ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

だから大好き。月城かなとさんの記者会見に思いを馳せる

 一昨日、月組トップスター・月城かなとさんおよび月組トップ娘役海乃美月さんが、2024年7月7日の東京宝塚劇場公演 ミュージカル・ロマン 『Eternal Voice 消え残る想い』、レビュー・アニバーサリー 『Grande TAKARAZUKA 110!』の千秋楽をもって退団することが発表されました。


 さみしさで心臓がまだ痛くとも時間は止まってはくれず、昨日はおふたりの記者会見が実施されました。


 毎日新聞朝日新聞など、さまざまなところからおふたりの記者会見の受け応えを記してくださった記事が発表され、本日スカステのニュース内で実際にその映像を拝見しては、改めておふたりへの思いが募る一方になってしまいましたので、それぞれに思いを馳せさせていただきたいと思います。



 まず本日は月城かなとさんについて記させていただきたいと思うのですが、わたしが月城かなとさんの魅力に抗えなくなったのは、2014年雪組 『心中・恋の大和路』 の与平役でございました。


 まだ新人公演学年の下級生であるはずなのに、この哀愁漂う世界をつくりだす歌を感情いっぱいに歌いあげるこの男役さんはなんてしっかりとしたお芝居をされるのだろうと惚れ惚れしたのをよく覚えています。


 そんなふうに心つかまれた月城さんの最高の舞台、新人公演 『星逢一夜』 、バウホール公演 『銀二貫』を立て続けに客席にて観劇しては、もうその堅実な演技の虜になってしまいました。


 また、『るろうに剣心』の四乃森蒼紫様役という、ビジュアルでも我々の心を鷲掴んでくる月城さん……。月城蒼紫様の登場とともに客席のオペラグラスが一斉に上がるあの瞬間はもはや爽快な気持ちすらございました。


 そんな月城さんが月組にやってくることになったときの驚きは未だに覚えています。


 組み替え後、やっぱり衝撃的だったのは月組で初めて主演を担われた『THE LAST PARTY』でした。あの公演は個人的に忘れられない宝物のような公演なのですが、翌年のおとめでラスパ出演組がたくさん『THE LAST PARTY』を思い出に残る作品として載せてくださっていたことを嬉しいと感じた日々が懐かしく思います。



 そのあともダルレークに川霧にロマ劇に、わたしたちファンにとって生涯の宝物になるような公演を月組生とともにつくりあげてくださった月城さんが、雪組を大切にしつつも、「今、月組にいられてよかったと思えるのがうれしい」と、記者会見でお話ししてくださったこと、涙が出るほど嬉しかったです。



 この流れで、ここからは昨日の記者会見について記したいのですが、記者会見の受け答えが、まさに私の大好きな月城かなとさんそのものすぎて、寂しさは拭えぬものの、「だから大好き」と「さらに大好き」の気持ちが爆発しそうになりました。



 というのも、月城さんはトップ就任の依頼を受けた際「トップになるということは、自分だけのゴールではなく、月組の伝統を引き継ぐ役割をいただいたことでもあり、どうやって、次につなげるのがベストなのか、去り際は就任のときに考えました。早い段階で5作でとゴールを決めて、月組をいい状態にして、みなさんに愛していただける月組にしようと思ってきました」と語られました。


 ちなみに、5作という数字にこだわったわけではなく、それは(5作は) たまたまのようで。先へ思いをめぐらせて、(だいたいこれぐらいの時期に下級生がバウ主演を果たしして、次の月組を支える子が出てきて)と考えた結果、安心できるのは5作かなと決意したようで、月組の将来を見据えた思考回路に泣いてしまいました。


 いやなんかもう、トップになったうれしさとか、男役としての己の満足感とかそういうものより、5作の間で自分が組のためにできることをやりとげようそして愛される月組を繋げていこうとするその達観した使命感を俯瞰して伝えてくださる様が潔すぎて、このスマートさが社会人として憧れると言いますか。

 もう顔面だけではなくそれ以上に中身がハンサムすぎて、まさしく惚れ惚れしてしまうんですよね……。宝塚を愛するものとして人として責任感ある立場としてあんまりに格好いいなあと感じます。



 また、「これからの月組が不安」とか誰にも言わせたくないなの気持ちになるほど、こんなふうに組の「今だけでなく将来」 に思いを馳せ続けてくださった月城さん。

 月城さんは、自分のためというより組のため、組をよりよくするためにトップスターを全うしてくださったのだな、と。その気持ちは就任当初から言葉の節々で感じておりましたので、実際言葉にされて、ストンとくるものがありました。


 というのも、月城さんはいつも、「みんなで」「月組全員で」「下級生に至るまで」 と。 そんな温かい言葉を何度も何度も何度も繰り返し口にしてくださるトップスター様でした。


 また、月城さんがトップに就任したころ、「実力があるからこそ下級生たちにはもっと自信を持ってほしい」とおっしゃられていたことをよく覚えているのですが、今回の記者会見にて「下級生も、舞台上でいろいろなことに挑戦したり(表現を) 変えてみたりすることに戸惑いなく、安心して立てていると感じます。それを受け止めてくれる上級生もいる」と組の成長を実感されているのも感慨深かったです。


 そんな組になったらいいな、が花開いていく瞬間を月城さんが見守ってきたのかと思うと、胸いっぱいに温かいものが込み上げてきます。


 組本での白霧さんへのエピソードもですが、月城さんは月組の最下級生や休演者に至るまで、誰も取りこぼさず全員で舞台をつくっていくという意義を大切にしており、その結果、「誰一人かけてはいけないし自分も月組の舞台をつくりあげる大切なピースのひとつなんだ」 という意識が下級生に至るまで強く植えついたように思います。


 だからこそ今の月組は、本当にひとりひとりが舞台でのびのび楽しそうに自分の役割を全うできているのだと感じます。

 そんな月組の舞台を拝見するのが今、わたしは本当に楽しくて楽しくて仕方ありません。



 今の月組は、いい組です。 本当にいい組です。いい組どころか、最高に素晴らしくて、最最最最最ッッッ高に素敵な組として光り輝いています。


 今までの月組を繋ぐため、そしてこれからの月組が更により良き組になるため、たくさんのことを考えてくださり、たくさんのことを心がけてくださり、たくさんの言葉を投げかけてくださり、たくさんのことを大切にしてくださり、本当にありがとうございます。



 月城さんはあまり自分語りされませんし、されたくもないとは思うのですが、今の月組は、月城かなとさんという男役さんの輝きがあってこそでございます。

 心地よくてドキドキする声に抜群の歌唱力に心にしみるようなお芝居にあの美しさに組子ひとりひとりを見る洞察力。月城さんはきっと謙遜するでしょうが、トップスターとしての実力も、組子を導く力も文句なしで、本当に、最高のトップスター様としか言いようがございません。



 そんな月城さんは相手役である海乃さんのことも本当に大切にしてくださり続けました。


 ギャツビー公演中にすでに5作目退団を海乃さんへと伝えた月城さん。 「彼女には彼女の人生があるのでそこは自分のタイミングでどうするべきか一度考えてほしいと言いました」とのことで、なんかもう、ここなんですよ。


 月城さんはいつも海乃さんの意思を尊重してくださり、 己と向き合う時間やきっかけを与えてくださり、 海乃さんの人生を海乃さんが蔑ろにしないよう後悔しないよう大切にしてくださるじゃないですか。


 思えばラスパの頃、 もっと演じることが楽しくなるよう海乃さんの心のベールをはがそうとしてくれたのが本当に忘れられない表現なのですが、 娘役とか相手役とかの肩書きよりも先にひとりの舞台人として海乃さんと対峙してくださることが本当に嬉しくて嬉しくて……GRAPHにて、「海ちゃんが心から舞台を楽しんでくれることが私の1番の喜びです」って記されていたのも本当に嬉しかったなあと思い出したり。


 「(海乃さんと)ずっと同じ景色を見てきたので最後に一番いい景色を見られるように、一緒に最後まで頑張っていきたい」と語る月城さんが、宝塚人生最後のその日、海乃さんと共に一番いい景色を見られたら、いちファンとして嬉しい限りでございます。




 あと、退団の記者会見につきものの結婚の質問がわたしは全く好きじゃないのですが、逆質問する月城さんひょうきんお茶目天邪鬼クレバー全開で、なんかめちゃくちゃ元気出ました。写真見るだけで楽しかったです。


 フラットでニュートラルでユーモアがあって品もあって思慮深くて聡明で、月城さんの発する言葉は教科書に載せた方がいいなと思うものがいくつもありるのですが、わたしたちファンが受け取っているのはほんの一部分だと思います。

 ですが、それを毎日のように受け取っている月組の皆様は、本当にたくさん学ぶことがあるだろうなあと。最後のその日までそのひとつひとつが宝物になったらいいなあと思います。



 役作りにこだわりにこだわり、 「みんなで」 という気持ちを何より大切にしては、最下級生にまでしっかり目を配る温かさ。


 月城さんは自分のことを褒められるのがとても苦手で、一見クールに見えて、だけどその実、舞台に対して、組子に対して、月組に対して、宝塚に対して、静かに熱い愛情を注ぎ続けてくださる、だけどどこまでもさっぱりとした姿の似合う男役さんだと思うのですが、そんな月城かなとさんが月組トップスターに就任してくださったこと、本当に感謝の気持ちしかございません。ありがとうございます。



 記者会見での受け答えを聞いて改めて、月組のさらなる成長と発展を遂げる役割を最後まで完遂しようとしてくださる月城さんがあんまりに月組のこれまでとこれからを大切にしてくださっていて本当に愛しいですし、こんなに月組を大切にしてくださっているからこそ、回り回ってそれが月城かなとさん自身のためになることをいちファンとして心より願っております。



 月城さんの舞台をたくさんたくさん拝見しすぎていて、そのどれもが大切すぎて、今回だけではとても記すことができないのですが、素敵すぎる記者会見のすべてにおいて、舞台姿だけでなく、そんな月城さんだからこそこんなにも大好きで大好きでたまらないのだと改めて実感させていただきました。



 新陳代謝の宝塚ではありますが、私は本当に月城さんの舞台をもう1作でも長く観たかったの気持ちでいっぱいで、それほど月城さんが月組の皆様と全員でつくりあげる舞台が大大大大大好きでございます。



 寂しさで心が張り裂けそうな気持ちにもなりますが、月城かなとさんを応援できている今がとてつもなく楽しくて幸せだと。

 そう思わせてくださる月城さんのこれからの宝塚人生が最後のその日までますます素晴らしいものになりますよう、いちファンとして最後のその日まで全力で応援させていただきたいと同時に、その姿を大切に見守らせていただきたい気持ちでいっぱいです。


 これからの全ての公演が、月城さんにとって、そして月城さんが大切にしてきた月組にとって、ますます実りある素敵なものになりますことを心の底より願っています。


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