退団者も発表された花組で、今必要不可欠なものは「若手育成」です。
路線メンバーは確立している花組で不足しているものは、新公主演・新公ヒロイン経験者の別格男役・娘役だと思います。
上級生の退団が相次いだ花組において、とりわけ花組を別格として支えていたのが、飛龍つかささんと音くり寿さんでした。(新公ヒロイン経験者ではなくても、若草萌香さんも歌を中心に花組を支えてくれていました)
今回退団が発生された4名は、それぞれ適正に応じた活躍をしていました。その四人が退団する。ということはつまり、若手の中からそのポジションを担う人物を育てていかないといけないということに他なりません。路線、というよりは、別格として花組を支えていく存在が必要になります。
和海しょうさんや羽立光来さんなどと、対等に舞台に立てる若手ジェンヌさんの存在が必要になります。
そして、今日発表された花組公演のラインナップ。
ひとつは柚香さん星風さん主演の『フィレンツェに燃える』及び『Fashionable Empire』です。博多座を予想していたのですが、まさかの全国ツアー! 星組に続いて全ツは予想外だったのですが、柴田先生の作品楽しみです。
そしてもうひとつ。
バウ・ワークショップ『殉情(じゅんじょう)』です。
なるほど、久し振りのワークショップ! そう来たか! と大きく頷きました。(※バウ・ワークショップとは、簡単に言えば若手育成を目的とした公演のこと)
花組が今一番必要な若手育成的にベストチョイスだと思うのですが、ここで驚いたのが、主演のふたりですよ!
前半期間の主演が帆純 まひろさん(10月13日~10月21日)
後半期間の主演が一之瀬 航季さん(10月30日~11月7日)
お、おめでとうございます〜!!!! 予想外だったものの、だからこそ嬉しくて泣きそうです……。
99期男役初バウ主演……親のようにうれしいよほってぃ。
そして、『はいからさんが通る』で新公主演を射止めたものの、新公が中止になってしまい、主演を務められずに新公学年を卒業してしまったはなこちゃん。
こんなに主演に選ばれて感動したふたりは他にいないかもしれない……本当にうれしいよー! 主演やらせてもらえるのうれしいよお〜! 劇団よありがとうー!
希波 らいとさんじゃないの??? という声もありそうですが、『元禄バロックロック』で新公初主演を務めたらいとくんは103期です。あと1、2回は新公を務めそうですし、このワークショップで二番手の役をこなし、新公学年を卒業したころにバウ主演をしても全く遅くないはずです。
また、若手のときにきちんと二番手や三番手の経験をしていた方が、男役としての土台が強くなり、組子をまとめるという観点も育ちます。(直近で言うと、縣千くんのバウを支えた彩海くんはとても良い経験が出来たはずです)
バウ・ワークショップは、若手が育つ絶好の機会であると同時に、ファンが若手を見つけられる絶好の機会でもあります。
巧みな上級生が在籍していればいるほど、若手の出る幕がないのが宝塚の難しいところです。今の花組は、頼もしい上級生たちがいなくなり、とても寂しく心細いものであると同時に、若手が飛躍できる絶好のチャンスでもあります。
このワークショップで、ダイナミックなダンスを、美しい歌声を、心震わす芝居をするのは、もしかしたらまだ皆さんの注目していない若手の生徒さんかもしれません。(ちなみにわたしは花組106期生の湖春 ひめ花さんの歌声が大好きです)
若手が成長する、活躍する、見つけてもらえる。それは、バウという舞台の、一番の使い方ではないでしょうか。
素敵な花組の若手たちが、ここで花開きますように。
未来の花組を支える若手ジェンヌさんたちがたくさん活躍するよう、ものすごい熱量で応援していきたいです。
「今の花組」は毎公演カタチを変えていきますが、何年経っても「今の花組」が、素敵なものであるように、若手ジェンヌさんの活躍をとても楽しみにしています。