁判シリーズが宝塚にて上演される感慨深さと言ったらありません。



 そしてですね。 今回は 『大逆転裁判』 ということで、初演で蘭寿とむさんが演じた成歩堂龍一の先祖である成歩堂龍ノ介を、今回の主演である瑠風さんは演じられました。

 黒髪短髪学生服の青年。 この瑠風さんが驚くほどに格好良くて ですね、(うわ〜瑠風さんの黒髪短髪って頭身バランスとスタイルの良さがよく分かってこんなにも素敵なのね〜〜〜) と惚れ惚れしてしまいました。格好いい!

 いつものことながら歌も芝居も上手いですし、たくさん練習を重ねられたのか、長台詞もスラスラ聞き取りやすいですし、おまけに当たり前のように足が長くてもうほんとうに最高でしたし魅力が大爆発していました。ありがとうございます!




 ちなみに演出家の鈴木先生が原作者である巧舟先生と話をしてはつくりあげてくださった完全オリジナル作品ということなのですが、なんだかそれだけでこの作品に対する熱量を感じ、熱く込み上げてくるものがありました。

 オリジナルだけれどゲームの再現度が高すぎて、本当にゲームの世界にいるみたいで、 だけどちゃんと宝塚で最高でしたし、BGMとかセーブ音とかがタイミング含めたまらないんですよね。宙組の皆様の動きひとつひとつが原作のまんまで感動しつつ、脚本、演出、演者全てにおいて原作へのリスペクトが完璧で本当に最高でした。ありがとうございました!




 また、今回感じたのは鷹翔さん演じるシャーロックホームズの出番も多かったということです。 東上公演って結構、「この人がこの演目の主役なんです」というくらい出番がハッキリしている感じの演目が多いと感じるのですが、今回は鷹翔さんもポスターに大きく掲載されたことが納得できるほどのご活躍でした。

 そしてこれまた芝居も歌も上手くて足が長い。 鷹翔さんは特に、「ゲームのキャラクター」であることをかなり意識して役作りされたのかなと感じました。バウでの主演を経たこともあり、さらに頼もしい存在感で素晴らしかったです!




 さらに、特徴のある声が持ち味の山吹さんは、まさにゲーム原作にぴったりの声! そしてビジュアル! ということで、 とっても可愛らしいヒロインを演じてくださいました。

 元気なヒロインでこちらまで華やかな気持ちになれるかのような役どころで、 声とビジュアル含め、本当に 「ヒロイン」 が似合う娘役さんだなあとニコニコして見守ってしまいましたが、ヒロイン経験も豊富となった山吹さん。宙組欠かせない素敵な娘役さんだと改めて感じさせていただきました。いや〜本当にかわいくてたまらなかったです。



 推理ものである本作、ほどよい恋愛の匂いを織り交ぜつつ、最後までわくわくさせて頂ける作品になっていて、原作ファンでも原作ファンではなくても最後の最後まで楽しめる、何ならこの先の未来までもが楽しみだなあと感じさせてくださる最高の舞台でした。


 ミステリーモノということもあり、ネタバレなしの感想は相変わらずふわっふわしていてここまで読んでくださっている方々に申し訳ない気持ちでいっぱいになるのですが、わたしは今回フィナーレに一番感動してしまいまして。


 というのも、最近の大劇場・別箱作品の中で、個人的に本作は「フィナーレの衣装が好み」だったわけですよ。こういう綺麗で格好いい衣装の色味が大好きなので、衣装替えが少ない作品だからこそ、このフィナーレの素敵さを噛みしめてしまいました。いや〜素敵でしたね。

 また、わたくしごとですが、気づいたらいつも宙組は水音志保さんをオペラグラスで追っかけてしまうのですが、今回も本当に美しくて恍惚としていました……。もう上級生のような立ち位置なのが感慨深くてたまりません。


 ということで、逆転裁判ファンの方にも、しっかり宝塚を味わってもらえそうで嬉しい限りのフィナーレがついていて、最後の最後まで大満足の公演でした!



 と、楽しかった楽しかった 『大逆転裁判』 のネタバレなし感想はこのあたりまでにして、ちょっと宙組で気になっていることをお話したいのですが。


 そうです。宙組が永遠と言われ続ける「男役詰まりすぎ問題」の話です。



 今回の『大逆転裁判』 にて「すでに亡くなっている」 龍ノ介さんの親友を風色さんが演じてくださいました。すでに亡くなっていても、役どころが役どころなだけにソロナンバーまであり、しっかり存在感を発揮されていました。

 フィナーレを拝見しても、風色さんはやはり目を惹く男役さんであり、休演などで遅れ気味ではありましたが、アンバサダーにも選ばれていますし、次あたりでバウ主演が回ってきてもいいかなあとは思うのですが、 宙組は誰をどう育てていくのかが結構見えずらい組だなあという気持ちが未だに根強くあります。



 長年トップ〜5番手あたりまで全く動きのなかった宙組が、芹香さんトップにより、1つづつポジションが上がり、2番手は桜木さん、3番手は東上公演を果たした瑠風さん、4番手はバウ主演を果たした鷹翔さんになるのは皆さま感じていることだと思います。



 そして、 宙組で大活躍中の、なんなら風色さんを抜かす勢いだった亜音さんの長期休演が発表されたことにより、風色さんが単独で5番手あたりの活躍をされるのかなあと感じるのですが、 亜音さん復帰のことを考えても、105期の成長具合を考えても、やっぱりここ最近「宙組はチャンスを与えてきた男役が詰まっている印象」をどうしても受けてしまいます。


 それはひとえに、宙組に魅力的な男役がたくさんいるということなので、決して悪いことではありません。 ただ、魅力的な男役の人数が多ければ多いほど、「次のチャンスを与えられる人と与えられない人が出てくる」 わけなんですね。


 なんなら、「全員中途半端にチャンスを与えられてその先に進めなかった」 パターンもあるわけです。



 果たして宙組は自組において、このまま順調に101期の鷹翔さんに東上公演をさせてあげられるのか、102期の風色さんにバウ主演をさせてあげられるのか、103期の亜音さんに復帰後すぐチャンスを与えてあげられるのか。105期の大路さんや泉堂さんを上手に番手に乗せてあげられるのか。


 はたまた、実力も人気も勢いもある真白さんのご活躍が最近顕著に感じられるのですが、これからますます大劇場でも重要な役を担っていくと思うのですが、そうした中で、宙組はなかなかトップスターが排出されない組だからこそ、より真剣に、そして慎重に、宙組生を育ててあげてほしいなあと感じます。そのひとつの手段に 「組替え」 という制度もあると思うので、 どうか上手に活用して欲しいと思います。



 新生宙組に組替えはつきものかと思いましたが、今のところ目立った組替えはなく、ロマ劇のときの月組のように、お披露目公演の最中にでも発表される可能性は充分にあります。


 組み替えは心がちぎれるほど寂しいので、組替えが絶対にあってほしいわけではないのですが、ただ願うことは、宙組生の皆さ
まにきちんとチャンスを掴み取るまでの可能性ある道をつくってあげてほしいな、と。

 今回大逆転裁判を観て。 そして友人からエクスカリバーの感想を聞いて。宙組生の未来に期待するからこそ、そのようなことを感じさせていただきました。



 ということで最後は話を元に戻しますが、宙組大逆転裁判』、とてもとてもとても面白い作品になっていて、個性光るキャストが全員最高だったので、平日ではありますが、明日の配信にて宝塚ファンおよび原作ファンのひとりでも多くの方々がこの作品を堪能することが出来ますように。 そして、千秋楽まで完走できますことを心の底より願っています!



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