ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

ヒアリング拒否の炎上とパワハラの有無について


 昨日の宝塚の会見、書面報告書、 ご遺族側の会見が発表されてから一夜明けた本日、今朝は「宙組4人のヒアリング拒否」がトレンドに挙がっていました。


 会見が各局生中継だったこともあり、たくさんの人が会見、もしくはネットニュースを目にしたのだと思います。


 劇団が保身に走るようにパワハラ全面否定の上、ヒアリング拒否について濁したことにより、「ヒアリング拒否したのは加害者4名」 という結論を導き出している方が多く、非難の対象になっていることを把握しました。


 劇団がパワハラ案件に対して、あんまりにも遺族側の意見を全面否定するものだから、会見を見ている人たちは 「加害者を擁護したいんだな→じゃあヒアリング拒否の4名は加害者たちなんだな→その4名からヒアリングできてないなら意味ないじゃん」 の結論に辿り着いたのだと思います。


 報告書を読む限り、ヒアリング拒否したのは加害者とされる4人ではなく、あくまでショックを受けている下級生たちかもしれないなと思いましたが、悪い方でトレンドに挙がる時点で、劇団側の会見はやっぱり最悪だったとしか言いようがありません。


 個人的に、「憶測でもっと生徒さんたちが傷つけられるような都合がよすぎる穴のある会見」 だったところがやっぱり最悪でした。


 粗末な会見をすれば生徒さんたちは追い込まれ、事態は複雑化と悪化の一途を辿っていくのだと、どうしてそんなこともわかってくださらないのか、宝塚の舞台を守りたい人間として、そのあたりが歯痒くて仕方ありません。


 例えば、パワハラの有無の立証は確かに難しいです。ですが、 意見の食い違いがあるとわかっているのに、劇団は「パワハラには該当しない」 と否定しています。

 (これに対し、ヒアリング受けてないのが4人もいるのになぜパワハラはなかったと言い切れるのかと炎上していました)



 客観的にみても、亡くなった方とご遺族を踏みにじり、そして宙組の当事者とされる方々の首を絞めるだけの受け答えだったと思います。



 例えば、「ヒアリングの結果はこうでしたが、ご遺族の方との意見の食い違いにより、パワハラがなかったと認定するには話し合いは必要だと感じる。よって、ご遺族の方に機会を設けてもらい、その上で結論づけたい」のように、「意見が食い違っていると分かっているからこその言い方」があったように思います。


 もしくは「こちら側のパワハラ認識が甘かったのかもしれない。それをこれから組織全体として考えなければならない。そのためにも遺族の方と話し合いできる場を設けさせていただきたい」とか。

 パワハラの有無の立証は難しいからこそ、そういう、遺族の方にも寄り添った、話し合いの姿勢を見せるような意見を出してほしかったです。


 以上のような発言をしてくれない時点で、「とにかくパワハラはなかったという結論にしたい」という劇団の思惑が透けて見えていたところが本当に残念でした。あんまりに都合が良すぎて、ファンとして見ていて本当に辛かったです。(報告書も三度熟読しましたが引っかかるところは多々ありました)



 せっかくご遺族の方々が、とても低いハードルを用意してくださっていたのに、一定数のファンを含め、世間を敵に回してどうするのでしょうか。


 だって、ご遺族の皆様が劇団に求めているものって、本当に控えめなものでした。

 むしろ、辛い心境の中、これから先の宝塚の未来まで考えてくださっていると私は感じました。


 ご遺族の方々は生徒さんたちを攻撃しようとか、極度に責め立てようとか、宝塚や宙組を潰そうとか、そういうことが目的なのではなくて、「娘が苦しい思いをしていたことを認めて悔いてほしいし、これを機に労働環境やパワハラ認識などが改善されていってほしい」 ってことをひたすらに求められていました。


 会見に同席して謝れとか、そんな晒し者にさせることを望んでいるわけでもありませんでした。

 過重労働と安全配慮義務違反および、当事者たちからの謝罪とこれからの改革。かけがえのない命が失われているのに、あまりに寛大で温情があるとさえ私は感じました。



 もしも会見で劇団がご遺族に歩み寄り、ご遺族の方と加害者とされている方たちが話し合いの場を設け、そこで和解があったなら。そういう方向性で動いていたのなら、ご遺族の方をより一層苦しめることも、こんなにも世間から誹謗中傷を浴びることもなかったと思います。


 劇団は誹謗中傷をやめてくださいのお知らせを出していましたが、火に油を注いだのは昨日の劇団の会見そのものです。


 粗末な会見をしたらより一層ご遺族が、そして名指しされた生徒たちの首が絞められることがどうして理解できないのでしょうか。


 また、一禾さんが雪組に在籍してきたからこそ、比較したくはなくても雪組宙組の何かしらの「差」を感じることがあって、わざわざ「宙組に配属されたことが」 と強調されたのだと思います。

 それなのに、「宙組には何の問題もない」 と、かたくなに蓋されることが、 ファンとしては本当に複雑でした。


 雪組の内情も知った上でそう口にされたのは、一禾さん含め、「ご遺族の方々が何かしらそう感じることがあったから」なのだと思います。そしてそれを告げることはとても勇気のいることだったと思います。


 それなのに、貝のように硬く閉ざして「宙組は何も問題はありません」と発表することは、今の宙組を守るではなく、今の宙組がきちんとした形で立ち直る機会を永遠に奪うことと同義だと私は思います。


 そして宙組の問題を見つめたときはじめて、宝塚全体としてさまざまな問題や体制を見直すことができるのだと思います。面倒がらずに、伝統という言葉を盾に使わずに、ここに真剣に向き合わなければいけないはずなのです。


 伝統を守ることを盾に見直しもしなければ体制も整えなおさないなんて、少なくともこのままでは一禾さんは雪組の舞台にすら戻ってきてくださらないかもしれません。


 はたまた、各公演に駆けつけた理事長が組織を代表して、「二度とこんなことが起きないように」と、繰り返し口にしてきたのはなんだったのでしょうか。


 過重労働だけでなく、パワハラの意識等、そういったものも見直すことこそ、本当の意味で再発防止に繋がるのではありませんか?


 そして、再発防止するために必要なことは、ご遺族の皆様がすべてお話ししてくださっているとは思いませんか? 



 ご遺族側は、過重労働だけでなく、パワハラへの意識が変わること、改善されることを望んでいて、 それってファンとしても本気で望んでいることなんです。 これを否定したり拒否するってことは、この先一生、本当に何も改善されないってことなんです。


 だから、ご遺族の皆様にもっと歩み寄って、パワハラの認識は間違っていなかったのかなどを含め、しっかり話し合いをした上で結論を導き、そして解決の糸口を見つけ出してほしいんです。

 もちろんそこまでしても、亡くなられた彼女の命は決して返ってきません。どれだけ誠心誠意対応しても足りないほどなのです。


 今回の会見が炎上したところで、ファンが何を言ったところで、それでもまだひとごとかもしれません。ファンの意見より株主の意見の方が耳を傾けてくださるでしょうか。阪急阪神HDの株主として、株主総会以外でも意見を伝える方法などはあるのか、いろいろ調べてみようと思いました。


 どんな会見・報告書でも納得しなかったわけではありません。ただ、今回の会見・報告書では、ご遺族の皆様は納得しないことおよび宝塚は変われないという現実を感じたからこそ、この気持ちを記しておきたいと思いましたし、これからも記し続けていきたいと思いました。


 ご遺族の皆様と同じように、私は宝塚を潰したいわけではありません。特定の生徒さんたちを攻撃したいわけでもありません。応援したい生徒さんたちだってたくさんいらっしゃいます。


 ただ、悪いことは悪いと認め、同じことを二度と繰り返さないためにも変わっていってほしいのです。劇団はお願いだから、今回なぜこんなにも炎上してしまっているのか、ご遺族の皆様が求めていることは何なのか、有耶無耶に突き進もうとせず、今一度立ち止まって考えてほしいと思います。



 言いたいことはまだまだ山のようにありますが、長くなったので今日は一旦ここで終わりにします。

 お付き合いくださった方々、ありがとうございました。急激な寒さおよび考えすぎによって皆様が体調等崩されませんことを心の底より願っています。


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