ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

ファンの悔しさとスターのコンディションの話

 一昨日は花組バウホール公演 『舞姫』の千秋楽でしたが、 有難いことに千秋楽ライブ配信が実施されました。


 わたしはバウのチケットが手に入れられなかったために今回の『舞姫』は配信が初見だったのですが、バウに足を運んだ友人から「感想を語り合いたいから一緒に観たい」と、当日連絡がありました。


 当日連絡があったので、お互いライブ配信を購入済みであり、せっかくなのでテレビ画面とスマホの画面両方で 『舞姫』 を視聴しました。

 初演とは特にヒロインのエリスの描かれ方が違っていましたが、今回の花組メンバーをよく見ながら演出してくださったんだなと嬉しく思いました。


 聖乃さん、美羽さん、帆純さん、侑輝さんをはじめ、全員が頼もしく輝いていて、『二人だけの戦場』と同じく、こちらにも見応えがありました。脚本と演者の力、両方がまさに光っていて、名作に花組の皆様が新たな命を灯したのだと感慨深くなりました。


 原作の舞姫、そして宝塚初演の舞姫とはまた違う印象を持ちましたが、愛か祖国か。葛藤と使命感いりまじる繊細で悲しくて、だからこそ美しい作品にぐいぐい引き込まれましたし、花組下級生の皆さまの成長具合が凄くて本当に感動してしまいました。この純文学を THE 宝塚な世界に出来ちゃう景子先生と聖乃さん率いる花組の皆さま、本当に最高です。


 そして、配信をご覧の方々はご存じの通り、千秋楽は聖乃さんの喉の調子があまりよくなかったようです。

 わたしは劇場で観劇していないため、 (ちょっと喉を痛めているんだろうな)と感じた程度でしたし、もはや声の本調子じゃない雰囲気が作品の臨場感と相まって余計胸に刺さるほどでした。


 しかしながら、『舞姫』 をバウで観劇した友人はぼろぼろ泣き始め、「もっと、もっと聖乃さんの歌声は力強かったから、あの歌声を聞いてほしかった。本当に本当に悔しいッ」 と自分のことのように悔しそうに言葉をつむぐので、わたしももらい泣きしそうになりました。


 ジェンヌさんのコンディション不良って、ジェンヌさんご自身は勿論のこと、応援しているファンにとっても悔しさやもどかしさがつのります。

 しかしながら、 トップコンビならびに別箱で主演をはるようなジェンヌさんたちは、喉に不調があれど、コンディション不良であれど、滅多なことでは休演されませんし、大きな役が与えられ続けます。


 だからこそ、 厳しい目も向けられがちですし、長い期間の公演やたくさんの出番に向けて、声をつぶさない努力やペース配分を知ることも重要になってきます。今回、聖乃さんは熱演だったからこそ、ペース配分が前倒しになってしまったのかなと感じました。

 これから聖乃さんはますます活躍の場が増え、 責任も重くなる一方だと思いますので、今回の経験でまたひとつ、コンディション面においても成長されてゆくのではないかと感じます。


 ですが本当に、個人的には喉の不調が気にならないような熱演でした。

 千秋楽配信だったため、これからスカステで放送されるときも、いつか円盤で販売されるときも、千秋楽の映像が販売されるのかな? と思ったのですが、友人が「収録カメラが入っている回があったから、スカステ放送も円盤も千秋楽じゃないと思う」と教えてくれました。

 すぐにすぐとはいきませんが、聖乃さんがベストコンディションな状態で熱演された『舞姫』がいつか拝見できそうで嬉しいですし、その日を心待ちにしていたいと思います。


 さてはて、もうひとつの別箱である花組『二人だけの戦場』は5月19日(金)に千秋楽を迎えます。
 集合日はその後になるため、バウチームは一週間以上お休みできそうなのですが、その期間の中で聖乃さんの喉の調子が回復しますことを心の底より願っています。



 最後に。花組舞姫』千秋楽、本当におめでとうございました。

 配信のみの観劇にはなってしまいましたが、どこを切り取っても美しく、繊細な世界観と熱演に、画面越しに釘付けになり、大変感動いたしました。素敵な舞台を、素敵な時間を本当に本当にありがとうございました。大劇場にて、花組の皆様が勢揃いされる次の舞台が本当に楽しみです。



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