突然ですが、わたしの身長は158cmです。身長を測るごとに数ミリの誤差によって結果は変わりますが、おおよそ158cmなんですね。
そして、これは日本人女性の平均身長を調べた際に出てくる数字と非常に近いわけでございます。
ということで、THE日本人女性平均身長なわたしなのですが、残念ながら鳳月さんや彩風さんのように脚が目を見張るほど長いなんていう奇跡もなく、どちらかと言えば､「もしかしてわたしは身長のわりに座高が高いのではないだろうか」 と、座高の高さの方に軽く気を揉んだことさえあります。
そんな「日本人女性平均身長、だけれどちょっと座高が高いわたし」は、前に座る人によって、舞台の真ん中付近がま〜〜〜ったく見えないことがあります。
前の人が背の高い男性に当たったとき、（あ〜〜〜）と心の中でショックを受けるわけですよ。けれどその男性には決して罪はないので、（わたしは同じ舞台を複数回観劇するし真ん中が見えなくても舞台の端で頑張っている下級生は見えるから平気）という強がりで自分を慰めたことが何度もありました。
わたしと同じくらい、もしくはそれより身長が低い方は、同じ思いをしてきたことがあるのではないでしょうか。
身長が高いことはもう仕方がないことなのでね。その人たちに非は全くないでね。遠慮せずに前の席で観劇してほしいですし、わたしは自分の席運を呪うだけなんですね。
ただ、どうしても許せないのは「背中を背もたれにつけない前のめりなお客さんたち」なんですよ。
これはもう老若男女初日だの千秋楽だのに関わらず突然目の前に出現します。前の人がそこまで背が高くないなと油断していた際に、幕が開いてから前のめり観劇をされるとショックで白目をむきそうになるときがあります。
「ジェンヌさんが銀橋に出てくるたびに本当にそんなに前のめらないと見えないのか？？？ そうなのか？？？ しかもそんなに頭を横に動かす意味とは！？！？ 意味とは！！？」 と、前の席の方に問いただしたい気持ちになったことが何回あるでしょうか。
というのも今回の雪組観劇で、ちょっとそういう方が目の前の席にお座りになられまして。 座るポジションがどうみても座席の前半分だったんですね。
なかなか背も高い方だったので、お芝居の方はかなりの範囲が見えなくて、(あ〜なぜにそんなに背が高いのに背もたれに背をつけてくれないの〜でも端の方にいる雪組の下級生格好良くてかわいい〜)の気持ちで情緒がてんやわんやでした。
初観劇の方なのかなあどうなのかなあ、初見だったらお芝居中に肩トントンするのもなあと思って、幕間になってから勇気をもって、「すみません背もたれに背をつけていただきたく……」 とお話したところ、 ショーの方はばっちり背中をつけてくださりました。舌打ちされたらどうしようと思っていたのでよかったです。
結果として、背が高くても背もたれに背をつけてくださるだけで、やっぱりかなり見える世界が違うと申しますか。身長の関係で見えないところもそりゃああったのですが、 ショーからは苦い思い出にならずに済んでよかったです。
そしてここからが本題なのですが、上記の観劇後、「自然と背もたれに背をつけてしまうような画期的な椅子が発明されてほしいな〜」と友人に話したんですよ。
そしたら、「分かる。 宝塚もエアウィーブ導入して欲しくない？」 と同意を求められました。が、 わたしはエアウィーヴを導入している劇場を知らなかったのでそのときは「？？？」でした。
どうやら 「明治座」 にて、2015年からエアウィーヴのクッションが全席に導入されていたようです。
そして、今年の4月8日に開幕された明治座創業150周年記念 「壽祝桜四月大歌舞伎」 から、「腰全体を支えられる背もたれ付きのクッション『エアウィーヴクッション 明治座』」が新たに設置されているようで。
それを知ったとき、「う、羨ましい〜！！！」と思わず羨望の声が出ました。長時間の座り疲れが軽減されるようで、実際はどんな感じなのか分からないのですが、なんか機能的でめちゃくちゃ羨ましいなと感じてしまいました。
そして友人曰く、「『背もたれ付きエアウィーブは気持ちいい=自然と背中を背もたれにつける』 の式が成立するのなら、これを導入しさえしてくれたら宝塚で前のめりになる人はいないし私たちの腰にもやさしくて最高じゃない？」と神妙な顔で訊いてくるのでもう天才かと思いました。
「ナイスアイディアすぎない？？？」 と友人を褒め称えつつ、映画館でちょっとリッチな椅子に座ったときに勝手に背中が吸収されるあの感じを思い出しました。確かにアレは前のめりにならない……なぜなら背もたれが気持ちいいから……。
ということで、これは良案なんじゃないかなあと宝塚側の金銭的な負担も考えずに勝手にエアウィーヴ導入を夢見たいのですが、皆様いかがでしょうか。個人的にはエアウィーブ募金してくれたらすぐさま参加したい気持ちでいっぱいです。
最後に。あれだけ美しいジェンヌさんたちが舞台に登場するのでね。前のめりになりたい気持ちも分からんでもないのですが、それでは誰かが不快な思いをしてしまうのでね。どうかエアウィーヴが導入されていなくても、背中を背もたれにしっかりつけて観劇してくださいますことを心の底より願っています。
