ワッフルと宝塚のブログ

宝塚がある世界に乾杯

劇団の報告書受領と週刊誌を頼らないといけない深刻さについて


 まずは本日、月組東京宝塚劇場公演『フリューゲル -君がくれた翼-』『万華鏡百景色』を休演されていた海乃美月さんが、11月11日(土)11時公演より復帰されました。


 海乃さん、公演復帰本当におめでとうございます。


 そして彩さん、天紫さん、菜々野さん、美海さん、きよらさん、花妃さん、澪花さん、八重さん、それぞれ代役・代役の代役、本当に本当にお疲れ様でした。


 この状況下の中で舞台に立つこと、さまざまな不安や怖さがあるとは思います。

 どうか皆様ご無理だけはなさらず、そして何より、月組の皆様の心身の健康を、休演中である白雪さん、彩音さん、飛翔さんの快癒を心の底より願っています。






 そして先ほど宝塚公式HPより『外部弁護士による調査チームの報告書について』とのお知らせがありました。



『このたびの宝塚歌劇団生徒の急逝につきまして、弊団といたしまして大変重く受けとめており、誠実に対応してまいる所存です。

 また、昨夜、外部弁護士による調査チームより、調査報告書を受領いたしました。調査結果につきましては、今後の改革の方針とあわせて、近日中にお知らせいたします。

 宝塚歌劇団では、このたびの調査結果ならびに各組・スタッフ等との話し合いを通じて出てきた課題に対して真摯に向き合い、変えていくべきものについては、全力で改革に取り組んでまいります。』



 以上、「報告を受領した報告」がありました。


 昨日、宙組所属の女性が急死した問題で、ご遺族の代理人弁護士が東京都内で会見したことを受けて、慌ててこのお知らせを出したように感じました。


 意地の悪い受け取り方かもしれません。ですが、今の心境としても意地の悪い受け取り方をしてしまいます。


 そのくらい、「深い悲しみの中にいるご遺族が動かねば事態が進展しそうにもなかった事実」はあまりにショックでした。


 一夜明けてもなお、ご遺族の皆様の訴えを思い出しては、心が張り裂けるように痛みます。


 また、『ハラスメントのない健全な職場環境の整備』(https://kageki.hankyu.co.jp/sp/sustainability/environment.htm)について。


 ここにはハラスメントに対するご立派な表明があります。


 例えば、『すべての役職員が互いに尊重され、健全な職場環境のもとで働くことができるよう、今後も継続して同理念・方針に則ったハラスメントのない健全な職場環境の整備に取り組んでいきます。』と記されています。


 理念を掲げるのは簡単ですよね。綺麗事も簡単です。けれど、それを実行することは難しいです。なぜなら、大人数が所属する場での「何かしらの問題」は、発覚しなければ上も解決することができないからです。


 ですが、ご遺族の方々は『劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、それを無視し捏造隠蔽を繰り返しました。 』と振り絞るように訴えています。


 彼女は、「助けて」と、上に必死に伝えていたわけです。問題は発覚していたわけです。

 それなのに、それを無視するというのは、彼女の声を殺したことと同義であり、その上で捏造隠蔽を繰り返すなんて、彼女の心境を想像するだけで息苦しくてたまりません。


 もしもその助けにきちんと向き合っていたら、彼女の未来は変わっていたかもしれない。考えるだけで、本当に本当にやりきれない気持ちでいっぱいになります。


 また、「彼女が何度真実を訴え助けを求めても、それを無視した劇団は、何を訴えても都合が悪ければ助けてくれないのだ」と。

 そんなふうに諦めてしまった人たちがいるからこそ、「一か八かで週刊誌を頼る人たち」が出てきたのではないでしょうか。


 真実をありのまま記してくれるか分からない。それでも、劇団が聞いてくれないから。無かったことにされるくらいなら週刊誌を頼って、自浄作用の乏しい劇団を刺激して、変わってもらわなければいけない。亡くなった彼女のためにも動かないといけない。そんなふうに考え、週刊誌を頼った生徒さんたちもいらっしゃるのかもしれません。


 ですが、それってあまりに異常で、深刻です。助けを求めても無視し続けてきた劇団が起こした、あまりに深刻な事態です。本当は、そこに頼る前に、声を救ってあげなくてはいけなかったと、部外者ですら分かります。


 彼女を救えなかった時点で遅いのですが、この深刻な事態を本当に重たく受け止め、理解してほしいです。




 先ほどのお知らせの通り、調査結果については、「今後の改革の方針とあわせて」近日中にお知らせがあるのでしょう。

 しかしながら、先ほど話題にした『ハラスメントのない健全な職場環境の整備』のように、方針を打ち出すだけで実行されなければ何の意味もありません。


 『宝塚歌劇団では、このたびの調査結果ならびに各組・スタッフ等との話し合いを通じて出てきた課題に対して真摯に向き合い、変えていくべきものについては、全力で改革に取り組んでまいります。』


 このお知らせを本当に信じていいのか分からないのが本音ですが、まずは何よりご遺族の皆様への対応だと思います。それと並行もしくはその次が改革だと個人的には思います。


 いくら悔やんでも、悲しんでも、彼女の命は取り返しがつきません。そして深い悲しみの中、立ち上がったご遺族の皆様の声は、亡くなられた彼女のためであり、そして宝塚がこれから変わるための声なのです。


 傷だらけの中立ち上がってくださったご遺族の皆様の心を、そして亡くなられた彼女の意思をこれ以上踏み躙ることがないよう、どうか、どうかどうか、まずはご遺族の皆様の声に真摯に向き合ってくださいますことを心の底より祈っています。

 
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