ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

何の説明もなく次の舞台が決まる違和感について思うこと


 本日、小池修一郎氏演出の元、ミュージカル『モーツァルト!』が、2024年8・9月に東京・帝国劇場で上演。

 その後大阪 梅田芸術劇場メインホール (10月)、 福岡・博多座 (11月) にて上演されることが発表されました。およそ3年ぶりの再演でしょうか。


 2025年に建て替えのために休館を発表している帝国劇場のクロージングとして上演される、謂わば目玉作品なので、かなり前からこの計画は練られていたと思います。



 だからそう簡単に演出家の変更ができないことは百も承知なのですが、そしてこれを記すのはもう3回目くらいなのでそろそろやめたいのですが、文春報道の件は演出家自身も、劇団も、東宝も、梅芸も、もう完全スルーで突っ走るルートに突入したんですかね……。


 ミュージカル大好きな人間として言いますが、本当に本当に、大丈夫と信じていいんですね……???



 というのもここ数年、エンタメ業界全体でさまざまな激震が起こっていますが、その大多数がさまざまな「ハラスメント問題」によって引き起こされているといっても過言ではありません。


 私は部外者のため、報道が真実かどうかなんてわかりません。 1回報道された内容が事実を含んだものである場合も、0から生み出したでっち上げの可能性だってあります。

 訴えがないのならそれは罪ではないという意見も法治国家のため重々理解しています。


 ですが、訴えられないのなら何をしてもいいわけではなく。
 ましてや、人を楽しませるエンタメ業の主柱において、こんなにもモヤモヤとした雰囲気を残したまま、何の説明もなく、次に担当する演出舞台だけは発表されるのは、あまりに歪な構造すぎるなと感じます。


 例えば 「報道は事実無根の虚偽である」 とはっきり釈明なりコメントを出してくれなければ、素晴らしき舞台の裏で、 キャストなりスタッフなりの誰かがハラスメントを受けていたらどうしようと身体が強張ります。こんな強張り、エンタメにあってはならない感覚だと私は思います。



 また、宝塚ファンなら多くの方がご存知の通り、報道後、すぐに劇団から追い出された演出家がいらっしゃいます。


 去年の年末、名指しされて報道された演出家は小池氏だけではありませんでしたが、 とある演出家は週刊誌に報道後、すぐに解任させられたこともあるのに、この対応の差に私は正直違和感を覚えます。


 一体何が違うんだろう……という疑問しかありません。


 報道が事実無根なら、それこそ演出家の皆様はこれからの仕事のためにも声明を出すべきですし、断固として週刊誌に立ち向かうべきなのにな……と憂いてしまいます。


 まあ、報道による演出家の追い出しによって、現在宝塚はその演出家の方に提訴されている状況なので、報道に対して慎重になっていると言えば聞こえはいいのですが、宝塚歌劇団はハラスメント問題の渦中にいるわけです。

 せめて最低限、名指しされた演出家たちへの事実確認等はきちんと実施すべき義務があると思います。


 そしてなにより、100 人中 99 人にとって言葉の通り良い演出家であっても、100人中たったひとりでも人権が奪われるようなことをされているのなら、それは黙認されるべき事案ではありません。

 訴えられていないからセーフなんじゃなくて、訴えられるようなことは絶対に人としてするなよ、と思います。


 劇団が「改革」という便利な言葉を繰り返し使おうが、「先生」と呼ばれる立場の人たちに本当に問題はないのかしっかり確認できないならば、上っ面だけ改革したところで、何の意味もないと私は思います。



 私は何をされたわけでもありませんし、事実かどうかも分からない以上演出家の皆様を毛嫌いすることも、「観ない」なんて叫ぶこともありません。


 ただ、高いお金を払ってでも観たいほど楽しみな舞台の裏で、その舞台をつくりあげてくださる誰か1人でもハラスメントを受けて尊厳を蔑ろにされていたならば、私は本気でやりきれない気持ちになります。


 私は週刊誌は万能だと思っていませんし、たとえ事実に基づいていたとしてもお金儲けのために仕事として記事内容を盛るでしょうし、週刊誌に掲載された中身は政治問題以外では基本的に 50%以上信じることはありませんが、1%でも事実なら問題だと思う事案はたくさんあります。



 12月に週刊誌に報じられた演出家たちの件は、今のところ被害者とされている方々から訴えられているわけでもなく、劇団や東宝は演出家を変える舵を切るでもなく、ましてやどこからもコメントが発表されないまま、次の舞台まで決まっています。


 そのため、「事実確認をした上で問題はなく、週刊誌を相手にするだけ無駄なのでスルーしているだけ」なのだと信じますが、 この信じる気持ちを踏みにじるような事実が絶対にありませんことを、そして安全と健全が守られたうえで舞台に携わる皆様がハラスメントに悩むことなく自分の仕事に集中できますことを心より祈っています。



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