桜満開の本日は、宝塚音楽学校の合格発表がありました。
111期生の皆様、合格、本当におめでとうございます。
合格発表は今年もオンラインのみでの発表となり、これで4年連続となりましたが、来年度は、校舎裏での掲示発表が実施出来るようになりましたら、この上なく嬉しく思います。
さて、ネットニュースでも取り上げられる合格発表なのですが、
「昨年は692人が受験し、17・3倍と今世紀最少倍率でしてが、今年の受験者は612人。昨年をさらに下回る15・3倍という結果になりました。」
と、おめでとうの気持ちなく、ニュースで倍率ばかり見出しになったりフューチャーされるのがなんだかとても寂しいです。
また、わたしの心が狭いだけなのかもしれませんが、今世紀最小倍率という見出しをつくることによって、今年は例年より合格の価値が薄いかのように表現されるのがとてもモヤモヤしました。尊い合格に水をささないでほしいです。
まずはとにかく111期生の皆様、合格おめでとうございます。もう本当に本当に、合格おめでとうございます。ゾロ目がかわいい期。どんな素敵な生徒さんが入学されるのか、今からワクワクが止まりません。
そして、おめでとうございますの上で、受験人数に関しては、確かに考えなくてはいけない事案ではあるとは思います。
少子化とあわせて、コロナ禍、値上げによる経済的不安、さらには週刊誌の報道と、受験が遠のいてしまうような出来事が続いていたので、受験数減少は致し方ないことだと感じたのですが、去年より80人ほど受験人数が少ないという事実は重く受け止めなければいけないとも感じました。
来年は宝塚110周年、そして再来年は大阪万博と、若い子に宝塚を知ってもらえるチャンスがたくさんあります。願わくば、盛り上がれるそれらの行事が、既存のファンだけでなく、たくさんの人に宝塚の魅力が伝わる新鮮な機会となりますように。
そして、劇団側は少子化だからという貞のいい理由にあぐらをかくのではなく、自分たちが改革しなければいけない箇所はないか今一度見直していただきたいです。そして、宝塚という場所が、ご家族にとってなにより大切なお嬢様を安心して預けられる場所だという信頼を積極的に掴んでいってほしいと切に願います。
少し話がそれましたが、去年より80人ほど受験人数が少ないことに一抹の寂しさも感じましたが、それでも15・3倍。もう、本当に、足がすくむような、難関中の難関、狭き門でございます。
過去と倍率を比べられることもあるかもしれませんが、それと実力は関係ありません。
612人もの夢を持った方々の凄まじい努力が、受験人数が少ないからと言って軽んじられることがありませんことを心より願っています。
また、受験生の皆様にとって、コロナ禍というものは本当に相性が悪い時代だったと思います。
外出禁止がお願いされていた頃は、「舞台という存在そのものについて」批判だって巻き起こりました。
そういう、「これから先の未来が分からなかった」なか、体力的にも精神的にも、 本当に険しくて辛くて厳しいチャレンジが続いてきたと思います。 特に、 今年高校三年生で受験した方は、中学三年生のときから受験をし続けていたとするならば、ずっとコロナ禍での挑戦だったことになります。
マスクをつけた状態での練習に何を思ったのか。 それでも受験をし続けるに至る夢の力はどれだけ大きかったのか。
想像するだけで泣きそうになるのですが、 合格不合格関係なく、宝塚音楽学校を受験された全ての皆様に、尊敬の念をこめて、「お疲れ様でした」 と大きな拍手をしたい気持ちでいっぱいです。
うれし涙、悔し涙、 本日、 さまざまな涙が頬を伝ったと思いますが、 受験した全ての方々にとって、否応なしに新しい春が訪れます。
その春が、宝塚の道か、 宝塚とは異なる道かの違いはあれど、新たな道が皆様にとって「素敵なものだった」と振り返られる日が来ますことを心より祈っています。
また、本日合格された40名の方々は、4月15日に入学式が予定されています。まさに、宝塚人生はじまりの日です。
111期生の皆様の初舞台は2年後。
宝塚音楽学校でさまざまなことを学んでいく皆様が2年後、宝塚の舞台でどんなふうに輝かれるのか、拝見できますその日がとても楽しみで仕方がないのですが、どうか元気と健康に恵まれ、無事に音楽学校を卒業できますことを、そして40名全員で初舞台を踏めますことを心の底より願っています。
改めまして、111期生の皆様、合格、本当に、本当に、本当におめでとうございます。
舞台人になる上で、これから先たくさんの困難があるかとは思うのですが、それ以上の幸福に皆様が包まれますように。
宝塚の舞台で111期生の皆様の笑顔を拝見できます日が、今からとてもとてもとっっっても楽しみです!