ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

衝撃の男役・柚香光さんに思いを馳せる


 今日も月組さんに通わせていただき(本当に月組さん最高でたまらんです)雪組全ツのライビュを拝見できなかったため、身体がふたつあってほしいなあとしみじみ感じた本日は、花組東京宝塚劇場公演『鴛鴦歌合戦』 『GRANDMIRAGE!』初日の幕が無事に開かれたということで。


 花組の皆様、東京初日の幕開けおめでとうございます!!!!!


 チケットがなくて本日は花組さんに足を運ぶことはできませんでしたが(チケットもないし身体も足りない)、大劇場で10回ほど観劇させて頂いた本公演、楽しい思い出がたくさんたくさんあるのですが、花組の皆様を堪能できるこの素敵な二本立て公演が大千秋楽まで無事走り抜けられますことを心の底より祈っています。



 はてさて、花組さんと言えば、トップコンビの同時退団発表からはや数週間。

 そろそろ柚香光さん、星風まどかさんの退団発表について思いを馳せさせて頂きたいと思います。


 発表当初はショックと衝撃と寂しさで頭が追い付かなかったのですが、穏やかで晴れやかな笑顔あふれるおふたりの素敵な退団会見を拝見し、今はもうただひたすら、おふたりが宝塚をご卒業される最後のその日まで、おふたりの宝塚人生をいちファンとして精一杯応援させて頂きたい所存でございます。



 二人とも思い入れが強すぎるので、今日はまず、柚香光さんに想いを馳せさせて頂きたいと思います。




 2009年、宝塚歌劇団に95期生として入団された柚香さん。 初舞台は宙組公演『薔薇に降る雨』『Amour それは・・・』でした。


 わたしにとって柚香さんは、忘れることなど一度だってできないような、衝撃的なタカラジェンヌさんでした。


 というのも、わたしはそんなにも優れた洞察力の持ち主でもなければ、一度見た人の顔を忘れないほど器用な人間でもありません。

 あの子のダンスが素敵だった、あの娘役さんがかわいかった、あの男役さんが格好良かった、 だけど肝心のジェンヌさんの名前が分からない。顔と名前が一致しない。 そういうことが多々あって、とくに、殆どお初にお目にかかる初舞台生さんたちのお顔は、何度通っても顔と名前があっているのかイマイチ自信を持てないことも多いです。


 それなのに、 95期生のラインダンスを初めて見たとき (あの人は確か、 柚香光さんだわ)と、私のオペラグラスは意図も簡単に柚香さんの姿を捉えました。

 宝塚化粧もしていないお写真を拝見していた程度だったのに、 本当に、誰とも見間違えることなく、唯一無二の存在として、 どこにいるのか、すぐに見つけてしまうわけです。 それは鈍い私にとってのある種の衝撃に近いものがありました。



 その衝撃はまだ続きます。 花組配属後、柚香さんは早速『EXCITER!!』 にご出演するわけなのですが、 これまたどこにいても「分かる」のです。 ピックアップされていたことも大きいとは思うのですが、 (あ、あそこに柚香さんがいた) と、 またすぐに見つけることが出来ました。



 スター性というワードに対し、明確な答えがないからこそ宝塚界隈ではよく議論が巻き起こります。 わたしは別にスター性にこだわりはないですし、スターだと思う基準や価値観は人それぞれでいいと思うんです。 誰とも考えを同じにする必要だってないと思います。


 だから、スター性というものを深く考えたことすらなかったのですが、 この、【どこにいても、それが端っこであっても、それに加えて台詞すらなくても 『分かる』 存在。見つけただけでうれしくなる存在。 わたしにとって彼女はすでに『スター』で間違いないんだな】と。そんなことを思わせてくださるには充分の輝きが、最下級生の頃からあった柚香さん。


 花組を観劇するたびに、柚香さんをオペラグラスで追いかける日々は、それはそれはもう、楽しくて楽しくて仕方ない日々でございました。



 それからあれよあれよと新公主演に別箱主演。 宝塚のスターダムを駆け上がっていく柚香さん。

 抜擢続きに批判はつきものですが、一番つらかったのは、明日海さんが退団発表をされ、柚香さんが次期かどうかの話題で持ちきりだったころです。


 そのころは、「歌劇団なのだから歌がうまくなくてはいけない」という歌うま至上主義派の方々が多々いらっしゃいました。

 その方々がどれほど花組に対して熱い思いを向けていたのかは定かではありませんが、とにかく、柚香さんがトップになることに批判的だったようで(まあこれは誰がトップスター候補になっても一部で似たような批判は繰り広げられのですが)、SNSも今よりはもう少し過激な言葉遣いであふれていて、柚香さんの視界に、こんな汚い言葉が映らなければいいな、と。そんなことをひたすら願う時期がありました。


 その方々は柚香さんがトップになってからの花組を勝手に憂いていたようですが、 今、花組がこんなにもきらきらとした素敵な組になっていることを果たして知ってくださっているでしょうか。柚香さんという男役が、立派なトップスターとして光り輝いていることを、ちゃんと見てくださっているでしょうか。



 また、柚香さんがトップになるや否や、コロナ禍という前代未聞の時代がやって来ました。 ただでさえ大変なトップスターの仕事に加え、舞台という世界にとって致命的な 「公演が出来ない」という、辛すぎる事態を乗り越えなければいない時代がやってきてしまいました。


 花組さんは特に、いつも辛い時期に公演が回ってきました。 東西完走さえさせてもらえない。それどころか、思い出すだけでも心が痛む長期休演が本当にたくさんありました。


 そんなやりきれない気持ちもすべてを背負って、柚香さんは花組の真ん中で、 常に誰よりエネルギーを燃やし続けてくださいました。 こんな男役さんに巡り会えたことが夢のようだと、本気でそう思わせてくださる柚香さん。

 たくさんの人が、柚香光さんという男役に心奪われ、宝塚という世界に触れてくださいました。本当に凄い、眩いほどの吸引力を柚香さんは持っています。



 そんな柚香さんが退団を決めたのは今年2月。退団会見での、 「外の知らない世界でまだ見ぬ自分と出会ってみたい」 というお言葉、 柚香さんならではのお言葉があんまりに眩しくて、かけがえのない青春時代を、宝塚で過ごしてくださった感謝が喉元まで込み上げてきました。


 そしてなんとなくなのですが、退団後の未来が柚香さんの中では描かれているのかな、と。退団日まで全力で男役像を全うすることはもちろん、ファンの方々のためにそういうことも示唆してくださったのかな、と。今回の会見ではそんなことまで感じました。


 外の世界でまだ知らぬ柚香さんと、宝塚ではない世界で再び出会うことができるのなら、それはそれは本当に本当に幸せなことだと思います。(特にモデル業、続けて欲しいなあと心から願っています)



 退団に関して、星風さんには3月末の稽古場 「二人だけの戦場」にて伝えたようです。「ぜひ私もご一緒させてください」の星風さんの申し出を嬉しそうに教えてくださる柚香さん。素敵なおふたりのご関係を垣間見せていただき、とびきりの幸せをお裾分けしてもらった気分になりました。



 花組一筋の柚香さん。こんな男役さんにはもう二度と出会えないと、そう思えるほどの衝撃と光で満ちた最高の花組トップスター様。柚香さんの宝塚人生最後のその日まで、その圧倒的に眩い光を追いかけさせて頂けましたら幸いです。



 退団公演が最高の公演になることはもちろんのこと、まずは花組『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』が東京公演も無事に完走できますことを、念願の東西完走となりますことを心の底より願っています。



 退団されるその日、柚香さんの宝塚人生いちばんの笑顔と出会うことができますように。花組トップスター柚香光様のことが、大大大大大好きです。



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