ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

月組新人公演『今夜、ロマンス劇場で』感想 ②


 誰から書けばいいのか考えるだけで熱が出そうなほどみんな素敵だったんですが、さっそく槙照斗くんについて。
 もうね、「一人芝居うっま!!!」に尽きます。
 本役の朝陽つばさくんもべらぼうに一人芝居がうまくてかわいいウマカワなのですが、まきてるくん何でそんなにうまいの〜〜〜しかもめちゃくちゃ警官ぽさがあるんですよね。
 まきてるくん、105期じゃないですか。月組のベテラン感漂う下級生たちが多いことに歓喜するタイプなので、「イエーイ! 頼りになる下級生だー!」って両手をあげて喜びました。
 だって、一人で捲し立てる演技で、ちゃんと人を笑かせるって、とんでもない勇気と度胸が必要で、とんでもなく難しかったと思います。観客の目全部が自分に向くんですから、いやでも注目されることを理解させられますし。
 だけど、こうやって舞台人として立派になっていくんだなあ〜と笑かしてもらいながらしみじみ思いました。まきてるさんって呼ばなくては。


 そしてベテラン感漂うと言えば柊木くんの本多さんですよね。「新人公演であるにも関わらず、く、組長がいるんだが!?」ってくらい、みよっしーの本多さんが本多さんでした。
「なんであんなにおじいちゃん役が上手なんですか」と質問したいくらい上手だった。川霧でも笑いを取り、鳩三郎でも笑いをとるみよっしーは、こんな老け役まで上手。鬼に金棒だし、次は長がみよっしーもいる102期! 絶対良い舞台を作り上げてくれる〜ー! と、今から楽しみで気持ちがはやります。
 写真の女は同期のこありちゃんだったわけですが、可憐に演じていて、透明感あって、良すぎる切なカップルでした。てらくんやこありちゃんは本公演で新公の代役を演じていたこともあり、もうなんか安定感抜群でしたし、安定感抜群の人しかおらんやんってなりました。



 ばあやの天愛るりあちゃんの明瞭なセリフ回しと、彩路くんの歯の抜けたじいやっていう独自設定が喋るたびに面白すぎました。三獣士は狸吉も虎衛門も鳩三郎も本公演より若い感じでつくっていて、これは美雪の幼さに合せたのかなと思うと、勝手にグッときました。だって、姫とずっと一緒にいたもんね。姫が幼ければ幼いほど、三獣士も達観せず、若々しいままだよね、などと解釈も広がりました。月組の解釈無限大。
 てらくん、あさのくん、しゅりくん、みんな台詞聞き取りやすくて「よき〜〜〜」でしたね〜。本役が蓮さん、うーちゃん、みよっしーの無敵三銃士みたいな面子なのに、新公も「よき〜〜〜」って思わせてくれる月組、本当に「よきよき〜〜〜!」。
 新公、全員滑舌がいいなんてびっくりするじゃないですか。お芝居に滑舌は大事だから、(一生懸命練習してくれてありがとう……)と、聞き取りやすい台詞を耳にするたびに感謝してしまいましたね。こんな大変なご時世に、どれだけ稽古を重ねてくれたのか。貴方たちのおかげでこれからの月組もずっとずっと大好きです。


 それでそれで、師長含め看護師三人も最高だったんですよね……。花時舞香ちゃんの師長もいちごちゃんの栄子も最高だったんですが、みかちゃんまたセリフ回しが上手になっていて!
 高身長な羽音みかちゃんの、背が高くても娘役が大好きなので娘役をするんです、っていう気概が大好きで……桜嵐記のゆりと言い、みかちゃんが娘役として輝いているのがうれしいです。
 みかちゃんと言えば、セブンガールズのセンターもやってるんですよね。セブンガールズについても一気に書くんですが、センターの羽音みかちゃんをはじめ超かわいい〜娘役が勢揃い。まさに娘役大好き人間たちのためにつくられたと言っても過言ではなさそうなセブンガールズだち。
 手を振ってくれるから手を振り返したくなるよね。本当かわいい。小顔で首長の美海そらちゃんとかキュートすぎません? めちゃくちゃアイドルだった。
 そんなかわいい系統とは対照的にクール美人なほたるちゃんとかいるの、このアイドルたち本役さんたちに負けず劣らず推しだわ〜〜〜ってうちわ振ってる気分になりました。課金させてほしい。



 そして娘役さんと言えば白河りりちゃん。本公演でも出ずっぱりで、代役など多方面もろもろ、本当に大変だと思うんです。
 だけど、疲れなんて感じさせない、むしろ「私は大丈夫ですけどなにか?」と、心配をはね除けてくれるようなパワフルな歌声。
 IAFAのエマのときは繊細な歌声を披露してくれたりりちゃん。いろんな役や感情を歌で表現したいと先日のヤングプラスでおっしゃっていましたが、もうまさに「私たちはあなたの歌のいいなりでございます」とひれ伏したいくらい、圧巻でした。しかも、「本公演で代役中の謎の女ではなく、萩京子さんとして歌っている」という違いが素人でも分かる歌の演じ分け。末永く月組で輝いてほしいと願わずにはいられなかったです。


 本公演のお芝居でもショーでも大忙しと言えば天紫珠李ちゃんなわけですが、珠李ちゃんのディアナ様〜! ゴージャスな顔立ちで私の中でのショーガールスターな珠李ちゃん。ディアナ様の浮世離れしたメイクと衣装、似合ってましたね。出番の多い役ではなかったですが、映画側の引き締めとしての存在感バッチリでした!

 助監督たちの歌も、誰も穴なく歌っていて、大劇場の新人公演よりもさらに自由にのびのび助監督として動き回っていて、「成長〜!!! 進化〜!!!」の拍手が止まりませんでした。
 清水さん役のるおりあくんはまずあスーツが似合うじゃないですか。るねちゃんもなんですけど、るおりあくんも、普通のスーツじゃなくて「高級なスーツ」を纏っているように見えるの、あれはどんなスーツマジックなんですかね。中間管理職苦労人清水さんが私たちは大好きだ!

 それから、蘭世ちゃんと一輝くんはアドリブもダンスも絶好調すぎて長年一緒に組んだ戦友のようで素晴らしかったし、ふたり並ぶときのあのオーラと切れ味の良さそうな感じが最高にクセになりました。コンビを組んでコントを披露して欲しいくらい、相方感がすごかったです。これで解散は悲しいので、これから先、二人が組む場面があったら泣いて喜ぶなって思いました。



 京映のスタジオで、新撰組太夫の面々が全力で芝居を楽しんでいたのも「月組観てるって感じだな〜そこ全力なの本当に最高〜!!!」ってキャッキャしてしまいました。甲海くんの存在が月組ファンは絶対大好きじゃないですか。佳乃百合香ちゃんのあの高くてどこまでも響く声とかも大好きじゃないですか。
 いろんな場面でいろんなキャストに言及したすぎるんですよね。本当にどこもかしこも、「私たち、めちゃくちゃ楽しんでお芝居しているんです」「舞台に立つって、こんなに楽しいんです」っていう主張できらきらしていて、「月組に居てくれてありがとう〜〜〜!」と、ひとりひとりに泣きながら御礼を言って回りたいくらい、心に沁みました。

 絶対書ききれていないし書き忘れているし、観劇した瞬間の燃えるような高揚をそのまま文章として再現することは、私の力量では到底出来ないのですが、本当の本当に、月組の新人公演が楽しかったです。
 次のグレートギャツビーは雪組からやってきたあみちゃんこと彩海せらくんと共に102期が長となるわけですが、数か月後の新公が楽しみで仕方ありません。あみちゃん、組み替え早々長の期だし、挨拶もしなくちゃいけないだろうから大変だと思うんですが、月組に馴染んで楽しくお芝居してくれるよう遠いとこから見守ろうと思います。がんばれあみちゃん! 月組でも輝いておくれ!



 最後に、『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!』の本公演について、休演者が多すぎるという声を耳にしたのですが、私は「休める環境」が大切だと思っている人間なので、新人公演でも発揮してくれた月組の層の厚さに感動しっ放しでした。
 元々休演だった朝雪薫ちゃんや一乃凛ちゃんだけでなく、途中から蓮さんが、おはねちゃんが、こありちゃんが休演していったとき、本当に寂しかったし心配でした。「その生徒さん」が目的だった方はとてもショックだったと思います。
 ですが、怪我をしたとき、体調を崩したとき、私は無理をしてほしくはなくてですね。
 特に、昨今はろくにジェンヌさんたちが整体にも行けない日々が続いていると思います。生徒さんの怪我や体調不良を責める方は少ないとは思うのですが、どうか責めるような声はなくなりますように。
 また、まだ休演中の三人が、次の別箱、または大劇場公演で笑顔で復活できるように、ただひたすら祈り続けたいと思います。そして、代役が回ってきた生徒さんには、鍛え上げた舞台根性で、存分に光を浴びてほしいと思います。


 さてはて最後に、『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!』の大千秋楽は、映画館でも、パソコンでもスマートフォンでもご覧いただけます。新人公演が「うっっっま!!!」の塊だったわけですが、本公演「うっっっっっっま〜〜〜〜〜!!!!!」の塊です。
 手元に劇場チケットが無い方も、楽しくって飛びねたくなる月組の舞台を、お気軽にご覧いただけたら幸いです。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村