ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

いろいろ言われがちだけれども!海乃美月さんの退団に思いを馳せる


 月組トップスター・月城かなとさんおよび月組トップ娘役海乃美月さんが退団を発表されてからはや数日。


 本日は海乃美月さんについて思いを馳せさせていただきたいと思います。



 海乃さんと言えば、10年以上ずっと観てきた、月組の大切な大切な娘役さんでございまして。たくさんの月組ファンがずっと、トップ娘役に就任することを夢見た娘役さんだと私は思っています。


 だからこそ愛希さんの後、トップ娘役に就任できなかったとき「海乃さんをトップ娘役にしないなんて」と怒っていた人たちがいらっしゃいました。ですが、その人たちの中には海乃さんが3作でやめないとわかったとき、「居座り」と手のひらを返すように言い出しはじめたことに愕然としまして。


 ああ、きっとこの人たちは海乃さんのことが心の底から好きだったわけではなくて、ただただ何かしらに文句を言いたいだけの人たちなのだなと実感する今日この頃。


 もしも美園さんより前に海乃さんがトップ娘役に就任していたら、例えば任期が5作であってもきっとここまで堂々と文句を言われることはなかったと思います。が、わたしは珠城さんと美園さんが組んでくださった日々と、月城さんと海乃さんが組んでくださった日々が大好きなので、あのとき海乃さんをトップ娘役にしていたらとはもう思えません。



 また、海乃さんがもしも3作で退団されていたのなら、わたしが毎日通いに通いまくっていた大好きな大好きな大好きな月組公演『フリューゲル -君がくれた翼-』『万華鏡百景色』は全く違う形になっていたと思うので。

 わたしは心の底から、海乃さんが3作ではなく5作担ってくださることが本当に本当に嬉しいですし、宝塚にその人生をたくさん使ってくださってありがとうございますの感謝の気持ちしかございません。



 上級生娘役であること、ヒロイン経験数、3作で退団されなかったことなどにより、退団発表してもなおいろいろ言われがちな海乃さんではありますが、海乃さんが5作担ってくれて嬉しいファンはここにいるしたくさんいるよ!!! ということをどうしても記したく、まずは記述させていただきました。大好きです!!!



 ということで、ここからようやっと海乃さんの好きな役柄を振り返っておきたいのですが、2012年に月組に配属されてから海乃さんがご出演されてきた舞台はたくさんたくさんあります。


 そんな中、個人的に一番鮮烈に記憶に刻まれたのは『エリザベート-愛と死の輪舞-』 でのヴィンディッシュ嬢役でした。

 海乃さんヴィンディッシュ嬢の短くとも絶対的な演技が本当に本当に素晴らしくて、なんかもう泣けて仕方がなくて、個人的に海乃さんに更に魅せられた瞬間で本当に忘れられません。



 そしてやはり『今夜、ロマンス劇場で』の美雪役ですよね。モノクロ映画のプリンセスのビジュアルが抜群に素晴らしく、現代の常識が伝わらないおてんば姫をかわいらしくコミカルに、秘密を打ち明ける場面での切ないしっとりとした演技も本当に素晴らしいです。


 さらに最新公演『フリューゲル-君がくれた翼-』 のナディア役。最初はとんだわがまま歌姫なのですが、ビールもタバコも嗜むのに品があるところが流石ですし、ベックスビールが飲みたいな〜をはじめとする台詞の言い方が本当にかわいくてかわいくて。そして後半から物分かりのいい頼りになる女性になれるのは海乃さんだからこそだと感じます。



 振り返ってみると、研1の頃から海乃さんが大好きなのに、特に好きなのが後半期のお役であること。これこそ海乃さんが上級生でトップ娘役になった理由のように思います。



 ですが、海乃さんがトップ娘役になれたのは本当に奇跡と運命の巡り合わせだと思っておりまして。海乃さんは休演するほどの怪我もされました。また、OTTでは変わり者のルームメイト役を、IAFAでは珠城さんの母親役を演じることになり、演じる役に変化が出てきたときもありました。そして一番引っかかっていたのは、上級生でトップ娘役に就任できる事例はとても少なかったことです。



 だからこそ、海乃さんがトップ娘役だと発表されたときは、応援しつつも本当に本当にびっくりしたことをよく覚えています。


 海乃さん自身もトップ娘役に決まったとき、驚いて取り乱したとおっしゃっていました。月城さんに電話する際のテンパっている海乃さんが目に浮かぶようで、微笑ましくなったのを今でも覚えています。



 そしてトップ娘役に就任したのち、博多座で実施されたプレお披露目公演のデュエットダンス。


 海色のドレスを身につけた海乃さんは、月城さんの相手役をする海乃さんは、誰よりも、今までのどんな役よりも、より一層美しく、可愛らしく、輝いて見えました。


 幸福のかたまりのようなあの光景。


 海乃さんが巡り合う運命の相手役が月城さんで良かった、と。月城さんの横で微笑む海乃さんを拝見するたび、何度も何度もそう感じずにはいられませんでした。


 あの真面目で、真面目すぎる海乃さんが、月城さんが隣に立つようになってから、とても可愛らしく笑うようになったこと。役作りやお芝居に対し、とても嬉しそうに発言をするようになったこと。


 月城さんは海乃さんをとても対等な相手として頼ってくださり、尊敬してくださり、切磋琢磨してくださる。なんて素敵なご関係だろうか、と。ここ数年、2人が横に並ぶたびに、その喜びをひしひしと噛み締めて参りました。



 真面目すぎるトップコンビがひたすら努力し続ける、今の素敵な月組が大好きです。だからこそ、月城さん同様、海乃さんの退団は本当に寂しいです。


 寂しくて寂しくて寂しくて。だけれど、海乃さんがトップ娘役になれたことが本当に嬉しくて、月城かなとさんの相手役になってくださったことが本当に嬉しかったと、噛みしめずにはいられません。



 現月組体制が大好きすぎて。本当はもっともっとたくさん、月城さんと海乃さん率いる今の月組を見ていたかったのが本音ですが、それと同時に宝塚人生ゴールのその日までひたすらに「今までありがとう」と応援し続けたい気持ちでいっぱいです。



 海乃美月さん、辛いことも大変なこともたくさんあったと思うのですが、そのときそのときで宝塚を退団せず、月組のトップ娘役になってくださって、夢を見せてくださって本当に本当にありがとうございました。

 どうか退団するその日まで、素晴らしき月組の娘役・海乃美月さんを。そのどこまでも素敵な姿を客席にて拝見できますことを心の底より願っています。


にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村