ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

聖乃さん・美羽さんの正念場〜花組バウ『舞姫』を思う〜


 本日、 花組バウホール公演 『舞姫』の先行画像が公開されました。


 主演を担う聖乃あすかさん一人うつりだったのですが、金の装飾が施された真っ白な美しい軍服を身に纏った軍服よりも美しく凛々しい聖乃さんが絵になりすぎていて、ロイヤルド直球な美しさに暫し見惚れてしまいました。

 元々美しい聖乃さん、お化粧までお上手になられていて、美しさの中にも頼もしさがあふれていて、本当に本当に素敵な先行画像です。そして、聖乃さんも大人になったなあと感慨深くもなりました。


 また、先行画像なのに背景まで手が込んでいて、久しぶりの植田景子先生の作品なんだなあと麗しさにときめかせていただきました。


 先行画像にも用いられている舞扇が大きな意味を持つ本作『舞姫』は再演作品であり、 植田先生らしく「美しさ」 が舞台を彩ります。


 本公演の元になっているのは、森鴎外先生の小説 『舞姫』 ですが、 宝塚で舞台化をする上ではかなりアレンジが施されていますので、原作小説のイメージとはかなり異なります。


 ざっくりとしたあらすじは、明治期、幼いころから厳しく躾けられ 「良い子」 を演じてきた太田豊太郎 (聖乃あすかさん) が、 エリート官僚として周囲の期待を一身に背負いドイツへ国費留学を果たします。

 ヨーロッパの空気に「自由と美」を満喫するようになった豊太郎ですが、そんな豊太郎の言動は日本人社会の反感をかいます。

 自分とは違う生き方があることに憧憬を抱えはじめた豊太郎は、運命の相手である貧しくも美しい踊り子のエリス (美羽愛さん)と出会います。

 この物語は、 そんな「豊太郎とエリスの悲恋を描き切った作品」というのが、本当にざっくりとしたあらすじです。



 オリジナルキャラクターの登場もさることながら、恋人であるエリスへの愛と祖国への愛の板挟みで葛藤する太田豊太郎が、 最後まで宝塚の格好良い男役として舞台上に立ち続けられるところに植田先生マジックを感じます。(小説から読み取れる豊太郎は、深く考えなければ「ひどい男・クズ男」と称されやすいタイプなので)


 官僚としての正義感も恋人に対する優しさも祖国への愛も持っている豊太郎をどんなふうに聖乃さんが演じられるのか、今からとてもうっとりしてしまいます。


 また、初演では野々さんの透明感ある繊細なエリスが、その演技力の高さゆえ話題を掻っ攫いましたが、ダンスに定評のある美羽さんが、この難しいヒロイン像をどう形作っていかれるのかとても楽しみです。



 主な配役のふたりは発表済みですが、

 豊太郎の友人で憎まれ役的存在の相沢は二番手役なので、 学年順的に帆純まひろさん

 原作には出てこない私費留学生の画家 (原)役は侑輝 大弥さん

 原の恋人マリィ役は七彩 はづきさんかなあと予想しているのですが、その他配役発表もとても楽しみです。


 植田先生の美しき舞台に、 聖乃さんと美羽さんを中心とした花組生たちがどのように彩を持たせるのか、 そして、 時代に引き裂かれた見ごたえたっぷりの悲恋をどのように演じていくのか、本当に楽しみです。




 そして、本当に楽しみな感情とともに、今回の『舞姫』は聖乃さんと美羽さんの正念場にもなると思います。


 聖乃さんはとても順調に抜擢され続けてきた男役さんであり、アンバサダーにも選ばれています。

 バウ主演も今回で2度目ということもあり、このまま路線から外れることもないと断言できるほどの未来明るい男役さんですが、抜擢をされ続けてきた男役さんだからこそ、厳しい目で見られるのも事実です。


 というのも、100期生も早いもので、2023年の春には研10を迎えます。節目となる男役10年目。舞台を引っ張っていく頃合いです。

 また、花組は水美さんの専科への異動も決まり、聖乃さんのポジションが上がっていくのも時間の問題です。そして、活躍の幅がますます広がると同時に、責任の重さもより重たくなっていきますし、厳しい意見を投げる方も増えてきます。


 最近、聖乃さんの花男っぷりに磨きがかかり続けていますが、大劇場にて、はいからさんの蘭丸以降、そこまでの大きな当たり役には恵まれていません。

 これは演目次第というところもあるのですが、研10になる今期、この豊太郎役にて聖乃さんの魅力が今以上に爆発し、(聖乃さん、お芝居でもこんなに素敵なんだ!)と、たくさんの方が魅了されますことを、そしてますます飛躍する年になりますことを心の底より願っています。




 続いて、花組バウ『殉情』に引き続き、2度目のバウヒロインを射止めた美羽さん。

 主な配役として破線上発表だったことも話題に上がりましたが、花組には美羽さんの一期下に星空美咲さんという早期抜擢を受け続けている娘役さんがいらっしゃいます。


 美羽さんと星空さん、持ち味の違うおふたりですが、組み替えがない限り、ふたりは花組の娘役同士、切磋琢磨していく関係になりますし、作品のヒロインをどちらが担うのか、ファンがドキドキする対象にもなっていきます。


 星空さんはとても素敵な花組の娘役さんですが、美羽さんもとても素敵な花組の娘役さんです。先日、宙組で春乃さんのトップ娘役発表にたくさんの人が驚かれましたが、娘役さんの人事は発表まで何が起こるか分かりません。


 別箱ヒロインのチャンスは、そう頻繁に回ってくるものではありません。そんな中、バウ連続ヒロインというチャンスに恵まれた美羽さんにはぜひ、今回のエリス役にて、これからもたくさんの人にヒロインに望まれるような、たくさんの人の心を惹きつけるような熱演を期待したい気持ちでいっぱいです。



 ジェンヌさんたちが宝塚人生を振り返る上で、「ターニングポイントになった作品」というものが欠かさずありますが、聖乃さんと美羽さんにとって、演じ甲斐のある本作がそんなターニングポイントとなる作品になりますことを心の底から願っています。



 改めまして、先行画像の聖乃さんの美しさに胸ときめかせ、ポスター画像にも期待が膨らむ再演作品『舞姫』が、花組のバウチームにとってとても素敵な公演になりますように。
 チケットを取れる自信はないのですが、本公演を観劇できる日が、今からとっっっても楽しみです。



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村